
「スプレッドが急に広がって損をした…」そんな経験はありませんか?
FX初心者の方にとって、スプレッドの仕組みや広がる理由は意外と見落としがちなポイントです。実際、取引コストとして直接影響するにもかかわらず、チャートに表示されない分、気づいたときには「思っていたより損をしていた」と感じることも少なくありません。

この記事では、スプレッドの基本から、広がる原因とその対策までを図解を交えてわかりやすく解説します。市場が荒れやすい時間帯や、注意すべき通貨ペア、FX会社選びのポイントまで幅広くカバーしていますので、取引コストの不安を減らしたい初心者の方はぜひ参考にされて下さい。
- スプレッドの仕組みと、FXでのコスト構造がわかる
- スプレッドが広がる代表的な3つの理由と注意点を解説
- 時間帯や経済指標ごとのリスク回避策が理解できる
- 初心者でもスプレッド損失を最小限に抑える対策が見つかる
- スプレッドとは?FX初心者が最初に知るべき基本
- スプレッドが広がる理由とその対策
- 【初心者向け】FXのスプレッドが広がる3つの理由と対処法は?のまとめ
スプレッドとは?FX初心者が最初に知るべき基本
スプレッドとは?売値と買値の差がなぜあるのか?
FXにおける「スプレッド」とは、通貨を売る価格(BID)と買う価格(ASK)の差額のことを指します。
この差が、実質的な取引コストとなります。
例えば、ドル円のレートが以下のように表示されていたとします。
通貨ペア | 売値(BID) | 買値(ASK) | スプレッド |
---|---|---|---|
USD/JPY | 150.100 | 150.103 | 0.3銭 |
✅ なぜ差があるのか?
この差額が生まれる理由には、以下のような背景があります。
-
市場の流動性:流動性が高いほどスプレッドは狭くなりやすい
-
FX会社の方針:スプレッドを固定・変動にするか、利益の取り方によって異なる
-
通貨ペアの特性:取引量が多い通貨は一般的にスプレッドが狭い(例:ドル円)
FXにおける「スプレッド=実質コスト」の意味
スプレッドは、見かけ上の手数料が無料でもトレードするたびに必ず発生するコストです。
たとえ約定手数料がゼロであっても、スプレッドという形でFX会社に利益が発生しています。
✅ たとえばドル円0.3銭スプレッドで1万通貨を取引した場合
項目 | 内容 |
---|---|
スプレッド | 0.3銭(=0.003円) |
取引通貨量 | 10,000通貨 |
コスト換算 | 0.003円 × 10,000通貨 = 30円 |
この場合、1回の取引で往復30円のコストが発生します。これが1日10回、月20営業日と続けば、30円 × 10回 × 20日 = 6,000円にもなります。
✅ 知っておきたい2つの落とし穴
-
取引回数が多いほどコストも積み重なる
-
スキャルピングなど短期売買では特にスプレッドコストが重くのしかかる
-
-
スプレッドが広がると、損失も拡大しやすい
-
想定より不利な価格で注文が成立してしまうことも
-
📌通貨ペア別のスプレッド目安とコスト感
通貨ペア | スプレッド(平均) | 1万通貨あたりコスト(円) |
---|---|---|
USD/JPY | 0.2〜0.3銭 | 約20〜30円 |
EUR/JPY | 0.4〜0.5銭 | 約40〜50円 |
GBP/JPY | 0.9〜1.2銭 | 約90〜120円 |
AUD/JPY | 0.6〜0.8銭 | 約60〜80円 |
スプレッドが広がる3つの主な原因
通常は狭いスプレッドでも、ある条件下では一時的に大きく広がることがあります。
特に初心者が「思ったより損している」と感じる原因になりやすいため、発生要因を把握しておくことが重要です。
原因①:経済指標や要人発言などの直後
-
雇用統計・政策金利発表・要人会見などでは市場が一気に動きます。
-
FX会社はリスク回避のため、売値・買値の差(スプレッド)を一時的に拡大。
-
適正な価格での売買が困難になり、初心者は不利な価格で約定しやすい。
原因②:東京市場オープン前後・早朝・深夜帯
-
取引量が少ない時間帯は、市場の流動性が低下します。
-
特に月曜の朝(5〜7時)やNY市場クローズ後(早朝〜午前6時前)は注意。
-
「固定スプレッド」と表示されていても、例外時間として広がることがあります。
原因③:地政学リスクや金融不安などの突発イベント
-
自然災害、戦争、銀行破綻などの緊急事態では、極端なスプレッド拡大が起きます。
-
例:スイス中銀がユーロとのペッグを解除した2015年には、スプレッドが数十銭に達する異常事態に。
スプレッドが広がる時間帯とその理由
FX市場は24時間動いていますが、時間帯によってスプレッドの広がりやすさが大きく異なります。
特に注意すべきは、流動性が下がるタイミングです。
✅ スプレッドが広がりやすい代表的な時間帯
時間帯 | 状況 | 注意ポイント |
---|---|---|
早朝(5〜7時) | 主要市場が休止中 | 月曜のオープン前は特に変動大 |
指標発表前後 | 短時間で注文が殺到 | 雇用統計/政策金利/要人発言など |
週明け(月曜午前) | 土日を挟み、ギャップが出やすい | 突発的なニュースで荒れやすい |
金曜深夜〜土曜 | NY市場終了後〜クローズ直前 | 流動性の低下+値動き鈍化 |
✅ なぜこのような時間帯に広がるのか?
-
取引量が減る → 板が薄くなる → FX会社がリスクを避けるためスプレッド拡大
-
価格変動が激しくなりやすいため、意図しない損失を避ける設計
-
自動売買プログラムなどが動く時間帯もあり、ボラティリティが急変する可能性がある
「スプレッド完全固定」と謳うFX会社でも、上記の時間帯は例外的にスプレッドが広がることが明記されています。取引前に必ず利用条件を確認しましょう。
スプレッドが広がる理由とその対策
スプレッドが広がる3大要因(市場流動性/経済指標/時間帯)
スプレッドが広がる原因はさまざまですが、特に初心者が意識すべき代表的な要因は次の3つです。
要因①:市場の流動性が低いとき
-
市場に注文が少ない状態では、売買のバランスが崩れやすくなります。
-
FX会社も適正価格での取引を保証できず、スプレッドを広げて対応します。
-
取引量が少ないマイナー通貨ペアや早朝・深夜帯が該当します。
要因②:重要な経済指標や要人発言があるとき
-
米雇用統計、FOMC政策金利発表、各国中銀の発言などは、相場が一瞬で大きく動く要因になります。
-
この直前・直後はスプレッドが一時的に大きく拡大することが多く、約定価格が不安定になります。
-
初心者ほどこのタイミングでのエントリー・決済に注意が必要です。
要因③:特定の時間帯(朝方・週明け・深夜など)
-
特に「東京市場オープン前(早朝5〜7時)」や「NY市場終了後の深夜帯」は、スプレッドが広がりやすい時間です。
-
また、週明け(月曜朝)は土日のニュースなどを織り込んでギャップが出やすく、スプレッドも大きく変動します。
これら3つの要因は単独で発生するだけでなく、複数重なることでスプレッドの拡大リスクが跳ね上がる点も覚えておきましょう。
スプレッドが急に上がるのはどんなとき?
スプレッドは通常、比較的安定していますが、瞬間的に大きく広がるタイミングがあります。
特に初心者が戸惑いやすい「急拡大のタイミング」は次のようなケースです。
ケース①:重要経済指標の発表直前・直後
-
例:米雇用統計、FOMC、ECB政策金利など
-
市場全体が結果待ちで静まり返った直前と、結果発表で一斉に動く直後にスプレッドが急拡大
-
たった数秒で5倍以上に開くこともあり、注文が想定よりも不利な価格で成立する
ケース②:地政学的な緊急ニュース
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戦争、災害、要人暗殺、テロ、銀行破綻など
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事前の予測が難しく、マーケットがパニックに近い状態になると売買価格の差が極端に開く
-
2020年のコロナショックや、2015年のスイスフランショックなどが代表例
ケース③:週明けの早朝(月曜オープン)
-
土日を挟んで取引が停止していたマーケットが再開するタイミング
-
週末に大きなニュースがあった場合、ギャップ+スプレッド拡大のWリスクがある
-
成行注文や逆指値が想定外に約定してしまうことも
「急にスプレッドが上がる=異常事態」と決めつけず、何が起きたかを把握する意識が大切です。状況次第ではエントリーを見送る判断も、損失回避には有効です。
「朝方」「早朝」「週明け」のスプレッドが広がる理由
FX初心者が特に警戒すべき時間帯が、東京市場オープン前の早朝(5〜7時)と週明けの月曜朝です。
このタイミングでスプレッドが大きく広がるのには、明確な理由があります。
理由①:取引参加者が少ない(流動性が極端に低い)
-
東京市場がまだ開いておらず、アジア勢も欧米勢も不在の時間帯
-
板(買いたい人・売りたい人の注文)が薄く、ちょっとした注文で価格が飛びやすい
-
FX会社はこのリスクを避けるため、売値と買値の差=スプレッドを広げてリスク管理を行う
理由②:週末のニュースが価格に織り込まれる
-
土日は市場がクローズしていても、世界では地政学リスク・経済不安・災害などが進行している可能性あり
-
月曜朝、いきなりギャップ(窓開け)が起こることも多く、その影響でスプレッドが不安定に
理由③:取引システムの切替や調整タイミング
-
多くのFX会社では、月曜オープン前や市場開始前にメンテナンスや流動性調整を行っている
-
この影響で一時的に価格更新が止まったり、スプレッドが「一時的に異常値」になるケースもある
スプレッドが“開きすぎる”状況の危険性と実例
通常は0.2〜0.5銭程度の狭いスプレッドでも、ある条件下では一時的に数銭〜数十銭まで拡大するケースがあります。
このような“スプレッドの異常拡大”は、損切りが間に合わない/約定価格がズレる/ロスカットが早まるなど、初心者にとって致命的なリスクを含みます。
実例①:月曜早朝のドル円が2.0銭に拡大
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通常は0.3銭程度のドル円が、週明けの午前6時台に2.0銭まで急拡大
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週末の地政学ニュースが影響し、レート更新が乱れる
-
成行注文が予想よりも大幅に不利な価格で約定した例も
実例②:米雇用統計発表直後のユーロドル
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通常0.4pipsのユーロドルが、指標発表と同時に4.5pips超に拡大
-
自動売買や逆指値が一斉に作動し、注文価格のズレが発生
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利確のつもりが逆に損失確定となるケースも報告あり
実例③:スイスフランショック(2015年)
-
スイス中銀がユーロとのペッグを解除
-
CHF(スイスフラン)が急騰し、スプレッドが50銭超に拡大
-
多くのトレーダーが強制ロスカット、FX会社の破綻事例も発生
スプレッドが広がるとロスカットが起きやすくなる理由
FX初心者が見落としがちなのが、スプレッド拡大=ロスカットリスクの上昇という関係です。
取引中にスプレッドが急に広がると、ポジションの含み損が膨らみ、ロスカットラインに早く到達してしまう危険性があります。
✅ ロスカットとは何か?
-
一定以上の含み損が出ると、証拠金維持率の低下を防ぐために自動で強制決済される仕組み
-
含み損は「現在の売値(買値)との差」で計算されるため、スプレッドが広がると評価損が拡大しやすい
✅ 例:スプレッド拡大による想定外のロスカット
-
通常:ドル円 0.3銭スプレッド → 含み損が小さく済む
-
拡大時:2.0銭スプレッドに急拡大 → 同じレートでも含み損が拡大
-
結果:損失額が一気に増加し、ロスカットラインを突破
✅ よくある初心者の勘違い
-
「レートはそんなに動いていないのに、なぜロスカットされたのか?」
→ 実はスプレッドが大きく開いていたため、評価損がかさみ維持率が急低下していたケースが多い
ロスカット水準とスプレッドの関係を示すイメージ図
対策① 経済指標発表前後のポジション調整
スプレッド拡大による損失を避けるために、事前に戦略的なポジション調整を行うことが効果的です。
特に、米雇用統計や政策金利発表などの“ビッグイベント”前後は、慎重な対応が必要です。
✅ 指標発表時は“通常の相場”ではない
-
発表直後はスプレッドが数倍以上に拡大しやすい
-
値動きが荒く、スリッページ(約定ズレ)や約定拒否が発生することも
-
初心者はこの時間帯の売買を避けるのが無難
✅ ポジション調整の具体的な方法
タイミング | 行動の例 |
---|---|
指標発表の数分前 | 一度すべてのポジションを決済しておく |
イベント直後 | スプレッドが通常水準に戻るまで様子を見る |
数時間後 | 相場が落ち着いた後、改めて戦略を立てる |
✅ 中長期トレーダーでも無関係ではない
-
「短期トレードじゃないから大丈夫」と油断しがちだが、一時的なスプレッド拡大が損切りやロスカットを誘発することもある
-
特にレバレッジを使っている場合は、リスク管理が必須
📎 参考リンク:
スプレッドが広がるリスクを減らすには、事前に経済指標の予定を把握しておくことが重要です。初心者でも使いやすいおすすめの指標カレンダーは、経済指標カレンダーおすすめ5選!見やすさと使いやすさで選ぶ2025年版をご覧ください。
対策② 取引時間帯を分ける(東京・ロンドン・NY)
FX市場は24時間動いているとはいえ、どの時間帯でも同じようにスプレッドが安定しているわけではありません。
スプレッドの狭さや安定性を重視するなら、取引する時間帯を意識して選ぶことが重要です。
✅ 主な市場の時間帯と特徴(日本時間)
市場 | 時間帯(夏時間) | 特徴 |
---|---|---|
東京市場 | 8:00〜17:00 | 流動性は高くはないが安定しやすい |
ロンドン市場 | 15:00〜24:00 | 最も取引が活発、スプレッドも比較的安定 |
NY市場 | 21:00〜翌6:00 | ロンドンとの重複で最も流動性が高くなる時間帯 |
✅ スプレッドが広がりやすい時間帯を避ける
-
早朝(5:00〜7:00)や深夜(1:00以降)は流動性が下がる
-
週明けの月曜早朝や土曜直前も避けた方が無難
-
取引コストの安定性を求めるなら「東京午後〜ロンドン開始直後」「NY前半」が狙い目
✅ 取引戦略に応じて使い分ける
-
スキャルピング(超短期):スプレッドが狭いロンドン時間帯
-
デイトレード:東京〜NY前半にまたがる時間を活用
-
初心者:取引が安定しやすい東京午後やロンドン初動が安心
📎 関連リンク:取引時間帯ごとのスプレッドの特徴や注意点をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にされて下さい。
対策③ スプレッドが安定しているFX会社を選ぶ
スプレッド対策の最後の鍵は、そもそもスプレッドが“安定”しているFX会社を選ぶことです。
多くの業者が「狭いスプレッド」をうたっていますが、重要なのは“いつでも安定しているか”という点です。
✅ 「原則固定」と「完全固定」は違う
-
「原則固定」:通常時は固定されているが、流動性が低いときや重要指標時には拡大する
-
「完全固定」:常に固定されている(が、条件や通貨ペアに制限あり)
👉 初心者は「原則固定+安定実績のある業者」を基準に選ぶのが現実的です。
✅ 比較ポイントと選び方
項目 | チェックポイント |
---|---|
スプレッドの安定性 | イベント時や早朝も大きく広がらないか? |
約定力(注文の通りやすさ) | 成行注文でスリッページが起きにくいか? |
スキャルピング可否 | 短期売買を制限していないか? |
信頼性と実績 | 金融庁登録/ユーザー数/過去のシステム障害歴など |
✅ 安定性に定評のある国内FX会社の一例(2025年5月現在)
FX会社名 | 通常スプレッド(ドル円) | 備考 |
---|---|---|
GMOクリック証券 | 0.2銭(原則固定) | 安定性と約定力に定評。スキャルも可 |
SBI FXトレード | 0.18銭(1000通貨〜) | 少額でも取引でき初心者向け |
外為どっとコム | 0.2銭(原則固定) | 情報ツールが豊富で分析もしやすい |
📎 関連リンク:スプレッドの安定性や初心者向けの機能をふまえたFX会社の比較は、以下の記事を参考にされて下さい。
初心者が陥りがちなスプレッドの誤解と損失パターン
スプレッドは“見えている取引コスト”ですが、正しく理解しないと知らぬ間に損失が積み重なるリスクがあります。
ここでは、初心者がよく勘違いするポイントと実際に起きがちな損失パターンを紹介します。
✅ よくある3つの誤解
誤解 | 実際の注意点 |
---|---|
「スプレッドはいつも同じ」 | 早朝・週明け・指標発表時などは大きく広がることがある |
「狭いスプレッドなら安心」 | 広告の数字だけで選ぶと、約定力が低かったり他のコストが高いことも |
「約定レート=見た目の価格」 | 実際にはスリッページが発生する可能性があり、ズレることもある |
✅ 実際によくある損失パターン
-
月曜早朝にスプレッドが拡大していることに気づかずエントリー
→ いきなり含み損からスタートし、損切りに追い込まれる -
「0.2銭」と広告にあった会社で取引するも、実際は夜間に1.5銭以上に広がる
→ 成行注文で高値掴み/安値売りになり不利なポジションに -
スプレッドが広がったことでロスカットが早まり、まだ下がってないのに強制決済される
スプレッド比較の注意点(広告・取引条件の違い)
多くのFX会社が「業界最狭水準」「0.2銭」などとスプレッドの狭さをアピールしていますが、その数字だけを鵜呑みにすると、実際の取引で不利になることもあります。
比較する際には、条件の違いをよく確認する必要があります。
✅ よくある広告と実態の違い
広告表示 | 実際の注意点 |
---|---|
「ドル円0.2銭(原則固定)」 | 指標発表や週明けは大きく広がる。固定時間帯以外では例外あり |
「最狭水準スプレッド」 | 対象通貨ペアが限定的/最低取引単位が多いことも |
「スキャルピングOK」 | 条件付きで、短時間の連続注文に制限がある業者も存在 |
✅ スプレッド比較時のチェックポイント
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原則固定 or 完全固定:どちらなのかを明記しているか?
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対象時間帯と通貨ペア:時間限定スプレッドではないか?
-
取引量と最小ロット:初心者でもその条件で使えるか?
-
約定力・スリッページ:狭くても注文が通らなければ意味がない
✅ 信頼できる比較をするには?
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公式サイトの“注意事項”欄を読む習慣を持つ
-
ユーザーのリアルな口コミ・使用レビューを参考にする
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複数口座を開設し、実際の取引環境で比較検証するのが確実
スキャルピングとスプレッドの関係
スキャルピング(超短期取引)は、1回のトレードで数pipsの利益を積み重ねるスタイル。
だからこそ、スプレッド=取引コストの重みが非常に大きくなります。
✅ スプレッドが狭くないと成立しない理由
-
スキャルピングは「薄利多売」の手法
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スプレッドが広がるだけで利幅が吹き飛ぶ
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例えば、利益目標5pipsに対しスプレッドが3pipsなら、実質2pipsしか取れていない
✅ スキャルピング向きのFX会社の特徴
条件 | 説明 |
---|---|
スプレッドが常に狭く安定している | 広がりやすい時間帯や通貨ペアが少ない |
約定力が高い | レートが変動してもスムーズに注文が通る |
スキャルピング公認 or 実績がある | 禁止していない、または実際にスキャルパーが使っている事例がある |
-
ストップロスが思わぬ位置で発動
-
数回のトレードで累積損失が膨らむ
-
想定よりリスクの高い“ギャンブルトレード”になる
「広がる時間帯」に強い通貨ペア・取引戦略
スプレッドが広がりやすい時間帯でも、相対的にスプレッドが安定しやすい通貨ペアや、それに適した戦略を知っておくことで、リスクを抑えた取引が可能になります。
✅ 比較的安定しやすい主要通貨ペア(2025年5月時点)
通貨ペア | 特徴 | スプレッド安定性(相対評価) |
---|---|---|
USD/JPY | 取引量が最も多く、日本人にも人気 | ◎ |
EUR/USD | 世界中で取引量が多く、流動性も高い | ◎ |
AUD/JPY | スプレッドは広めだが、動きが読みやすい傾向 | △ |
✅ スプレッド拡大に強い戦略とは?
-
指標回避型デイトレード
指標発表時を避け、落ち着いた時間帯だけを狙う -
固定時間エントリー戦略
スプレッドが狭くなる時間(東京10時〜・ロンドン15時〜)に限定 -
スイングトレードで時間分散
数日にわたる保有で“時間帯のクセ”を回避する
✅ 避けた方がよい通貨ペア・時間帯
-
マイナー通貨(南アランド、トルコリラなど)
流動性が低く、少しのニュースでもスプレッドが急拡大しやすい -
週明け・早朝(5:00〜8:00)
インターバンクの流動性が極端に低く、スプレッドが“数倍”になることも
よくある質問Q&A10選
Q1. スプレッドが広がる理由は何ですか?
A. 主に「市場の流動性が低い」「経済指標や要人発言による急変動」「取引時間帯の偏り」が原因です。とくに東京早朝や週明けは広がりやすくなります。
Q2. スプレッドが急に上がるのはどんなとき?
A. 雇用統計や政策金利の発表時など、相場に大きな影響を与える情報が出ると、スプレッドが急激に拡大することがあります。
Q3. FXスプレッドが“開きすぎ”るとどうなるの?
A. 約定価格が大きくズレることで、不利な取引になったり、損切りラインに早く達してしまうことがあります。ロスカットリスクも高まります。
Q4. スプレッドは完全に固定されているFX会社もありますか?
A. 一部のFX会社で「完全固定」を掲げているところもありますが、多くは「原則固定」であり、一定の条件下では広がる可能性があります。
Q5. スプレッドが広がりやすい時間帯はいつですか?
A. 特に5:00〜8:00の早朝、週明け(月曜)や主要指標発表直後が広がりやすい時間帯です。流動性が薄くなることが背景にあります。
Q6. 経済指標発表時にスプレッドが広がるのはなぜ?
A. 指標発表によって相場が急変するリスクがあるため、FX会社が価格の提示を一時的に控えたり、広めのスプレッドを設定するからです。
Q7. スプレッドが広がってロスカットされることはある?
A. はい。スプレッド拡大により「想定外のレート」でロスカットラインに達してしまうことがあります。低レバレッジと余裕のある証拠金維持が重要です。
Q8. 初心者はスプレッドの何を見ればよい?
A. 表示されているスプレッドの「安さ」よりも「安定性」が大事です。特に「原則固定」「変動幅」などの条件をチェックしましょう。
Q9. スプレッド比較の際に気をつけることは?
A. 通貨ペア・時間帯・取引ロット・広告条件などが違うため、単純な数字の比較ではなく、取引条件全体を見ることが大切です。
Q10. スプレッドが狭いFX会社を使えば勝てますか?
A. 勝率が上がるとは限りません。スプレッドはコストの一部であり、相場観・資金管理・タイミングの方が影響は大きいです。
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