【2025年版】金融資産1億円以上の割合は?富裕層に入る人の条件と現実

金融資産1億円以上の割合 老後・ライフプラン

金融資産1億円以上の人って、どれくらいいるの?」「1億円って“本物の富裕層”なの?自分はどの位置にいるんだろう…。」こうした疑問は、資産形成を意識し始めた40代〜60代の方を中心に、近年ますます高まっています。SNSでは“億り人”の話題があふれていますが、実際のところ日本で金融資産1億円以上を保有している人はごく一部。ですが同時に、その一部に「入れそうかどうか」を知ることには確かな意味があります。

この記事では、2025年時点の最新データをもとに、「金融資産1億円以上の割合」「年代・世帯形態ごとの保有率」「1億円を築いた人に共通する傾向」を詳しく掘り下げていきます。

「1億円以上持っている人って、どれくらいいるんだろう?」そんな疑問を持つ一方で、「その1億円でどんな暮らしができるのか」も気になる方は多いはず。生活費・リタイア後の支出モデルなどに関心がある方は、こちらも参考にしてみてください。

👉 【2025年版】老後資金1億円の生活レベルは?60歳でリタイアは現実的か?

この記事の4つのポイント
  • 📌金融資産1億円以上の割合を年代・世帯別の最新統計で解説
  • 📌富裕層・準富裕層の明確な定義と条件がわかる
  • 📌1億円を築いた人に共通する特徴や資産配分を紹介
  • 📌2億・3億・8000万円との違いや富裕層の“現実”が分かる

金融資産1億円以上の割合は?2025年の統計と推計データ

そもそも「金融資産1億円」とは何を指すのか?

「金融資産1億円」と聞いて、何を含めるかは人によって解釈が分かれがちです。

まずは、公的な定義や金融機関の分類基準をもとに、“何が1億円にカウントされるのか”を明確にしておきましょう。

📌金融資産とは「現金化できる資産」のこと多くの調査機関では、金融資産を以下のように定義しています。

含まれるもの 含まれないもの
預貯金(普通・定期) 居住用の自宅不動産
株式・投資信託・ETF 自家用車・骨董品などの実物資産
債券・社債・外貨建資産 退職金見込み額や企業年金予定額(未受給)
保険の解約返戻金 負債(住宅ローンなど)はマイナスとして考慮される場合も

📌野村総研の富裕層定義も「純金融資産ベース」

以下はよく引用される「富裕層の定義」は、野村総合研究所(NRI)が発表している分類です。

層分類 純金融資産保有額
超富裕層 5億円以上
富裕層 1億円以上〜5億円未満
準富裕層 5,000万〜1億円未満
アッパーマス層 3,000万〜5,000万円未満
マス層 3,000万円未満

この「富裕層」の定義に照らしても、純金融資産が1億円を超えることは“明確に富裕層ラインを超えている”ことを意味します。

1億円という金額は、単に“たくさん持っている”という漠然とした印象ではなく、明確な資産階級のボーダーとして意味を持っています。

🔗出典元: 野村総合研究所「日本の富裕層に関する調査結果(2023年)

※資産3億円の生活実態やリタイアとの関係について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にされて下さい。

資産3億円以上の人の割合は?リタイア生活と老後のリアルを徹底分析

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60代の保有割合は?最新の家計調査から読み解く

金融資産1億円以上を保有している世帯の中で、最も割合が高いのは60代とされています

これは収入のピークを過ぎ、退職金や資産運用で築いた資産が形となって現れる世代だからです。

📌家計の金融行動に関する世論調査(2024年)より

金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」では、60代の2人以上世帯における金融資産保有額の平均は2,588万円、中央値は1,200万円という結果が出ています。

金融資産1億円

その中で、1億円以上を保有する世帯の割合はおおよそ4〜5%前後(全体の20〜25世帯に1世帯)と推計されます。

この数値からも、1億円以上の保有は明らかに「上位層」であることがわかります。

🔗 出典:金融経済教育推進機構「家計の金融行動に関する世論調査[2024年]

📌年代のなかでも「資産とリタイアが交差する世代」

60代は、定年退職・年金開始・資産運用の終了フェーズが重なる「資産の使い方」が問われる時期でもあります。

このため、“築いた資産をどう活かすか”という視点が急に現実味を帯びてくるのです。

実際に「1億円を保有していても、それでどう暮らせるか?」という不安や期待を抱く人も多く、以下の記事では、1億円で可能な老後生活の具体像について詳しく解説しています。

👉 【2025年版】老後資金1億円の生活レベルは?60歳でリタイアは現実的か?

60代で1億円というのは、珍しいようでいて一定の現実味もあります。

40代で1億円以上持つ人はどれくらい?年代別の割合も比較

「まだ40代だけど、資産1億円に到達できるだろうか?」

そんな疑問を持つ方は少なくありません。実際に40代で1億円を保有している人の割合は非常に限られています。

ですが、40代は資産形成の“仕上げ段階”に入りつつある重要な年代でもあり、将来の富裕層候補が多く存在する層でもあります。

📌金融資産1億円以上保有者の年代別割合(推計)

下記は、金融経済教育推進機構のデータや民間の富裕層調査をもとにした年代別の1億円保有者の推定割合です。

年代 推定割合(1億円以上保有)
30代 1%未満(非常に希少)
40代 約1〜2%
50代 約3〜4%
60代 約4〜5%(最多層)
70代以降 約3〜4%(減少傾向)

📌40代で到達している人に共通する特徴

以下のような条件が複数重なると、40代で1億円を実現している人が多い印象です。

  • 独立起業や経営層、証券・不動産など高年収業種
  • 20代からの長期・積立投資の継続
  • 共働き世帯で支出コントロール力が高い
  • 相続や贈与など一時的な資金流入があった

これらはすべて「偶然ではなく、意図的な戦略と環境による積み上げ」が背景にあります。

📌40代は“富裕層の土台”を作る最後の年代

40代は、収入のピークが近づき、資産運用・家計管理・教育費などの支出バランスが鍵を握る年代です。

この時期にどれだけ“守りながら増やせるか”が、50代・60代での資産到達に直結します。

「いま1億円ないから手遅れ」ではなく、これから到達できるかどうかを“設計できる”最後のチャンスともいえるでしょう。

単身世帯と夫婦世帯で割合はどう変わる?

「金融資産1億円以上」と聞くと、世帯単位の話だと思われがちですが、単身世帯と夫婦世帯ではその割合に大きな差があります。

ここでは、生活形態ごとの保有状況の違いに注目して見ていきます。

📌単身世帯で1億円以上を保有している人はごく少数

金融経済教育推進機構の調査(2024年版)では、単身世帯の金融資産の中央値は500万円未満。

特に高齢の単身女性世帯では、年金収入が限られることから、1億円以上を保有しているのは全体の1%未満と推定されます。

これは以下のような背景が関係しています。

  • 生涯未婚または離別・死別による年金受給額の減少
  • 家計支出のすべてを1人で賄う必要がある
  • 生前贈与や相続を受ける機会が比較的少ない

📌一方、夫婦世帯では“合算効果”が発揮されやすい

夫婦世帯(特に共働きや退職金が2人分あるケース)では、以下の要因により1億円以上の資産形成が現実的になります。

要因 内容
世帯収入の合算 共働き期間が長ければ収入規模は単身の2倍以上
支出の分担 住居費・生活費を分け合うことで貯蓄余力が高い
資産形成機会の共有 2人分のNISA・iDeCo枠を活用可能
退職金・企業年金 夫婦どちらも会社員・公務員の場合は上乗せされやすい

📌単身世帯でも到達している人は「徹底管理型」が多い

少数ながら単身で1億円に到達している人には、以下のような傾向が見られます。

  • 生涯独身を前提としたストイックな資産管理
  • 高収入×支出最小化という“効率型ライフ”
  • 投資の長期継続による複利効果の最大化

つまり、夫婦世帯よりも計画性と継続力が重要になるのが単身富裕層の特徴です。

単身・夫婦にかかわらず、1億円に到達する人には“計画性”と“継続力”が共通しています。

2億円・3億円以上の保有者はどれくらい存在する?

「1億円以上」の資産を保有している世帯が全体の4〜5%前後というだけでも十分に希少ですが、そこからさらに上の「2億円」「3億円」以上の資産層となると、その比率は一段と絞られてきます。

📌野村総研の最新データによる推計

2025年2月に野村総合研究所(NRI)が発表した調査によれば、日本における純金融資産1億円以上の世帯は約165万世帯と推計されています【出典:NRIニュースリリース(2025年2月13日)】。

その内訳は次の通りです。

階層 純金融資産額 推定世帯数(2023年時点)
富裕層 1億円以上~5億円未満 約143万世帯
超富裕層 5億円以上 約22万世帯

📌2億円保有者の割合はおよそ1%以下

1億円以上の世帯が全体の約3.3%(世帯数約5,000万のうち165万世帯)とされる中、2億円以上になると全体の0.5〜0.7%程度と推測されます。

3億円以上であれば、さらに希少で0.2%〜0.3%以下の範囲。

こうなると、富裕層というよりも“資産家”や“事業家クラス”の領域です。

📌資産額が増えるほど「保有の質」も変わる

1億円〜2億円クラスでは、

  • 預金・株式・不動産・年金資産の組み合わせで分散保有
  • 所得・職歴・節税・投資のバランス型富裕層

が多い一方で、3億円超では、

  • 企業オーナー・M&A・資産継承者など“特殊な経済経路”を通った人
  • 資産管理会社を持つような本格的な資産運用層

など、「保有の成り立ち」や「活用のスタイル」にも明確な違いが生じます。

「億」を超えた先には、“桁が変わるたびに戦略も変わる”という世界が広がっています。

貯蓄8000万円の割合・層との違いとは?

「金融資産1億円」は明らかな富裕層ラインとされていますが、それに“あと一歩”の位置にあるのが「貯蓄8000万円」という層です。

この層は、金融機関や調査機関によって「準富裕層」と呼ばれることもあり、今後の資産運用や退職金の受け取り次第で「1億円到達も現実的」とされるゾーンです。

📌8000万円保有者の割合はどれくらい?

公的な調査では「8000万円」というピンポイントの資産額は出ていないものの、参考として、5000万円〜1億円未満を保有する世帯=準富裕層の割合は以下のとおりです。

階層 資産額 割合(世帯全体比)
準富裕層 5,000万〜1億円未満 約7.4%(約370万世帯)
富裕層(1億円〜) 1億円以上 約3.3%(約165万世帯)

※出典:野村総研「富裕層に関する調査(2025年版)」

このように、8000万円層は「富裕層直前の最多ボリュームゾーン」に位置していることがわかります。

📌1億円との“数字以上の違い”

8000万円と1億円は2,000万円の差ですが、実際には次のような「心理的・制度的な壁」も存在します。

項目 8000万円層 1億円以上層
富裕層定義 未到達(準富裕層) 明確な富裕層認定
相続税対策 検討レベル 実行必須レベル
金融サービス 限定的(プレミアム口座等) 富裕層専用サービス対象
社会的印象 高貯蓄層 “お金持ち”として見られる

📌8000万円層は“最も不安と期待が入り混じる層”

  • 「ここまで貯めたけど老後は大丈夫か?」という不安
  • 「あと少しで1億円。どう運用すればいい?」という期待

この両方を抱えるのが、8000万円前後の層です。

一方で、1億円を超えた側は「守る」「継ぐ」など、資産維持・継承フェーズに意識がシフトしていく傾向にあります。

1億円以上を保有する日本人の“人口比率”は?

「金融資産1億円以上の割合はどれくらいか?」という問いには、「世帯数ベース」だけでなく、「人口比率」での視点も重要です。

特に独身世帯や単身富裕層を想定する場合、“日本人全体のうち何人が該当するのか?”という感覚で把握した方が現実味を帯びます。

📌世帯数ベースの割合は約3.3%

野村総合研究所の最新推計(2025年2月)によれば、日本の総世帯数約5,000万に対して、1億円以上の純金融資産を持つ世帯は約165万世帯。

これを割合にすると、約3.3%。

つまり、およそ30世帯に1世帯が「1億円以上の金融資産」を持っているという計算になります。

📌人口比ではさらに希少な「上位層」

総務省「人口推計」(2024年10月時点)によれば、日本の総人口は約1億2200万人。

ここで、1億円以上の金融資産を保有している人の人数(仮に165万人)で計算すると、全体のわずか1.35%程度になります。

指標 数値
総人口 約1億2200万人
1億円以上保有者数 約165万人
人口比率 約1.35%

📌参考:米国との比較

アメリカでは、「ミリオネア(100万ドル=約1.5億円以上の純資産)」が全世帯の約8〜9%を占めていると言われています。一方、日本では同水準の純資産を持つ人は3%台にとどまっているため、富裕層の厚みや資産形成機会に国民性の違いも現れています。

1億円保有者の特徴は?富裕層に共通する条件と傾向

郊外の落ち着いた一軒家

富裕層・準富裕層・小金持ちの定義とは?

「富裕層」「準富裕層」「小金持ち」——。いずれも“経済的に余裕がある人”を指す言葉として使われますが、実際には明確な定義と境界線があります。

📌野村総研による資産階層の分類

日本で最も広く参照されているのが、野村総合研究所による純金融資産(負債を除いた流動資産)の保有額別分類です。

階層名 純金融資産額 割合(2025年推計)
超富裕層 5億円以上 約22万世帯(0.4%)
富裕層 1億円以上〜5億円未満 約143万世帯(2.9%)
準富裕層 5,000万円〜1億円未満 約370万世帯(7.4%)
アッパーマス層 3,000万円〜5,000万円未満 約700万世帯(14.0%)
マス層 3,000万円未満 約4,000万世帯(75%超)

👉 出典:野村総合研究所「2025年 日本の富裕層・超富裕層に関する調査」

📌「小金持ち」とは何を指すのか?

一方で、「小金持ち」という表現はややあいまいで、公的な定義は存在しません。

ただし実務上では、

  • 純金融資産で3000万円以上〜5000万円未満
  • 年収で1000万円〜1500万円程度
  • 持ち家あり・住宅ローン返済済み

といった条件を満たしている層が「小金持ち」とみなされることが多いです。

つまり、「準富裕層の下位〜アッパーマス層の上位」が該当するイメージです。

📌生活実感と定義のズレに注意

例えば地方で持ち家・車・預貯金3000万円がある60代夫婦は、経済的に豊かに見えるかもしれません。

ですが、定義上は「マス層〜アッパーマス層」であり、富裕層には含まれません。

逆に、都心で賃貸生活でも、株式や債券で1億円以上を保有していれば富裕層です。

このように、見た目や生活水準と資産階層は必ずしも一致しないという点も重要です。

1億円は“本物の富裕層”か?資産階級の境界線

「資産が1億円ある」と聞けば、多くの人が“お金持ち”と感じるはずです。

では、それは統計的にも本当に“富裕層”と言えるのでしょうか?

📌野村総研の定義では「明確に富裕層」

前述した通り、野村総合研究所では1億円以上の純金融資産を保有する世帯を「富裕層」と定義しています。

区分 純金融資産額
富裕層 1億円以上~5億円未満
超富裕層 5億円以上

📌社会的にも「資産階級が変わるボーダー」

資産1億円の保有者は、以下のような特別な金融サービスや優遇の対象となるケースが増えます。

  • プライベートバンキング(PB)部門での対応
  • 相続・事業承継を見据えた資産分割アドバイス
  • 不動産投資・節税・贈与戦略などの高度な提案
  • 富裕層向けファンド(オルタナティブ資産など)

つまり、1億円というラインは、資産を「増やす」から「守り・継ぐ」へと意識が変わる転換点でもあります。

📌生活実感としての“格差感”も変わる

マス層や準富裕層と比較して、1億円以上の保有者は

  • 「何に使っても生活に困らない」水準の安全資金がある
  • 子や孫に残せるレベルの資産がある
  • 「人生の選択肢が広がる」安心感がある

といった点で、日常的な金銭感覚や将来設計が“別のレイヤー”にあると感じる人が多いのも事実です。

資産1億円を築いた人に共通する職業・年収ゾーン

📌【1】高年収が見込める業種・職業

以下は、資産1億円以上の保有者に多く見られる典型的な職種です。

職種・立場 傾向・特徴
経営者・会社オーナー 法人利益を資産化しやすく、節税対策も活用可
医師・歯科医 高収入かつ長期間安定した職業収入あり
弁護士・公認会計士 高単価の専門職+資産運用に意識が高い層
大手企業管理職 役職定年まで高給+退職金・企業年金あり
投資家・不動産オーナー 継続的な運用で資産をスケール化できる

📌【2】年収は1000万〜2000万クラスがボリュームゾーン

資産1億円を築くには「年収だけ」では到達困難ですが、安定的に年1000万円以上を稼ぐ期間が長いことが前提になります。

年収ゾーン 到達までのイメージ
1,000万円台 投資+倹約+退職金含め30〜40年で可能
2,000万円超 投資なくとも資産形成が現実的に
3,000万円超 10〜15年スパンでも到達可能(使わなければ)

📌【3】共通しているのは“資産管理意識”の高さ

1億円を築いた人に共通するのは、職種や年収だけでなく、以下のような習慣面の徹底ぶりです。

  • 支出を常に最適化する(無駄な保険・ローンなし)
  • 税制優遇制度(NISA・iDeCo)をフル活用
  • 不況時でも運用を止めず、長期継続
  • 家族や配偶者と価値観を共有している

つまり「高年収+堅実な家計+長期視点」という3要素が合わさることが、1億円達成のカギとなっています。

プチ富裕層・準富裕層の年収・貯蓄ラインは?

「富裕層」とまではいかなくても、資産形成が順調な層として注目されるのが、“準富裕層”や“プチ富裕層”と呼ばれるゾーンです。

📌準富裕層は「あと一歩で1億円」に届く層

野村総研によれば、準富裕層とは純金融資産5,000万円〜1億円未満の世帯を指し、約370万世帯(全体の7.4%)が該当します【出典:NRI調査 2025年】。

この層は、

  • 退職金+年金で1億円に届く見込みがある
  • 投資歴10〜20年の中堅層
  • 資産運用と節税対策を両立している

といった特徴があり、“富裕層予備軍”として非常に厚いボリュームゾーンです。

📌プチ富裕層の年収イメージは?

一方、「プチ富裕層」という言葉はやや曖昧ですが、実務的には以下のような水準が目安とされています。

年収イメージ 金融資産目安
プチ富裕層 年収1,000〜1,200万円前後 3,000万〜5,000万円
準富裕層 年収1,200〜2,000万円 5,000万〜1億円

1億円あっても安心できない?富裕層が陥る3つの落とし穴

「資産1億円あればもう安心」と思われがちですが、実際には1億円保有者にも共通する“3つの油断”があります。

⚠️落とし穴①:支出増加の“逆インフレ”

資産に余裕があるからこそ、次第に生活コストが膨らみ、想定以上のスピードで資産が目減りする現象が起きやすくなります。

  • 高級車・高層マンションなど固定費が跳ね上がる
  • 子や孫への支援が“習慣化”していく
  • 退職後の旅行・趣味で月の支出が倍増

→ 「守り」を意識しないと、老後30年で資産が枯渇するリスクも。

⚠️落とし穴②:詐欺・投資トラブルの標的化

資産額が増えるほど、悪質な金融商品や詐欺のターゲットになりやすくなります。

  • 未公開株、節税名目の不動産など“甘い誘い”
  • 子世代・知人経由の「紹介型詐欺」
  • 自称FP・税理士による資産コンサル

→ 資産があるからこそ、「断る力」や判断基準が重要になります。

⚠️落とし穴③:認知症・相続で資産が動かなくなる

1億円以上の資産があっても、管理者本人が高齢で判断力を失えば、資産が“使えないお金”になってしまうケースもあります。

  • 相続・贈与のタイミングを逃す
  • 成年後見制度が適用され、資産運用が停止
  • 家族間トラブルで“塩漬け”状態に

→「使う」「守る」「渡す」のバランスがあってこそ、“意味ある1億円”になります。

資産形成のゴールと思われがちな「1億円」ですが、本当の意味で安心できるかどうかは、その後の行動と管理にかかっているのです。

「お金を増やし続ける人」に共通する資産運用の習慣とは?

資産を1億円まで築けたとしても、そこから増やし続けられる人は限られています。

その違いは、資産の大きさではなく、“習慣”と“戦略”の有無にあります。

📌習慣①:資産全体を「流動性」「安定性」「成長性」で3分類

お金を守りながら増やす人は、以下のように資産を機能ごとに分けて管理しています。

資産区分 目的 代表例
流動性資産 生活費・緊急用 普通預金、MRF
安定性資産 資産の防衛 個人向け国債、外貨預金、保険型商品
成長性資産 長期運用 株式、投資信託、REIT、海外ETFなど

📌習慣②:NISAやiDeCoも“富裕層こそ活用している”

富裕層は「制度の上限が小さいからやらない」のではなく、活用できるものは必ず使うという考え方です。

  • 新NISAで成長投資枠をフル活用
  • iDeCoで所得控除を得ながら長期運用
  • 相続税・贈与税の非課税枠も戦略的に使う

→ 制度の“積み重ね”が将来的に数千万円の違いになると理解しています。

 制度の基本と活用法は、こちらで詳しく解説しています。
🔗 【2025年版】NISAとiDeCoの違いは?初心者向け始め方ガイド

📌習慣③:市場に居続けるマインドセット

  • 下落相場でも売らない
  • 利益が出てもすぐ使わない
  • 複利の力を信じて待てる

このような「市場から逃げない姿勢」が、資産の差を何倍にも広げる要因となります。

1億円で何年暮らせる?生活水準別のシミュレーション

ここでは、金融資産1億円でどれだけの期間暮らせるかを、支出レベル別にシミュレーションしてみます。

📌月額支出別のシミュレーション表(年金含まず)

以下は、年金などの収入を考慮せず、1億円のみを取り崩して生活した場合の年数です。

月額支出 年間支出 1億円で暮らせる年数
15万円 180万円 約55年
20万円 240万円 約41年
25万円 300万円 約33年
30万円 360万円 約27年
40万円 480万円 約20年
50万円 600万円 約16年

📌公的年金を加味した「併用モデル」

実際には、多くの方が年金+金融資産の併用となります。

たとえば、夫婦で月額年金が20万円ある場合

  • 月支出30万円 ⇒ 自己資金からは月10万円負担
  • 年間負担:120万円 ⇒ 1億円で約83年分

→ このように、年金があることで資産の“寿命”は大きく延びることがわかります。

📌資産運用(年利3%)を想定した場合

仮に1億円を年利3%で運用しながら取り崩すと仮定すると、年間300万円ずつ取り崩しても、40年以上持つという試算もあります。

※運用リスクや相場変動を考慮した上で、分散投資・定率取り崩しが前提。

「資産1000億円超」の超富裕層はどれだけいる?

資産1億円ですら希少な存在ですが、さらにその先、100億円、1000億円以上の資産を保有する“超富裕層”は、まさに別次元の世界です。

ここでは、日本国内および世界における「資産1000億円超」の層について確認します。

📌日本国内の超富裕層(100億円超)

野村総合研究所では、「超富裕層」=5億円以上の純金融資産を保有する世帯と定義しています。

その中で、さらに資産規模が100億円を超えるような人物はごくわずかです。

  • 2025年時点での超富裕層全体:22万世帯(0.4%)
  • うち資産100億円以上の個人は、国内で数百人規模と推定
  • 資産1000億円超となると、“日本で数十人”レベル

これはもはや「富裕層」ではなく、大企業の創業者や上場企業の筆頭株主、資産管理会社を保有する一族に限られます。

📌世界の超富裕層と比較して

世界にはより大きなスケールの資産家が存在しています。

  • 【米国】イーロン・マスク氏、ジェフ・ベゾス氏などは資産20兆円超
  • 【世界全体】資産1000億円超の人は約2600人(2024年 Forbes)
  • 世界の超富裕層の6割以上はアメリカ、次いで中国

日本は税制や文化的背景もあり、資産の大規模集約が起こりにくい土壌にあると言われています。

📌1000億円超の資産が意味するもの

このレベルになると、資産は単なる“お金”ではなく、“影響力そのもの”になります。

  • 株式市場への発言力・投資先企業への影響
  • 社会貢献(寄付、NPO支援)や政治ロビー活動
  • ファミリーオフィスを通じた複数世代にわたる資産統治

→ 「資産の活用先」こそが話題になり、“何をするか”が重要視されるのがこの層の特徴です。

“1億円”で語られる世界と、“1000億円”で語られる世界は、もはや同じ貨幣単位でありながら、意味合いがまったく異なると言えるでしょう。

富裕層のライフスタイルに見られる5つの共通点

金融資産1億円を超える富裕層には、収入や投資の手法だけでなく、「日々の選択」や「人生の設計」にも一定の共通パターンが見られます。

ここでは、資産形成と維持に繋がるライフスタイル上の特徴を5つに絞ってご紹介します。

📌① 時間の使い方に“目的”がある

富裕層は、時間=資産という感覚を持っているため、1日を「消費」ではなく「活用」しようとします。

  • 朝のルーティンが明確(読書・運動・市場チェックなど)
  • 時間を奪う情報や人間関係を選別
  • 資産管理・健康管理に“時間を投資”している

📌② 健康とパフォーマンスへの意識が高い

お金があっても健康を失えば意味がないという価値観から、富裕層は健康を“最大の資産”と位置付ける傾向があります。

  • 定期的な人間ドック・オーダーメイド医療の利用
  • 食事・運動・睡眠にお金も手間も惜しまない
  • ストレス管理のために瞑想やカウンセリングも取り入れる

📌③ 所有より「選択」に重きを置く

物を持つことより、“選べる自由”に価値を感じているのも特徴的です。

  • マイホームより立地・環境に柔軟性のある住まい
  • 所有ではなくシェア(カーシェア、高級家具のリース等)
  • 「いつでも変えられる」という余白を大切にする

📌④ お金に対して“前向きで中立”な感覚

富裕層ほど、お金の話をタブー視せず、冷静に扱う傾向があります。

  • 感情的な浪費はせず、冷静な支出判断
  • 家族と資産の話をオープンに共有
  • 自らの金銭哲学を持ち、他人と比較しない

📌⑤ 人間関係を「資産」として丁寧に築く

資産の成長に影響を与える“人的ネットワーク”の価値を知っており、信頼関係に基づく付き合いを長期的に築く人が多いです。

  • 専門家(税理士・FP・弁護士)との継続的な関係
  • 共通の価値観を持つ友人や同業者との定期的な交流
  • SNSよりも「会う」「会話する」を重視する傾向

よくある質問Q&A10選

Q1. 金融資産1億円以上の人の割合は?
A. 2025年時点での推計では、約165万世帯、全体の約3.3%に相当します。人口比で見ると1.35%程度です。

Q2. 1億円は富裕層ですか?
A. はい。野村総研の定義によれば「金融資産1億円以上〜5億円未満」の世帯は「富裕層」に該当します。

Q3. 2億円・3億円保有者はどのくらい?
A. 明確な統計はありませんが、2億円以上は約0.5〜0.7%、3億円以上は0.2〜0.3%程度と推定されます。

Q4. 資産1億円で老後は安心ですか?
A. 月額支出によりますが、年金併用や運用次第で30年以上持ちます。ただし管理・使い方によっては不足の可能性も。

Q5. 小金持ちとはいくらからですか?
A. 一般的には金融資産3000万〜5000万円、年収1000万超程度の層が「小金持ち」と見なされます。

Q6. 準富裕層の年収や資産額は?
A. 年収1200〜2000万円程度、純金融資産5000万〜1億円未満の世帯を指します。

Q7. 1億円で何年暮らせる?
A. 月25万円の生活で約33年。年金併用であれば大幅に伸ばすことも可能です。

Q8. 日本人で資産1000億円以上の人は何人?
A. 正確な統計はありませんが、国内で数十人規模と推定されます。世界全体では約2600人程度。

Q9. プチ富裕層の特徴は?
A. 年収1000万〜1200万、金融資産3000万〜5000万円程度の層。住宅ローン完済や投資経験も多いです。

Q10. 本物のお金持ちの見分け方は?
A. 持ち物や生活よりも「資産の使い方」「お金との距離感」「時間や人間関係の扱い方」に違いが見られます。

【2025年版】金融資産1億円以上の割合は?富裕層に入る人の条件と現実のまとめ

  • 金融資産1億円以上を保有する世帯の割合は全体の約3.3%(約165万世帯)
  • 人口比ではわずか約1.35%と非常に限られた層に属する
  • 「富裕層」は1億円〜5億円未満、「準富裕層」は5000万〜1億円未満で定義される
  • 月30万円以上の生活では、1億円でも老後30年持たない可能性がある
  • 富裕層になった人の多くは高収入かつ支出・投資に対して堅実
  • 8000万円台は準富裕層として最も“迷い”の多い層(守るか、増やすか)
  • 富裕層でも支出過多や詐欺リスクなど、安心できない落とし穴がある
  • お金を増やし続ける人は制度活用・分散投資・習慣管理が徹底している
  • 「1億円=安心」ではなく、お金の扱い方で将来の心の安定が決まる
  • 世界規模で見れば、日本の超富裕層は極めて少数であり、1億円でも“国内上位数%”

📌FPからのワンポイントアドバイス

「1億円」という資産は、たしかに“ひとつの到達点”かもしれません。ですが、そのお金が“あなたの人生にどう役立つのか”を考えたとき、初めて本当の価値が見えてきます。資産があることは安心材料ではありますが、「見えるお金」だけで将来の不安が消えるわけではありません。むしろ、使い方や考え方が曖昧なままだと、1億円でさえ心の余裕にはつながらないこともあります。このブログでは、あなたの「これから」に寄り添いながら、一緒に考えていく記事をこれからも発信していきます。「お金がある人」ではなく、「お金を使いこなせる人」になるための第一歩として、次のアクションに変えてみてください。

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