
FX自動売買(EA)を安定して稼働させるには、VPS(仮想専用サーバー)の導入がほぼ必須といわれています。とはいえ、「どのVPSがEAに向いている?」「そもそもVPSって必要?」「国内と海外どっちがいい?」など、初めての方にはわかりづらいことも多いはずです。

この記事では、EA運用にVPSを使う理由と選び方のポイント、そして目的別におすすめのVPSサービス5選を詳しく紹介します。
- 📌EA(自動売買)にVPSが必要な理由と導入メリットがわかる
- 📌おすすめVPSの5選を比較表付きで紹介
- 📌国内・海外VPSの違いと選び方のコツを解説
- 📌EAの稼働数や容量に合ったプランが選べる
EA運用にVPSは必要?導入のメリットと注意点
EA運用にVPSが使われる理由とは?
📌 はじめに:なぜVPSなのか?
EA(Expert Advisor)を使ったFX自動売買は、24時間稼働が前提の仕組みです。
一度セットしたら「放っておくだけで取引してくれる」と思われがちですが、実際にはその環境(=動かす土台)が安定していなければ勝てるはずのEAも正常に動作しません。
家庭のパソコンでMT4を24時間立ち上げたままにしておくのは…
「毎日寝る前に“落ちてないか”を確認して不安になる」
「自動更新で再起動して止まっていたのに気づかなかった」― そんな経験をした方も多いのではないでしょうか。
こうしたトラブルを避けるために登場するのが「VPS(仮想専用サーバー)」です。
📌 VPSの基本的な役割
💡ポイントで押さえる:VPSとは?
-
仮想的なPC環境を、データセンター内の高性能サーバー上に用意したもの
-
自宅PCの代わりに、24時間365日ネットに接続され続けている状態
-
外出先からでもスマホやPCでアクセスし、MT4/MT5の管理が可能
📌 VPSが注目される3つの背景(2025年現在)
要因 | 内容 | 重要ポイント |
---|---|---|
PCの電源リスク | 再起動・更新・熱暴走など | 深夜の自動更新で稼働停止も |
通信の安定性 | 家庭用Wi-Fiは不安定 | 一時的な切断でも大きな損失に |
約定スピード | 回線距離や遅延の影響 | 約定に遅れが出れば、結果も変わる |
VPSなしでも運用できる?【比較とリスク】
📌 結論から言うと…「可能だが、おすすめはできない」
確かに、EAはVPSを使わずに自宅のPCでも運用可能です。実際に「初期費用がかからないから」と試す方も多くいます。
ですが現実は――
「電源切って寝てしまった」「朝起きたらMT4が落ちていた」
「Wi-Fiが不安定で数時間止まっていた」といったトラブルに直面し、利益どころか損失を出してしまうケースが少なくありません。
📌 VPSなし運用にありがちなトラブル5選
-
✅ Windowsの自動アップデートで再起動 → EA停止
-
✅ 熱暴走・スリープモードにより接続切断
-
✅ 子どもがPCを触って閉じていた
-
✅ Wi-Fiが不安定でネット切断 → 注文ミス
-
✅ 停電・ルーターの再起動でMT4が落ちる
📊 VPSあり vs VPSなし(実運用面の違い)
比較項目 | VPSあり(推奨) | VPSなし(自宅PC) |
---|---|---|
稼働安定性 | 高い(データセンターの電源・通信) | 低い(電源・回線・OS更新など影響) |
リスク管理 | 約定遅延・通信遮断を回避しやすい | 損切り不能・誤注文リスクあり |
アクセス性 | 外出先からもリモート管理可能 | 自宅からしか操作できない |
メンテナンス対応 | 専門業者の24H体制あり(業者による) | 自己責任(復旧遅れ=損失に直結) |
初期コスト | 月額500~3,000円程度 | 0円(だが損失補填に繋がることも) |
🔸 スイング系EAなどで、日中のエントリーが少なく「止まっていても問題がない」
🔸 小額トライアルでEAの挙動を数日だけテストするケース
🔸 VPSの基本知識を身につけてから正式導入したい準備段階
それ以外の方、知特に日中・深夜に稼働するEA、複数ロジックを同時に使う人には、「VPSなし」はむしろコストより高くつく選択になる可能性が高いです。
VPS導入で得られる3つのメリット
EA運用にVPSを導入する最大の目的は、「とにかく止まらないこと」。
ですが、それだけではありません。成績や管理の面でも恩恵が大きいのがVPSです。
✅ ① 24時間安定稼働で“止まらない”安心
-
データセンターの常時通電・高速回線・安定電源により、PC再起動やWi-Fi切断の影響を受けずに稼働
-
特に「夜中にサインが出るタイプのEA」や「ロンドン時間を狙うEA」はVPS環境が必須
-
朝起きて「いつの間にか止まっていた…」というリスクがゼロに近づく
📌 裁量と違って“動いていてこそ意味がある”のがEA。VPSはその稼働環境を守る基盤です。
✅ ② 通信遅延が少なく、約定力がアップ
-
VPSのサーバーはFX業者のデータセンターに近い場所に設置されていることが多く、Ping(応答速度)が大幅に改善
-
自宅PCで東京→海外サーバーに接続するより、現地VPSからの接続の方が約定スピードが有利
📊 遅延の違い(例)
接続環境 | Ping値(目安) |
---|---|
自宅Wi-Fi | 50〜100ms以上 |
国内VPS | 10〜30ms前後 |
海外VPS(業者近接) | 5〜10ms台 |
✔ スキャルピング系・ナンピン型EAなど、タイミングが利益を左右するロジックほど恩恵大
✅ ③ スマホや外出先からでも遠隔操作が可能
-
VPSは、スマホや外出先のPCからもブラウザやリモートアプリで接続可能
-
旅行中や外出先でもEAの状態確認・手動停止・再起動などがスムーズに行える
-
VPSを使うことで「パソコンを家に置きっぱなし」から解放される安心感も
🌱 特に仕事や子育てでPCを長時間開けない人には、VPS+スマホ操作の組み合わせは心強い味方です。
初心者が見落としがちなVPS導入の注意点
VPSは便利な仕組みですが、「契約しただけで完璧」ではありません。
初心者にありがちな“見落とし”や“誤解”によって、うまく稼働しなかったケースも少なくありません。
✅ よくある4つのつまずきポイント
❶ スペック不足でEAがフリーズ
-
安さを優先してメモリ1GB・1vCPUなどの最小プランを選んだ結果、
→ MT4が落ちる/EAが途中で止まる/レポートがエラーになる -
対策:1EAあたり1.5GB以上+2vCPU以上を推奨(複数稼働ならその倍)
❷ 契約時の注意書きを読まずに高額プランを選択
-
初月無料と書いてあるが、「6カ月契約が条件」だったケースも
-
契約前に料金表の下部にある小さな注釈まで読むことが大切
❸ 複数EAを同時に動かして負荷が限界超え
-
「3つくらいなら大丈夫」と思って起動 → 動作が重くなりフリーズ
-
対策:稼働EA数=CPU・メモリ・ディスクの3点で見積もる
❹ 海外VPSを契約したらサポートが英語だけだった
-
日本語の問い合わせ窓口がなく、トラブル時に困る
-
対策:初心者は国内業者か、日本語サポート付きの海外VPSを選ぶのが安心
📋 契約前にチェックすべき5項目
EA運用の仕組みとVPSの役割
📌 EAとVPSは“システム連携型”で動いている
EAは、FX業者のサーバーに直接命令を出しているわけではなく、以下のような経路を通して売買が実行されます。
📡 接続の流れ
この構造を理解することで、「なぜVPSが安定稼働に必要なのか」が腑に落ちるようになります。
おすすめVPS5選と選び方|目的別に最適なプランとは?
選び方の基本|スペック・価格・運用環境で比較
VPSを選ぶ際、「とりあえず安いプランで」と考えがちですが、EAの安定稼働には一定のスペックが必要不可欠です。
また、価格だけでなく「何個までEAを同時稼働させたいか」「どのFX業者を使っているか」など、目的に応じた選び方が重要になります。
✅ VPS選びで重視すべき5つの軸
視点 | チェックポイント |
---|---|
① メモリ(RAM) | 最低でも1.5GB以上。EA2つ以上なら2~4GB推奨 |
② CPU(vCPU) | 2コア以上が安定。スキャル系やバックテスト用途なら4コア以上が望ましい |
③ 容量(SSD) | 最低20GB程度あればOK。OS+MT4+EAデータに必要 |
④ 回線速度 | Ping値が低い(10ms前後)と理想。特にスキャルEAで重要 |
⑤ 価格・契約条件 | 月額料金・キャンペーン内容・最低契約期間・返金ポリシーを確認 |
-
「3EA同時に動かしたらフリーズした」
→ スペック不足(RAM・CPUの見積もりミス) -
「月額500円で契約したが、遅すぎて逆に損」
→ 最安VPSはビジネス用途非推奨が多い -
「海外VPSで速いと聞いたが、操作画面が英語で困った」
→ サポート・言語環境を見落とした
📌 FP視点での助言:EAの安定性は“環境で決まる”
VPS選びは「スペック×EA数×取引戦略」で最適解が変わります。最安・最高スペックのどちらでもなく、“自分に合ったプラン”を選ぶのが最もコスパのよい選択です。
国内VPSと海外VPSの違いとは?【速度・価格・サポート】
EA用のVPSは、大きく「国内VPS」と「海外VPS」に分かれます。
一見すると海外VPSの方がコストパフォーマンスに優れていますが、初心者や日本のFX業者を使う人にとっては注意点も多くあります。
✅ 国内と海外VPSの比較表
項目 | 国内VPS | 海外VPS |
---|---|---|
サーバー設置場所 | 日本国内(東京・大阪が主) | 米国・香港・シンガポール・ヨーロッパなど |
通信速度 | 日本のFX業者と親和性が高く、安定 | 海外業者との接続に有利 |
日本語対応 | ○(サポートも基本的に日本語) | ×(基本的に英語表記・英語サポート) |
価格帯 | 月額1,000円〜3,000円程度 | 月額500円〜1,500円程度と安価 |
決済手段 | 日本円対応・銀行振込も可能 | クレジット・PayPalが主 |
サポート体制 | メール・チャット・電話対応がある業者多数 | 時差・英語の壁があり緊急時に難あり |
✅ 国内VPSはこんな人に向いている
-
国内FX業者(GMOクリック証券/SBI FXなど)を使っている
-
サポートのやりとりを日本語で行いたい
-
初めてのVPS導入で不安がある
-
決済は円建て・日本のクレカを使いたい
✅ 海外VPSはこんな人に向いている
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海外FX業者(AXIORY/TitanFX/IC Marketsなど)で取引している
-
Ping(通信速度)を最重視している
-
英語対応が苦でなく、自己解決力がある
-
とにかく月額費用を抑えたい
📌 注意:スペックだけで判断しない
おすすめVPS5社の特徴と料金一覧
VPS選びで迷ったら、「EA対応」「料金とスペックのバランス」「サポート体制」を軸に比較するのが効果的です。
ここでは、実績があり初心者にも安心なVPS業者5社を厳選し、スペック・価格・対応環境を一覧表で紹介します。
✅ VPS業者比較表(2025年版)
サービス名 | プラン例 | メモリ / CPU | 月額料金(税込) | サポート | 特徴・備考 |
---|---|---|---|---|---|
お名前.com デスクトップクラウド | FX-2G | 2GB / 2コア | 約1,580円〜 | ◎(日本語) | 国内最大手。安定・操作画面がわかりやすい |
使えるねっと VPS | MT4スタンダード | 2GB / 2コア | 約1,628円〜 | ◎(日本語) | MT4最適化済み。法人も多く導入 |
ConoHa VPS(GMO) | VPS for Windows | 2GB / 2コア | 約1,320円〜 | ◎(日本語) | コスパ重視。独自UIで簡単管理可能 |
Beeks Financial Cloud | Starter(海外) | 2GB / 2コア | 約1,100円〜 | △(英語) | 海外FX業者との親和性が高い |
FXVM(海外) | Basic NY(海外) | 2GB / 2コア | 約1,430円〜 | △(英語) | 超低Pingでスキャル系EA向き |
✅ 選び方のポイント
国内FX業者を使っているなら
→ 日本語対応・Windows UI・操作のしやすさで安心
海外FX業者と高速約定を狙いたいなら
→ サーバーが業者に近接しているため、Ping最優先で選ぶ場合に適切
📌 補足:キャンペーン利用時の注意点
お名前.comのVPSは使える?キャンペーンの見極め方
国内VPSの中でも利用者が多く、検索ニーズも高いのが「お名前.com デスクトップクラウド for FX」です。
FX専用に最適化されたVPSとして、安定性と操作のしやすさに定評がある一方で、契約やキャンペーンに関しては注意点もあります。
✅ お名前.com VPSの強み
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MT4/MT5がプリインストールされており、申込後すぐにEAをセット可能
-
デスクトップのような操作画面で、初心者でも直感的に使える
-
日本語サポートが充実(メール・電話・チャット対応あり)
-
国内FX業者との相性が良く、Ping値も安定して低水準
✅ キャンペーン適用時の“見落としがちな条件”
お名前.comでは「初月無料キャンペーン」「割引プラン」などが頻繁に行われていますが、適用には条件がある場合が多く、以下の点に注意が必要です。
よくある注意点 | 内容例 |
---|---|
最低契約期間がある | 初月無料でも「3カ月以上の継続契約が必要」など |
自動更新が有効になっていること | 解約しない限り翌月以降も自動で課金(キャンセル期限あり) |
プラン変更は割引対象外になる場合 | 「上位プランへの変更で割引無効になる」ケースも |
割引は初回契約のみ適用 | 同じアカウントで再契約するとキャンペーン対象外になることがある |
✅ 実際に向いている人は?
-
初めてVPSを使うEA初心者
-
国内業者(GMOクリック証券/外為どっとコムなど)を使っている
-
スペックに余裕を持たせたい(2GB/2コアでも動作安定)
海外VPSは本当にお得?おすすめ業者と注意点
「月額500円台で使える」「Pingが圧倒的に速い」――こうした理由で海外VPSに興味を持つEAユーザーは少なくありません。
確かにコスパや高速性では国内VPSよりも優れる場合も多いですが、その反面、導入やトラブル対応のハードルは高くなります。
✅ 海外VPSのメリット
-
🌍 月額費用が安い(500~1,500円前後で2GB/2コアなどが利用可能)
-
📶 FX業者に近いロケーション(NYやロンドン)にサーバー設置 → 超低Ping環境が実現可能
-
🔧 MT4/MT5に最適化されたテンプレートが豊富(業者によっては導入済み)
✅ デメリット・注意点
注意点 | 内容 |
---|---|
日本語対応なし | すべて英語表記。トラブル発生時にやり取りができないリスクも |
サポート体制に差がある | 小規模な業者では返信が遅い、そもそも連絡が取れないことも |
決済はクレジットカード中心 | 銀行振込や日本円での支払いには対応していない場合が多い |
トラブル時の自己解決が前提 | IP制限/不正アクセス対応など、基本的に“自力でなんとかする”必要あり |
✅ 初心者にとってのハードルは?
以下に当てはまる人は、国内VPSの方が結果的にスムーズで安心です。
-
英語に不慣れ or トラブル時に不安を感じる
-
海外FX業者ではなく国内業者を使用している
-
初めてのVPSで「何が正常なのか分からない」状態
✅ 信頼できる海外VPS業者(2社)
業者名 | 主な特徴 |
---|---|
FXVM | スキャルピングEAに強い。NY設置サーバーで超低Ping。価格帯も安定。 |
Beeks Financial Cloud | 法人口座やプロ向け。MT4/MT5対応・リスク管理も徹底。 |
VPSでEAを複数稼働させるには?容量とCPUの目安
EAを1つだけ動かすなら、最小スペックのVPSでも対応できることがあります。
ですが、複数のEAを同時に稼働させる場合は、明らかに“VPSの性能”がボトルネックになります。
「2つ目のEAからMT4が重くなった」「ポジションが増えると固まる」――そういった症状の多くは、スペック不足=処理落ちが原因です。
✅ 同時稼働数に応じた目安スペック表
EA数 | 推奨メモリ(RAM) | 推奨CPU(vCPU) | 備考 |
---|---|---|---|
1つ | 1.5GB〜 | 1~2コア | 単体稼働なら最小構成でも可(動作軽いEA) |
2〜3つ | 2〜4GB | 2〜4コア | MT4×複数起動はCPU依存大。余裕を持った設計を |
4つ以上 | 4GB以上 | 4コア以上 | 複数口座・通貨分散ならMT5利用も検討を |
✅ 具体的な負荷のかかるパターン
-
MT4/MT5を複数同時に起動
-
自動でチャートを複数開くタイプのEA
-
ログ保存が多く、ディスク容量を圧迫
-
含みポジションが増えた状態で指標発表を迎える
✅ 安定運用に必要な工夫
-
複数EAでも1つのMT4/MT5に集約できる設計を選ぶ(分散しすぎない)
-
VPSのリソース監視(CPU使用率・メモリ)を定期的に確認
-
異常が続く場合はプランアップグレードも視野に入れる
📌 FP的観点:スペック余裕は“保険”と考える
VPSは“ギリギリで足りる”よりも、“余裕があって安定している”方が圧倒的に損失リスクを下げられます。トレードの不調ではなく「VPSの処理落ち」が原因で負けるのは最も避けたいミスです。
メモリはどれくらい必要?EA数別に必要スペックを解説
VPSを選ぶとき、「どのくらいのメモリが必要か」というのは最もよく聞かれる質問の一つです。
ですが、EAの種類・同時稼働数・チャートの重さによって必要な容量は大きく変わります。
✅ まず押さえるべき前提
-
MT4/MT5はアプリケーション単位でメモリを消費
-
チャート数・インジケーター・ログ保存などが増えると負荷が増大
-
EAが停止したりログが溜まりすぎたりする原因の多くがメモリ不足
✅ EA数別:推奨メモリの目安
稼働EA数 | チャート負荷(目安) | 推奨メモリ(RAM) | 備考 |
---|---|---|---|
1つ | 軽量(インジ少なめ) | 1.5GB〜 | デモ運用や検証に限れば1GBでも可能 |
2〜3つ | 通常〜中程度(一般的EA) | 2〜3GB | 同時稼働が増えるほど余裕をもたせるべき |
4〜5つ | 重め(スキャル・複数通貨対応) | 4GB以上 | 画像・ログが多いEAはさらに増設を検討 |
6つ以上 | 高負荷(ナンピン+マルチペア) | 6〜8GB以上 | MT5を使って一元管理するのも有効 |
✅ VPSメモリ使用量の目安
🧠 ※OSやWindows Server自体でも1GB近く使用するため、「2GB契約でギリギリ」は実質危険。
✅ トラブル回避のポイント
-
チャートは必要最低限の通貨ペアだけを表示
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不要なインジケーターや自動記録系はオフにする
-
ログファイルが肥大化していないか、定期的に削除・バックアップ
MT4とMT5で異なるVPSの相性とは?
EAを運用する際に使用する取引プラットフォームは、主にMT4(MetaTrader 4)とMT5(MetaTrader 5)の2種類。
どちらを使うかによって、VPSに求められるスペックや動作環境にも違いが出てきます。
✅ MT4とMT5の主な違い(EA運用目線)
項目 | MT4 | MT5 |
---|---|---|
メモリ使用量 | 軽量(1〜2EAで1GB前後) | やや重い(インジ数で使用量増) |
CPU負荷 | 比較的低め | 高め(並列処理に対応) |
複数EAの同時稼働 | 複数のMT4インスタンスが必要 | 1つのMT5でマルチEA動作が可能 |
複数通貨ペア対応 | 基本的に1EA=1通貨ペア | 複数通貨にまたがるEAが動かしやすい |
バックテスト速度 | 遅め(単一スレッド) | 高速(マルチスレッド処理対応) |
対応VPS業者の数 | 多い(MT4対応を明記した業者多数) | 少なめ(MT5最適化は一部業者に限られる) |
✅ VPSとの相性という視点で見ると?
-
MT4は軽量かつ汎用性が高く、最小スペックVPSでも比較的動作が安定
→ 月額1,000円台のプランでも対応しやすい -
MT5はリソースを広く使う設計のため、最低2GB以上/2vCPU以上が安心ライン
→ 処理落ち防止のためにも、余裕のあるVPSプランを推奨
✅ どちらを選ぶべきか?
-
EAの提供元がMT4にしか対応していない場合 → MT4+国内VPS(コスパ優先)
-
EAを複数動かしたい・通貨分散をしたい → MT5+高スペックVPS(MT5最適化済)
📌 運用前チェックリスト
📌FP視点のアドバイス
スペック選定の失敗で最も多いのが「MT5用EAを最小構成VPSで動かす」ケースです。安定稼働を最優先にするなら、プラットフォームごとに必要スペックを見極めて選ぶことが重要です。
MT4とMT5の違いや、どちらが自分に向いているかをさらに深掘りしたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
Macやスマホでも使える?VPSへのアクセス方法
「VPSってWindowsじゃないと使えないの?」「Macからも操作できるの?」といった不安を持つ初心者の方も少なくありません。
実はVPSは、OSを問わず、スマホやMacからでも簡単にアクセス可能です。
ここではその方法と注意点を解説します。
✅ VPSへの代表的なアクセス方法
端末・OS | 接続方法 | 使用アプリ例 |
---|---|---|
Windows PC | リモートデスクトップ接続(標準) | 「リモートデスクトップ接続(RDP)」内蔵 |
Mac(macOS) | RDPクライアント経由 | 「Microsoft Remote Desktop」無料で利用可能 |
スマホ(iOS) | アプリ経由 | 「RD Client(iOS)」など |
スマホ(Android) | アプリ経由 | 「Microsoft Remote Desktop(Android)」 |
ブラウザ | 一部VPSはWebブラウザ接続に対応 | ConoHaやBeeksなどでブラウザUIを提供 |
-
VPS契約時に通知される「IPアドレス」「ユーザー名」「パスワード」を入力するだけ
-
アプリを立ち上げ → 接続情報を保存 → ワンタップでログイン可能
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スマホでもMT4の画面操作・EAのON/OFF・再起動・確認などが可能
📌 注意点とアドバイス
-
モバイル接続時は回線の安定性に注意(Wi-Fi環境推奨)
-
スマホ操作は「緊急用」「状態確認用」と考え、メインはPCからの操作が基本
-
Mac利用者は右クリックや特殊キーが使いづらい場面もあるため、ショートカットに慣れておくと便利
よくあるトラブルと対処法|フリーズ・切断・遅延など
VPSを導入すれば安心、と思われがちですが、実際の運用中にはトラブルが発生することもあります。
✅ トラブル①:MT4/MT5がフリーズして動かない
原因:
-
メモリ・CPU不足
-
チャートを開きすぎている
-
EAのバグや過剰なロジック負荷
対処法:
-
MT4を1つにまとめる/不要なチャートを閉じる
-
VPSの使用率をチェックし、プラン変更を検討
-
EAを一時停止し、ログを確認(Experts / Journal)
✅ トラブル②:VPSに接続できなくなった
原因:
-
VPS側の自動メンテナンス
-
ネットワーク断/IP制限
-
ログイン情報の誤入力
対処法:
-
一度VPSのコントロールパネルにログイン(再起動)
-
IP制限設定を見直す(海外VPSでありがち)
-
複数回ログイン失敗でロックされる業者もあるため、サポートに連絡
✅ トラブル③:EAが勝手に止まっていた
原因:
-
Windowsアップデートで再起動
-
EAの内部エラー
-
サーバーの一時的な停止
対処法:
-
Windows Updateを無効化/手動管理に設定
-
「タスクスケジューラ」で再起動時に自動起動するよう設定
-
週1回のEA再起動チェックもおすすめ(自動ツールもあり)
✅ トラブル④:注文遅延・滑りが多い
原因:
-
VPSサーバーとFX業者の物理距離
-
VPS内のリソース逼迫
対処法:
-
海外業者を使うなら業者に近いロケーション(例:NY)のVPSを選ぶ
-
ピン値(Ping)を確認し、20ms以下が望ましい
📌 トラブル回避の基本姿勢
VPS契約〜EA稼働までの流れを解説
VPSの契約からEAを稼働させるまでの流れは、慣れてしまえば非常にシンプルです。
ここでは、初心者でも迷わないように6ステップに分けて解説します。
✅ ステップ①:VPS業者を選ぶ(国内 or 海外)
-
まずは目的に合ったVPSを選定
→ 国内FX業者なら「お名前.com」「使えるねっと」など
→ 海外FX業者なら「Beeks」「FXVM」などが候補 -
利用目的(EA数・MT4/MT5)に応じてスペックと価格を見極める
✅ ステップ②:VPSを申し込む
-
プランを選び、アカウントを作成
-
支払い方法を選択(クレジットカード・銀行振込など)
-
数分〜数時間で、VPSの接続情報(IP・ID・パス)がメールで届く
✅ ステップ③:VPSに接続する
-
Windowsなら標準の「リモートデスクトップ接続」
-
Macやスマホなら専用アプリ(Microsoft Remote Desktopなど)を使って
-
届いたIPアドレス・ユーザー名・パスワードでログイン
-
接続後は、Windowsの画面とほぼ同じUIが表示される
✅ ステップ④:MT4またはMT5をインストール
-
使用しているFX業者のサイトからMT4/MT5のインストーラーをダウンロード
-
VPS内で実行し、通常のPCと同じようにセットアップ
-
VPSによっては最初からMT4が導入されている場合もある
✅ ステップ⑤:EAをセット・稼働設定
-
VPS内のMT4/MT5にEAファイル(.ex4/.mq5)を配置
-
必要に応じてパラメータやロット数を設定
-
チャートにEAをドラッグ&ドロップし、「ニコちゃんマーク」が笑顔になれば稼働完了
✅ ステップ⑥:停止しない設定をチェック
-
Windows Updateの自動再起動を無効化
-
自動ログオフやスリープ機能をオフ
-
MT4/MT5が起動時に自動立ち上がる設定にしておく
-
定期的にリモート接続して「ちゃんと動いているか」確認する習慣をつける
よくある質問Q&A10選
Q1. VPSは必須ですか?EAは自宅PCでも動かせますか?
A. 動作自体は可能ですが、停電・再起動・回線切断のリスクを考えるとVPSの方が圧倒的に安定します。EA運用では実質必須です。
Q2. EA運用におすすめのVPSはどこですか?
A. 国内ならお名前.comやConoHa、海外ならFXVMやBeeksが人気です。使うFX業者に応じて選ぶと失敗しにくいです。
Q3. VPSは月いくらくらいかかりますか?
A. 国内VPSで月額1,300〜2,000円前後、海外VPSは500〜1,500円程度が相場です。長期契約で割引が適用されることもあります。
Q4. 複数EAを同時に稼働できますか?
A. 可能です。ただし、EAの数に応じてメモリやCPUスペックを引き上げる必要があります。2〜3個で2GB/2コアが目安です。
Q5. VPSをスマホやMacから操作できますか?
A. はい。Microsoft Remote Desktopを使えば、Windows以外からもリモート接続可能です。
Q6. MT4とMT5どちらがVPSに向いていますか?
A. MT4は軽量で低スペックでも動作が安定。MT5は複数EAを1つで稼働できる分、高スペックが必要です。
Q7. おすすめしないVPSの選び方はありますか?
A. スペック不足や日本語サポートがないVPSを選ぶとトラブルの元になります。価格だけで選ばないことが重要です。
Q8. VPSが急に切断されることはありますか?
A. あります。Windowsアップデートやメモリ不足、Ping不安定が原因です。自動再起動設定とリソース管理が対策になります。
Q9. EAが止まらないようにするには?
A. VPS内のスリープ・ログオフ・アップデート機能をすべてオフにし、MT4/MT5を自動起動設定にしておくことが大切です。
Q10. VPS契約時に初心者が気をつけるべきポイントはありますか?
A. 初月無料や割引キャンペーンに飛びつく前に「最低契約期間」や「自動更新の有無」を必ず確認しましょう。使い方に合ったスペック選びも重要です。
【2025年】EA運用におすすめのVPS5選と選び方のコツのまとめ
📌FPからのワンポイントアドバイス
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