
本記事では、2025年時点で個人投資家に注目されている社債の利回りを比較しながら、人気銘柄の選び方や投資で失敗しないための視点を整理しました。

社債は、元本の安全性と利息収入のバランスを重視したい人にとって魅力的な投資先ですが、利回りの高さだけで選んでしまうと思わぬ落とし穴もあります。高利回りランキング上位の銘柄がなぜ選ばれているのか、どのようなリスクがあるのかを、初心者にもわかりやすく解説したので是非参考にされて下さい。
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社債の基本的な仕組みと、利回りの意味や見方
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2025年最新の社債利回りランキングと注目銘柄の比較
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利回り以外に見るべき、信用格付けや償還期間のポイント
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投資判断を誤らないための社債の選び方と注意点
2025年版・社債利回りランキングと人気銘柄の一覧
社債とは?個人投資家が買える債券の基本
社債とは、企業が資金調達のために発行する「会社の借金」のような金融商品です。
企業が投資家からお金を借りる代わりに、一定の利息(利子)をつけて返す約束をするもので、原則として満期に元本が返還されます。
社債には次のような特徴があります。
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銀行預金や定期預金よりも高い利回りが期待できる
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発行元の企業が倒産しない限り、元本と利息は予定通り支払われる
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上場企業のほか、インフラ・通信などの安定業種も社債を発行
現在は個人投資家でも、証券会社を通じて1万円〜100万円程度から購入できる社債が多数登場しており、初心者にも比較的ハードルの低い資産運用手段として注目されています。
社債の利回りとは何を意味する?計算方法と仕組み
社債の「利回り」とは、投資額に対して得られる年間利益の割合を示す指標です。
代表的な利回りには以下の2種類があります。
利回りの種類 | 説明 |
---|---|
表面利率(クーポンレート) | 額面金額に対して支払われる年利(たとえば2.5%) |
最終利回り(YTM) | 実際の購入価格・償還日までの保有期間も加味した実質利回り |
例えば、表面利率2.0%の社債を額面100万円で買った場合、毎年2万円の利子を受け取れます。
一方、途中で市場価格が下がった社債を90万円で購入した場合、表面利率は変わらなくても実質的には利回りが上がることになります。
投資判断には、表面利率だけでなく最終利回り(YTM)にも注目することが大切です。
2025年最新の社債利回りランキング【注目の上位銘柄】
ここでは、個人投資家が購入できる主な社債の中から、表面利率(年利)の高い銘柄をランキング形式でご紹介します。
いずれも証券会社の新発・既発社債ページやIR情報などで注目度が高く、2025年4月現在の利回りを参考にしています。
順位 | 発行体(銘柄) | 表面利率 | 格付け | 償還期間 | コメント |
---|---|---|---|---|---|
1位 | 楽天グループ社債 | 3.30% | BBB+ | 約5年 | 高利回りかつ個人向け販売が活発。財務面の不安もありリスク許容が必要。 |
2位 | ソフトバンクグループ社債 | 3.04% | BBB | 約7年 | 長期保有前提なら有力候補。人気が高く、販売開始と同時に売り切れることも。 |
3位 | 住信SBIネット銀行社債 | 2.80% | A- | 約3年 | 信用格付けも比較的高く、短期で利回りを確保したい人に最適。 |
4位 | 光通信社債 | 2.60% | BBB | 約5年 | ニッチな中堅企業だが、安定的に発行しておりリピーターも多い。 |
5位 | ENEOS社債 | 1.90% | A | 約5年 | インフラ関連でリスクが比較的低く、堅実派におすすめ。 |
6位 | 日本電信電話(NTT)社債 | 1.85% | AA | 約5年 | 信用力は国内トップクラス。利回りは控えめだが安定感抜群。 |
7位 | 三井住友フィナンシャルG社債 | 1.75% | A+ | 約5年 | メガバンク系としては平均以上の水準。長期安定投資向け。 |
8位 | 東京電力ホールディングス社債 | 1.70% | BBB | 約7年 | 過去の経営リスクを反映しつつも、インフラ銘柄としての注目あり。 |
9位 | 日本郵船社債 | 1.65% | A | 約3年 | 海運業界の景気によって変動するが、近年の業績好調を背景に選ばれやすい。 |
10位 | 日産自動車社債 | 1.60% | BBB- | 約5年 | 回復基調にあるが、リスクを許容できる人向けの選択肢。 |
ポイント解説
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上位3銘柄(楽天・ソフトバンク・住信SBI)は、利回りと知名度のバランスで特に人気
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格付けBBB前後の銘柄は利回りが高めだが、財務体質の確認が必須
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信用格付けが高いA〜AA銘柄は利回りは控えめでも、安心して保有したい人に適している
*購入を検討する際は、利回りだけでなく「発行体の財務内容」「格付け」「販売証券会社の在庫状況」なども必ずチェックしましょう。
利回りの高い社債一覧【利率・期間・発行体を比較】
社債選びで重要になるのは、利回りだけでなく「償還までの期間(流動性)」「発行企業の信用力」「金利上昇の影響」などの総合バランスです。
以下に、2025年時点で注目されている社債を利回り順に並べて比較表にまとめました:
銘柄名(発行体) | 利回り | 期間 | 格付け | 備考 |
---|---|---|---|---|
楽天グループ | 3.30% | 5年 | BBB+ | 高利回りだが格付け注意 |
ソフトバンクグループ | 3.04% | 7年 | BBB | 流動性が高く人気高い |
住信SBIネット銀行 | 2.80% | 3年 | A- | 信用力あり短期向け |
光通信 | 2.60% | 5年 | BBB | 中堅企業で実績あり |
ENEOS | 1.90% | 5年 | A | 安定運用に向く |
この一覧を参考に、「なぜ高利回りなのか?=企業リスク・期間の長さ」などを冷静に分析して判断することが重要です。
楽天グループ・ソフトバンクなど話題の高利回り社債
特に個人投資家の間で人気が高いのが、楽天グループ社債とソフトバンク社債です。
どちらも利回り3%超という水準で話題となっており、「社債投資に挑戦したい初心者」からの注目も高まっています。
ただし、以下の点には要注意です。
つまり、「有名企業だから安心」ではなく、“利回りの裏にあるリスク”をきちんと読み解いた上での投資判断が求められます。
大手企業 vs 中堅・地方企業の利回り傾向を比較
社債の利回りは、発行する企業の規模や信用力によって大きく異なります。
一般的に、以下のような傾向があります。
企業規模 | 利回り傾向 | リスク傾向 |
---|---|---|
大手上場企業 | 1.5~2.5% | 安定感があり低リスク傾向 |
中堅企業・地方企業 | 2.5~4.0% | 信用力にバラつきあり |
大手企業の社債は安心感がある一方で、利回りは控えめです。
逆に、中堅企業や地域密着型の企業の社債は利回りが高めに設定されている場合もありますが、その分倒産リスクや流動性の不安がつきまといます。
社債選びにおいては、「利回りだけで選ばず、発行体の財務健全性にも目を向ける」ことが重要です。
新発債・既発債の違いと投資判断のポイント
社債には「新発債」と「既発債」の2種類があります。
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新発債:新たに発行される社債。額面価格で購入し、情報が明確。
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既発債:過去に発行された社債。市場で売買されており、購入時価格は変動。
新発債は証券会社が販売開始をアナウンスするため、タイミングが重要です。
一方、既発債はタイミング次第で額面以下で購入でき、実質利回りが上がる場合もあるのが魅力です。
利回り比較をする際は、以下に注意しましょう。
どちらを選ぶかは、投資期間・市場金利・発行体の信用力を総合的に判断する必要があります。
社債の格付けとリスクの関係とは?信用力の見極め方
社債には「格付け」という信用評価が付けられています。
これは、格付け会社が企業の返済能力を分析し、「債務不履行の可能性」を数値化したものです。
主な格付けとその目安は以下の通りです。
格付け | 内容 | リスク印象 |
---|---|---|
AAA | 最高の信用力 | かなり安全 |
AA | 極めて高い信用力 | 安全性が高い |
A | 高い信用力 | やや安心 |
BBB | 投資適格の最低ライン | 注意が必要 |
BB以下 | 投資不適格(ジャンク債) | ハイリスク投資 |
2025年現在、市場に出ている社債の多くは BBB〜Aランク に集中しています。
利回りが高いからといって、格付けの低さを見落とすと大きな損失につながる可能性もあるため、必ず確認しましょう。
社債の購入方法と必要な手続き【証券会社別の特徴】
社債は銀行では買えず、証券会社を通じて購入するのが一般的です。
代表的なネット証券の対応状況を以下にまとめます。
証券会社名 | 新発債の取扱 | 既発債の取扱 | 特徴 |
---|---|---|---|
SBI証券 | あり | あり | 高利回り債の取扱が豊富 |
楽天証券 | あり | 一部あり | キャンペーンも実施あり |
野村證券(店頭) | あり | 多い | 既発債も充実、手数料やや高め |
申し込みから購入まではオンラインで完結できる場合が多く、最低10万円〜100万円単位での投資が一般的です。
社債の情報は「商品ページだけでなく、目論見書(もくろみしょ)やIR資料を必ずチェック」するようにしましょう。
社債の利回りに影響する経済要因と金利動向
社債の利回りは、以下のような外部環境の影響を強く受けます。
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日銀の政策金利の動き
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企業の業績・財務状況
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景気の先行き(リスクオン・リスクオフ)
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国債利回りとのスプレッド(差)
特に2025年現在、金利上昇局面にある日本では、社債の表面利率もやや上昇傾向にあります。
これは投資家にとってチャンスでもあり、「今のうちに利回りの高い銘柄を仕込んでおく」という選択肢もあります。
ただし、金利の変動が今後も続く可能性を踏まえ、長期債よりも中期・短期の債券でリスクをコントロールする意識も重要です。
社債選びで失敗しないための見極めポイントと注意点
高利回り=高リスク?破綻リスクとその見分け方
「利回りが高い社債=お得」と思いがちですが、高利回りの裏には“信用リスク”が潜んでいることを忘れてはいけません。
特に注意すべきは以下のようなケースです。
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格付けが「BBB」未満の“投資不適格”とされる銘柄
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業績不振・赤字続きの企業が出す利回り3%超の社債
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「満期前に途中償還の可能性あり」と記載されているもの
こうした社債は、利息の支払いがストップしたり、満期に元本が返ってこないリスクがあります。
利回りが高い理由は、「それだけリスクがあるから」ということを肝に銘じましょう。
個人向け社債と機関投資家向け社債の違い
市場に出回っている社債には、個人投資家向けと機関投資家向けの2タイプがあります。
それぞれの違いは以下の通りです。
項目 | 個人向け社債 | 機関投資家向け社債 |
---|---|---|
最低投資金額 | 10万~100万円程度 | 数千万円〜億単位 |
入手方法 | 証券会社経由 | 証券会社または直接引受け |
情報開示・透明性 | 比較的わかりやすい | 専門的・開示少ないことも |
利回り傾向 | やや低め | 高利回り案件も多い |
個人がアクセスできるのは「個人向け社債」に限定されますが、その分情報も明確で初心者向き。
一方で、より高利回りを狙うには、信用力と交渉力が必要な“プロ向け”市場になります。
NISAや特定口座で社債を買う際の税制面の注意点
社債は「株式」や「投資信託」と異なり、NISAとの相性が微妙な商品です。
NISA口座で買えるかどうかは、次の点に注意が必要です。
つまり、NISAのメリットを最大限に活かしたい場合は、株式や投資信託の方が優位であり、社債は“安定収入源”として別枠で運用する考え方がベストです。
社債と株・投資信託の違いを比較してみよう
社債は「債券」、株や投資信託は「資産運用商品」であり、それぞれリスクとリターンの性質が異なります。
比較項目 | 社債 | 株式・投資信託 |
---|---|---|
リターン | 固定(利子) | 配当・値上がり益に連動 |
リスク | 倒産・デフォルト | 市場変動・業績による上下 |
償還の有無 | 満期で償還 | 基本的になし(売却で換金) |
元本の安定性 | 高め | 株式に比べ安定 |
「安定性を重視したい人」には社債、「リターンを追いたい人」には株や投資信託といったように、性格に応じて商品を選ぶのが合理的です。
個人投資家に人気のある社債の共通点とは?
2025年現在、個人投資家から支持されている社債には、以下のような共通点があります。
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発行企業の知名度が高く、ニュースやIRで情報が取りやすい
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表面利率が2%以上で、「預金よりは増える」安心感がある
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償還期間が3〜5年と、中期的に資金をロックできる設計
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購入・管理の手続きがネット証券で完結しやすい
また、「定期的に利子が受け取れる」という特徴も人気の理由です。
株のような値動きが少ないため、値下がり不安が小さいという心理的メリットも支持を集めています。
社債の満期・中途解約・償還までの流れ
社債は満期日まで保有すれば、元本(額面)+利子の受け取りが確定する設計です。
ただし途中で解約(売却)する場合は、以下のようなリスクや注意点があります。
つまり、「満期まで保有できるか」が社債投資の安定性を大きく左右します。
途中で資金が必要になる可能性がある場合は、流動性のある銘柄を選ぶことが重要です。
社債型クラウドファンディングとの違いと注意点
近年、注目されているのが「社債型クラウドファンディング(私募社債)」です。
これらは社債に似ていますが、仕組みやリスクが大きく異なる点に注意が必要です。
項目 | 通常の社債 | クラウドファンディング型社債 |
---|---|---|
発行体の規模 | 上場〜中堅企業 | ベンチャー・中小企業が中心 |
信用調査 | 格付け機関あり | 自己判断、情報開示少なめ |
流動性 | 売却可(既発債) | 原則途中解約不可 |
元本保証 | なし | なし |
利回りは5%以上も狙える場合がありますが、倒産リスク・情報不足・換金不可などの高リスク商品であることを理解した上で参加すべきです。
リスクを抑える社債分散投資の組み方
社債投資でも、分散の考え方は非常に重要です。
以下のような分散方法で、1社が万一デフォルトしても損失を抑えられる仕組みを作れます。
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業種を分ける(通信/金融/インフラなど)
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格付けの異なる社債を組み合わせる(A~BBBなど)
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償還期限をずらす(3年/5年/10年)
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外貨建て・国内債の併用
これにより、金利変動リスク・信用リスク・流動性リスクをトータルで管理できるポートフォリオが完成します。
資産全体の3〜5割を債券系にするような「バランス型運用」にも活用可能です。
社債投資はどんな人に向いているか?向いていない人の特徴
社債は、値動きの大きな株式とは異なり、安定したインカム収入(利息)を得たい人に向いた投資商品です。
向いている人とそうでない人の特徴を整理すると次のようになります。
向いている人 | 向いていない人 |
---|---|
安定収入を重視する人 | 値上がり益を狙いたい人 |
元本を大きく減らしたくない人 | 短期で資金が必要になる可能性がある人 |
銀行預金に不満を感じている人 | 高いリスクを取ってリターンを狙いたい人 |
長期目線で資産を守りたい人 | 常に売買して収益を狙いたい人 |
自分の投資目的やライフプランに合っているかを、購入前にしっかり見極めることが大切です。
よくある質問Q&A10選
Q1. 社債の利回りはどれくらいが一般的ですか?
A. 信用力のある企業で年1〜2%程度、高利回りの社債では3%を超えるケースもあります。ただし利回りが高いほどリスクも伴う点に注意が必要です。
Q2. 社債を買うときは何を基準に選べばよいですか?
A. 利回り、発行企業の格付け、償還期間、流動性などを総合的に見て判断します。利率の高さだけで選ぶのは危険です。
Q3. 今人気の社債にはどんな傾向がありますか?
A. 知名度の高い企業が発行する中期(3~5年)で、2%以上の利回りを持つ銘柄に注目が集まっています。購入しやすい販売単位も支持されるポイントです。
Q4. 社債利回りランキングはどのように活用すればいいですか?
A. 投資判断の目安として有効です。ただし、ランキング上位だからといって安全とは限らないため、発行体の情報や条件もあわせて確認しましょう。
Q5. 初心者はどんな社債から始めるのが安心ですか?
A. 信用格付けが「A」以上で、利回りが2%前後、償還期間も短めの銘柄が安心です。まずは大手企業の新発債などが入りやすいでしょう。
Q6. 社債を途中で売ることはできますか?
A. 一部の既発債であれば市場で売却できますが、価格が変動して損失が出る可能性もあります。基本的には満期まで保有する前提で考えるのが無難です。
Q7. 利回りが高いのに格付けが低い社債はどう考えるべき?
A. 高利回りには必ず理由があります。財務状況や事業リスクが背景にあるため、しっかり情報開示を確認した上で判断しましょう。
Q8. 証券会社の社債一覧に載っていない銘柄も購入できますか?
A. 店頭や電話でのみ案内される非公開銘柄も存在します。気になる場合は証券会社に直接問い合わせてみるとよいでしょう。
Q9. ランキングに載っている社債は売り切れることがありますか?
A. はい。特に高利回りで人気の新発社債は、販売開始直後に完売することもあるため、事前の情報収集とタイミングが重要です。
Q10. 社債と株式投資はどう使い分けるべきですか?
A. 安定収入を得たいなら社債、値上がり益を狙うなら株式という考え方が基本です。目的やリスク許容度に応じて使い分けましょう。
【2025年最新】社債利回りランキング&一覧!個人投資家に人気の銘柄と選び方のまとめ
最後にこの記事のポイントをまとめました。
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