
本記事は、おひとりさまや夫婦が安心して老後を迎えるために、老後資金のシミュレーション方法やおすすめのツールについて詳しく解説します。
老後の生活費はどのくらい必要なのか?独身女性の場合、夫婦世帯と比べてどのような違いがあるのか?多くの人が気になるポイントを分かりやすく整理しました。
また、老後資金を効率的に準備するための資産運用や投資の活用方法についても紹介。
つみたてNISAやiDeCoを活用することで、より豊かな老後を実現する方法を探ります。
さらに、金融庁のライフプランシミュレーターをはじめとした、無料で使えるシミュレーションツールを活用し、具体的な老後資金の試算を行う方法も解説します。

「老後資金、みんなはどうしてる?」と疑問を持つ方や、シミュレーションを通じて最適な資産計画を立てたい方は、ぜひ参考にされて下さい。
- おひとりさま・夫婦の老後資金の目安とシミュレーション方法がわかる
- おすすめの老後資金シミュレーターの活用法が学べる
- 独身女性向けの資産運用や投資のポイントが理解できる
- 老後資金が不足した場合の対策がわかる
- おひとりさま・独身女性の老後資金シミュレーション
- 夫婦の老後資金シミュレーション
- 夫婦の老後資金の目安
- 持ち家所有の夫婦の老後資金はいくらあれば足りる?
- 老後資金シミュレーション、おすすめの方法は?
- 老後資金の準備はいつから始めるべき?
- 老後の生活費は本当に23万円で足りるのか?
- 夫婦二人でゆとりある老後生活を送るためのシミュレーション
- 退職金を活用した老後資金のシミュレーション
- 老後資金5000万円で夫婦二人は足りるのか?
- 65歳で5000万円貯金している割合は?
- 老後資金が足りない場合の対策とシミュレーション
- ライフプランシミュレーションで見えるお金の流れ
- キャッシュフロー表を作成できるおすすめのアプリは?
- よくある質問Q&A10選
- おひとりさま・夫婦の老後資金シミュレーション!おすすめのシミュレーターは?のまとめ
おひとりさま・独身女性の老後資金シミュレーション
老後の生活に必要な資金は、早めにシミュレーションすることで不安を軽減できます。
特に「おひとりさま」や「独身女性」にとって、老後の資金計画は重要な課題です。
ここでは、老後資金をシミュレーションする方法や、おすすめのツールについて詳しく解説します。
おすすめは金融庁のライフプランシミュレーター
おひとりさまが老後資金のシミュレーションをする際に、最もおすすめのツールは金融庁の「ライフプランシミュレーター」です。
【なぜ金融庁のシミュレーターが良いのか?】
-
公的機関が提供しているため信頼性が高い
金融庁が運営しており、特定の金融商品を売り込む意図がないため、中立的な視点でシミュレーションできます。 -
無料で使える
一般的なライフプランシミュレーションツールには、有料版が必要なものもありますが、金融庁のツールは無料で利用できます。 -
細かい設定が可能
現在の収入、支出、退職後の生活費、年金額、資産運用状況などを詳細に入力し、将来の資金推移をグラフ化して表示できます。 -
公的年金をベースに計算
ねんきんネット(日本年金機構のウェブサイト)と連携しながら、実際の年金受給額の試算が可能です。
【金融庁のライフプランシミュレーターの使い方】
-
収入と支出を入力する
現在の年収や毎月の生活費、貯蓄額を入力し、支出の増減もシミュレーションできます。 -
ライフイベントを設定する
住宅購入、車の買い替え、介護費用など、将来の大きな支出イベントを設定し、資産推移を予測します。 -
資産運用の計画を反映
投資信託やNISA、iDeCoの活用状況を入力し、資産形成のシナリオを試算できます。
👉 金融庁のライフプランシミュレーターはこちら
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/lifeplan-simulator/
スマホで使えるおすすめの老後資金シミュレーションアプリは?
スマホで手軽に老後資金をシミュレーションしたい方には、以下のアプリがおすすめです。
-
マネーフォロー(iOS/Android)
・年収、支出、ライフイベントを入力するだけで、老後の資産推移がグラフ化される
・定期的にプランを見直し、ライフスタイルの変化に対応可能
・FIRE(経済的自立と早期リタイア)計画にも利用できる -
JAバンク「老後資金シミュレーション」
・公的年金額や全国平均の生活費データと比較しながらシミュレーション
・シンプルな操作で、必要項目を最小限に抑えた計算ができる -
日本FP協会「ライフプラン診断」
・将来の年金受給額や生活費をもとに、シミュレーションが可能
・シンプルな設計で初心者でも簡単に利用できる
これらのアプリを活用すれば、通勤時間やスキマ時間に老後資金の計画を立てることができます。
持ち家所有の独身女性(おひとりさま)の老後資金はいくらあれば足りる?
持ち家を所有している独身女性が老後に必要な資金は、公的年金と生活費のバランスによって変わります。
【持ち家がある場合の老後資金目安】
-
最低限の生活をする場合 → 約2,300万円
-
ゆとりある生活をする場合 → 約3,500万円
この金額は、総務省統計局「家計調査」や金融庁のデータをもとにした試算です。
持ち家がある場合、家賃の支払いは不要ですが、固定資産税や修繕費、管理費などの負担が続くため、それらのコストを考慮する必要があります。
老後資金、みんなはどうしてる?
「老後資金、みんなはどうしてる?」という疑問を持つ方も多いと思います。
老後の資金を準備する方法は主に以下の4つです。
-
早めに貯蓄を開始
老後資金は20代・30代から貯めるのが理想的です。早くから積み立てNISAやiDeCoを活用すれば、長期的な資産形成が可能になります。 -
年金を繰り下げ受給する
年金を65歳ではなく、70歳まで繰り下げると、年金額が42%増えるメリットがあります。 -
退職金を運用する
退職金を一括で使わずに、投資信託や不動産投資などで運用し、資産を増やす戦略を取る人も増えています。 -
副業やシニア雇用を活用
老後も働き続けることで、年金に頼らず収入を確保することが可能です。近年では「リタイア後に週2〜3日だけ働く」というスタイルも一般的になっています。
老後の生活費のリアルな内訳とは?
総務省統計局の「家計調査」によると、65歳以上の単身無職世帯の月間消費支出の平均は以下のようになっています。
項目 | 金額(円/月) |
---|---|
食費 | 40,000 |
住居費 | 13,000(持ち家) |
光熱費 | 11,000 |
通信費 | 7,000 |
健康・医療費 | 12,000 |
娯楽・交際費 | 10,000 |
その他 | 15,000 |
合計 | 約108,000円 |
持ち家があれば住居費は抑えられますが、光熱費や医療費が増える可能性があります。また、趣味や旅行などにお金をかける場合は、さらに多くの資金が必要になります。
参考:総務省統計局「家計調査」
おひとりさまの老後資金、必要ないって本当?
「老後資金は必要ない」という考えを耳にすることがありますが、これは本当に正しいのでしょうか?結論から言うと、多くの人にとって老後資金は必要です。
ただし、一部のケースでは「ほとんど必要ない」と言える場合もあります。
その条件について詳しく解説します。
【老後資金が不要なケース】
-
年金だけで生活費がまかなえる
例えば、公的年金の受給額が月20万円以上あり、最低限の生活費でやりくりできる場合、追加の老後資金はほぼ不要になります。 -
リタイア後も収入がある
年金以外にも家賃収入、不労所得、副業などがあり、毎月安定したキャッシュフローがある場合、貯蓄を切り崩さずに生活できる可能性があります。 -
医療・介護費用の負担がほぼない
健康保険や民間の医療保険、介護保険を活用し、将来の医療費負担を抑えられる人は、まとまった貯蓄が不要なこともあります。
【老後資金が必要な理由】
一方で、ほとんどの人は次の理由から老後資金が必要になります。
-
年金だけでは生活費が足りない(特に女性の年金額は低め)
-
予想外の支出が発生する(医療費、介護費、修繕費など)
-
インフレによる生活費の上昇
-
余裕のある生活を送りたい(旅行や趣味、友人との交流など)
おひとりさまの老後資金については、最低限の生活費だけでなく、ゆとりを持って生活できるかをシミュレーションすることが重要です。
女性一人暮らしの老後資金シミュレーションのポイント
女性の老後資金シミュレーションをする際には、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
女性は長生きする
厚生労働省の「令和3年簡易生命表」によると、日本人女性の平均寿命は87.57歳、男性は81.47歳です。女性は男性よりも長生きする傾向にあるため、その分老後資金の準備期間も長くなります。
収入の差と年金の受給額
一般的に、女性は男性に比べて生涯年収が低い傾向にあります。結果として、受け取る公的年金の額も少なくなるため、早い段階から老後資金の積み立てを意識することが重要です。
介護・医療費のリスク
高齢になると医療費や介護費がかかる可能性が高くなります。公的介護保険制度があるとはいえ、自己負担額が必要になることを考慮して資金を準備することが大切です。
【シミュレーションのポイント】
-
現時点での貯蓄額を把握する
-
毎月の生活費を試算する(家賃・光熱費・食費など)
-
ねんきんネットで将来の年金額をチェックする
-
医療・介護費用の備えを計算する
-
不足する分を貯蓄・投資で補うプランを立てる
おひとりさまの場合、「収入の柱が年金のみ」になりやすいため、計画的な貯蓄や運用がより重要になります。
老後資金を増やすための資産運用と投資のコツ
老後資金を増やすには、貯蓄だけではなく資産運用も考慮するのが賢明です。
ただし、年齢によって適した運用方法が異なるため、ポイントを押さえて取り組みましょう。
つみたてNISA・iDeCoを活用する
-
つみたてNISA:年間40万円まで非課税で運用でき、長期的に資産を増やせる
-
iDeCo:掛金が全額所得控除になり、節税しながら老後資金を準備できる
分散投資でリスクを抑える
投資をする際は、国内外の株式・債券・不動産などに分散することでリスクを軽減できます。
定期的にポートフォリオを見直す
若い頃はリスクを取って成長資産(株式中心)に投資し、60代以降は安定資産(債券・定期預金)にシフトすると安心です。
ライフプランシミュレーションを自分でやる方法
老後資金のシミュレーションをするには、次の手順で進めるとスムーズです。
-
現在の資産と収入を把握する
貯蓄額、投資額、年収、退職金などをリストアップします。 -
老後の生活費を見積もる
毎月の支出(食費・家賃・光熱費・医療費など)を計算し、必要な資金を算出します。 -
年金の試算をする
ねんきんネットを利用して、公的年金の受給額を確認します。 -
資産運用のシミュレーションを行う
つみたてNISAやiDeCoを活用した場合の資産推移を試算し、老後資金の準備状況を確認します。
無料で使える老後資金シミュレーションツールとは?
老後資金のシミュレーションをする際に、無料で使える便利なツールを紹介します。
-
金融庁「ライフプランシミュレーター」(公的機関)
→ シンプルな操作で老後資金の推移をグラフで確認可能 -
JAバンク「老後資金シミュレーション」
→ 簡単な入力で老後に必要な資金を試算できる -
マネーフォワードのライフプラン機能
→ 家計簿アプリと連携しながら資産計画が立てられる
無料で利用できるツールを活用すれば、誰でも手軽に老後資金のシミュレーションができます。
エクセルで老後資金シミュレーションをする方法
エクセルを使って老後資金シミュレーションを行うと、自分に合った詳細な試算が可能になります。
無料のシミュレーターやアプリは便利ですが、細かいカスタマイズができない場合もあります。
エクセルなら、自分のライフスタイルに合わせた計算が自由にできるので、特に老後資金をしっかり管理したい人にはおすすめです。
ここでは、エクセルを使った老後資金シミュレーションの具体的な作成手順を解説します。
【手順①】基本データの入力(現在の資産・収入・支出)
まず、エクセルのA列に「項目」、B列に「金額」として、現在の資産や収入・支出のデータを入力します。
項目 | 金額(円) |
---|---|
現在の貯蓄額 | 5,000,000 |
退職金(見込み) | 10,000,000 |
年金受給額(年間) | 2,400,000 |
生活費(月額) | 200,000 |
固定資産税(年間) | 100,000 |
医療費・介護費(年間) | 200,000 |
その他(交際費・娯楽費) | 100,000 |
→ 現在の状況を把握するため、できるだけ細かく記入することがポイントです。
【手順②】老後の年間収支を計算する(年次表の作成)
次に、年ごとの収支を計算するシートを作成します。エクセルの数式を使って自動計算できるように設定すると、より便利になります。
年齢 | 収入(年金+退職金) | 支出(生活費+税金等) | 年間収支(収入-支出) | 資産残高 |
---|---|---|---|---|
65歳 | 2,400,000 | 3,000,000 | -600,000 | 14,400,000 |
66歳 | 2,400,000 | 3,000,000 | -600,000 | 13,800,000 |
67歳 | 2,400,000 | 3,200,000 | -800,000 | 13,000,000 |
68歳 | 2,400,000 | 3,400,000 | -1,000,000 | 12,000,000 |
69歳 | 2,400,000 | 3,500,000 | -1,100,000 | 10,900,000 |
→ 「年間収支(D列)」は、=B2-C2
のように計算式を入れ、自動計算できるようにします。
→ 「資産残高(E列)」は、=E2+D3
として、前年の資産に収支を加えた額を算出します。
💡 ポイント:支出は年齢が上がるごとに増える傾向があるため、インフレや医療費の増加を考慮しながら数値を入力することが大切です。
【手順③】老後の資産が何歳まで持つか試算する
「資産残高」がマイナスにならないかをチェックします。
例えば、85歳時点で資産が残っているかどうかを確認し、不足するようなら、以下の対策を考えます。
-
生活費を見直して支出を減らす
-
年金の繰り下げ受給を検討する(年金額を増やす)
-
資産運用(投資・NISA・iDeCoなど)を加える
エクセルのグラフ機能を使って、資産残高の推移を視覚化すると、よりわかりやすくなります。
📈 資産推移グラフの作成方法
-
E列(資産残高)を選択し、「挿入」→「折れ線グラフ」を選ぶ
-
グラフのタイトルを「老後資産推移」にする
-
横軸を年齢(65歳〜100歳)、縦軸を資産残高に設定する
【手順④】シミュレーションの応用(投資・NISA・iDeCoを考慮)
老後資金を増やすために、投資を考慮したシミュレーションも可能です。
例えば、年5%の運用利回りを仮定して、資産が増える計算を追加できます。
「資産残高」の計算式に、=E2+D3+(E2*5%)
のように「年間の運用収益」を加えます。
年齢 | 収入 | 支出 | 年間収支 | 資産残高(運用あり) |
---|---|---|---|---|
65歳 | 2,400,000 | 3,000,000 | -600,000 | 14,400,000 |
66歳 | 2,400,000 | 3,000,000 | -600,000 | 14,070,000 |
67歳 | 2,400,000 | 3,200,000 | -800,000 | 13,250,000 |
68歳 | 2,400,000 | 3,400,000 | -1,000,000 | 12,113,000 |
69歳 | 2,400,000 | 3,500,000 | -1,100,000 | 10,918,650 |
💡 ポイント:運用利回りを3%・5%・7%など複数のシナリオで試すと、より現実的な計画が立てられます。
【手順⑤】エクセルシートを保存し、定期的に更新する
老後資金のシミュレーションは、定期的に見直すことが大切です。
例えば、以下のタイミングで更新するとよいでしょう。
-
ボーナスや昇給があったとき
-
投資成績が変動したとき
-
生活費が増減したとき
エクセルシートをクラウド(Google Drive、OneDriveなど)に保存しておくと、PC・スマホの両方で管理しやすくなります。
夫婦の老後資金シミュレーション
夫婦で老後を迎える場合、おひとりさまとは異なる視点で老後資金の準備が必要です。
二人分の生活費や医療費を考慮しながら、必要な資金を具体的にシミュレーションしていきましょう。
ここでは、夫婦の老後資金の目安やシミュレーション方法、具体的な準備のステップについて詳しく解説します。
夫婦の老後資金の目安
老後資金の基本的な考え方
夫婦の老後資金の目安は、生活費・公的年金・退職金・医療費・介護費などを総合的に計算する必要があります。特に、二人で生活する場合は、単身世帯よりも支出が増える一方で、夫婦共に公的年金を受給できるため、収入も増える可能性があります。
必要な老後資金の目安(最低額・ゆとり額)
夫婦二人が必要とする老後資金の目安は、生活レベルによって異なります。
生活レベル | 必要な老後資金(65歳~90歳まで) |
---|---|
最低限の生活(基本的な生活費のみ) | 約2,000万円~2,500万円 |
平均的な生活(一般的な生活費+多少のレジャー) | 約3,000万円 |
ゆとりのある生活(旅行・趣味・高品質な医療) | 約4,500万円~6,000万円 |
*この金額は、総務省統計局「家計調査」のデータをもとにした試算です。
持ち家所有の夫婦の老後資金はいくらあれば足りる?
持ち家がある場合の支出の特徴
持ち家を所有している夫婦の場合、老後の住居費の負担は軽減される可能性がありますが、以下のような固定費の発生を考慮する必要があります。
-
固定資産税(年間5万円~20万円)
-
住宅ローン(完済していない場合)
-
修繕費(老朽化した家のメンテナンス)
必要な老後資金の試算
生活レベル | 必要な老後資金(持ち家所有) |
---|---|
最低限の生活 | 約2,300万円 |
一般的な生活 | 約3,500万円 |
ゆとりのある生活 | 約5,000万円~6,500万円 |
持ち家がある場合、家賃の支払いは不要ですが、老朽化によるリフォーム費用やメンテナンス費用が必要になります。
リフォームのタイミングを計算に入れて、計画的に資金を準備することが重要です。
老後資金シミュレーション、おすすめの方法は?
老後資金のシミュレーションをするには、以下の3つの方法があります。
金融庁の「ライフプランシミュレーター」
公的機関が提供するツールで、年収・支出・退職金・年金などを入力して将来の資金計画をシミュレーションできます。
ねんきんネット(日本年金機構)
自身の年金額の試算を行い、老後の収入のベースを確認するのに役立ちます。
エクセルや専用アプリでの試算
エクセルを活用して、老後の資産推移を計算することで、個別の事情に合わせた詳細なシミュレーションが可能です。
老後資金の準備はいつから始めるべき?
結論:老後資金の準備はできるだけ早く始めるのが理想です。
一般的に、30代から老後資金の準備を開始するのがベストとされています。
年齢別の老後資金準備戦略
年齢 | 具体的な準備方法 |
---|---|
30代 | つみたてNISA・iDeCoを活用し、資産形成を開始 |
40代 | 貯蓄を増やし、資産運用の見直しを行う |
50代 | 退職金のシミュレーションを始め、資産配分を調整 |
60代 | 老後の生活費を計算し、シミュレーションを完了 |
老後資金の準備が遅くなるほど負担が大きくなるため、早い段階で少しずつ積み立てをすることが重要です。
老後の生活費は本当に23万円で足りるのか?
「老後の生活費は月23万円で足りる」とよく言われますが、これはあくまで平均値です。
項目 | 金額(円/月) |
---|---|
食費 | 65,000 |
住居費 | 13,000(持ち家の場合) |
光熱費 | 18,000 |
通信費 | 8,000 |
医療費 | 20,000 |
娯楽・交際費 | 30,000 |
雑費 | 15,000 |
合計 | 約23万円 |
ですが、これはあくまで「標準的な家庭」の話であり、趣味や旅行、介護費用を加味すると、さらに資金が必要になるケースも多いです。
夫婦二人でゆとりある老後生活を送るためのシミュレーション
「ゆとりある老後」とは、旅行や趣味、健康維持に必要な費用を含めた生活です。
ゆとりある老後資金の目安
-
旅行(年2回 国内・海外旅行) → 年間50万円
-
趣味(ゴルフ・習い事・文化活動) → 年間30万円
-
車の維持費(買い替え含む) → 年間40万円
合計すると、ゆとりある老後には年間120万円ほどの追加費用が必要になります。
退職金を活用した老後資金のシミュレーション
退職金は、一括受け取りと年金形式での受け取りの2種類があります。
一括受け取りの場合、運用に回すことで資産を増やすことも可能です。
受け取り方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
一括受取 | 運用可能・すぐに使える | 税負担が発生 |
年金受取 | 税制優遇あり | 受け取り期間中に死亡した場合リスクあり |
受け取り方法をシミュレーションし、自分に合った方法を選択することが大切です。
老後資金5000万円で夫婦二人は足りるのか?
「5000万円の貯金があれば老後は安泰」とよく言われますが、これは本当に十分なのでしょうか?
結論として、夫婦二人で老後30年間を生きる場合、生活スタイルによって5000万円で足りるかどうかは変わります。
ここでは、5000万円の老後資金で何年暮らせるのか、どのように資金を使えば安心できるのかを具体的にシミュレーションしていきます。
5000万円で生活できる年数をシミュレーション
夫婦二人の老後資金として5000万円があった場合、どの程度の期間生活できるか試算してみましょう。
ケース1:月23万円の生活を想定(一般的な老後)
年齢 | 年間支出(万円) | 収入(年金)(万円) | 取り崩し額(万円) | 残り資産(万円) |
---|---|---|---|---|
65歳 | 276 | 260 | 16 | 4984 |
70歳 | 276 | 260 | 16 | 4904 |
75歳 | 276 | 260 | 16 | 4824 |
80歳 | 276 | 260 | 16 | 4744 |
85歳 | 276 | 260 | 16 | 4664 |
90歳 | 276 | 260 | 16 | 4584 |
このケースでは、夫婦の年金収入が合計月22万円(年間260万円)程度あると仮定しています。
その場合、年間の生活費276万円に対して、16万円だけ貯蓄から補填すればよい計算になり、90歳時点でも4500万円以上の資産が残ることになります。
ケース2:月30万円の生活を想定(ゆとりある老後)
年齢 | 年間支出(万円) | 収入(年金)(万円) | 取り崩し額(万円) | 残り資産(万円) |
---|---|---|---|---|
65歳 | 360 | 260 | 100 | 4900 |
70歳 | 360 | 260 | 100 | 4400 |
75歳 | 360 | 260 | 100 | 3900 |
80歳 | 360 | 260 | 100 | 3400 |
85歳 | 360 | 260 | 100 | 2900 |
90歳 | 360 | 260 | 100 | 2400 |
こちらは月30万円(年間360万円)の支出を想定した場合です。
年金収入との差額100万円を毎年貯蓄から補填するため、90歳時点では約2400万円に減少します。
老後の予想外の支出を考慮する
老後資金5000万円があっても、以下の突発的な支出が発生すると、資産が急激に減る可能性があります。
-
介護費用(年間100万円~300万円)
-
住宅の修繕費(100万円~500万円)
-
医療費(大病をした場合、自己負担100万円~500万円)
-
子供・孫への援助(結婚祝い・住宅購入援助)
これらの費用を加味すると、5000万円の貯蓄だけでは安心とは言えません。
適切な資産運用や節約が必要になります。
65歳で5000万円貯金している割合は?
内閣府のデータによると、65歳以上の世帯で「5000万円以上の金融資産を保有している割合」は約7.5%とされています。
65歳以上の金融資産別の割合(総務省統計)
貯蓄額 | 割合 |
---|---|
500万円未満 | 20% |
500万~1000万円 | 18% |
1000万~2000万円 | 22% |
2000万~3000万円 | 15% |
3000万~5000万円 | 17% |
5000万円以上 | 7.5% |
つまり、5000万円を持っている65歳の人は、上位7.5%に入る富裕層に分類されます。
老後資金が足りない場合の対策とシミュレーション
老後資金が足りない場合は、以下の方法でカバーすることができます。
年金の繰り下げ受給
年金の受給開始を70歳に遅らせると、受給額が42%増加します。
生活費を見直す
- 外食を減らし、食費を見直す
- スマホの格安プランに変更
- 車を手放し、公共交通機関を活用する
シニア雇用や副業で収入を確保
65歳以降も、週2~3日のパートやフリーランスの仕事をすることで、年間100万円程度の収入を得ることが可能です。
ライフプランシミュレーションで見えるお金の流れ
ライフプランシミュレーションをすると、以下のような資金計画が可視化できます。
年齢 | 年間収入 | 年間支出 | 資産推移 |
---|---|---|---|
65歳 | 260万円 | 300万円 | 5000万円 |
70歳 | 260万円 | 310万円 | 4500万円 |
75歳 | 260万円 | 320万円 | 4000万円 |
80歳 | 260万円 | 330万円 | 3500万円 |
このように、支出と収入のバランスを可視化し、不足分をどう補うかを考えることが重要です。
キャッシュフロー表を作成できるおすすめのアプリは?
老後資金を管理するには、キャッシュフロー表を作成できるアプリが便利です。
おすすめのアプリを紹介します。
マネーフォワード ME(無料/有料あり)
- 銀行口座・クレジットカードと連携し、収支を自動記録
- 老後の資産推移を可視化
JAバンク「老後資金シミュレーション」
- 簡単な入力で、老後の生活費の推移を試算
日本FP協会「ライフプラン診断」
- 資産計画をシミュレーションできる無料ツール
よくある質問Q&A10選
Q1. おひとりさまの場合、老後資金はどのくらい必要ですか?
A. おひとりさまは生活費・医療費・介護費・住居費をすべて一人で負担するため、十分な資金準備が必要です。
【おひとりさまの老後資金シミュレーション(65歳~90歳)】
生活レベル | 必要な老後資金 |
---|---|
最低限の生活 | 約2000万円 |
一般的な生活 | 約2500万円~3000万円 |
ゆとりある生活 | 約4000万円~5000万円 |
特に独身女性は長生きする傾向があるため、90歳以降の生活費や医療・介護費を考慮した資金計画が重要です。持ち家の有無や年金受給額によって必要な資金は大きく変わるため、個別にシミュレーションを行うことをおすすめします。
Q2. 夫婦の老後資金の目安はいくらですか?
A. 夫婦二人の場合、生活費は単身世帯よりも増えますが、公的年金を二人分受給できるため、老後資金の負担はやや軽くなる傾向があります。
【夫婦の老後資金シミュレーション(65歳~90歳)】
生活レベル | 必要な老後資金 |
---|---|
最低限の生活 | 約2500万円~3000万円 |
一般的な生活 | 約3500万円~4000万円 |
ゆとりある生活 | 約5000万円~6000万円 |
持ち家がある場合、住宅費の負担は軽減されますが、修繕費や固定資産税が必要です。また、賃貸住まいの場合は、家賃の負担があるため、さらに数百万円~1000万円程度の追加資金が必要になる可能性があります。
Q3. 老後資金のシミュレーションにおすすめの方法はありますか?
A. 老後資金を正確にシミュレーションするためには、公的機関のツールや専門的なアプリの活用が有効です。
✅ 金融庁の「ライフプランシミュレーター」(無料で使え、年金や生活費の計算が可能)
✅ ねんきんネット(日本年金機構)(将来の年金受給額をシミュレーションできる)
✅ マネーフォワード ME(家計管理と連携しながら老後資金を試算)
✅ エクセルでの試算(細かいシミュレーションができるが、手間がかかる)
特に、金融庁のライフプランシミュレーターは公的データを元に計算できるため、精度が高く信頼性があります。
Q4. 独身女性が老後資金を準備するための資産運用のおすすめはありますか?
A. 独身女性の老後資金準備には、貯蓄だけでなく資産運用を取り入れることが有効です。
✅ つみたてNISA(年40万円まで非課税で運用可能)
✅ iDeCo(個人型確定拠出年金)(節税しながら老後資金を準備できる)
✅ 国債・社債(低リスクで資産を守りながら運用)
例えば、月3万円をつみたてNISAで運用し、年5%のリターンを得ると、30年後には約2500万円に増える可能性があります。これにより、老後の資金不足リスクを軽減できます。
Q5. 5000万円の老後資金があれば安心できますか?
A. 一般的には5000万円の貯蓄があれば安心と言われますが、生活費や医療・介護費の増加を考慮する必要があります。
【5000万円のシミュレーション】
- 夫婦で月30万円の生活 → 約30年間持続可能
- おひとりさまで月20万円の生活 → 約40年間持続可能
ただし、インフレや予想外の出費が発生すると資金が減るため、資産運用や年金繰り下げ受給の活用が推奨されます。
Q6. 老後の生活費は本当に23万円で足りるのですか?
A. 月23万円というのは全国平均の話で、実際の生活費はライフスタイルによって変わります。
【老後の生活費シミュレーション】
項目 | 持ち家 | 賃貸 |
---|---|---|
生活費(食費・光熱費等) | 15万円 | 15万円 |
住居費 | 1万円(固定資産税等) | 7万円(家賃) |
医療費 | 1万円 | 1万円 |
交際・趣味 | 5万円 | 5万円 |
合計 | 22万円 | 28万円 |
持ち家があれば、月23万円程度で生活可能ですが、賃貸住まいの場合は家賃負担が加わるため、30万円程度必要になることもあります。
Q7. 老後資金が足りない場合、どうすればいいですか?
A. 老後資金が足りない場合、以下の方法で対策できます。
✅ 年金の繰り下げ受給(70歳まで繰り下げると受給額が42%増加)
✅ 生活費の見直し(通信費、保険料の削減)
✅ 資産運用の活用(つみたてNISA・iDeCoで長期的に資産を増やす)
✅ シニア雇用で収入を得る(週2~3日のパート・フリーランスで補填)
Q8. 65歳で5000万円貯めている人の割合はどのくらいですか?
A. 65歳時点で5000万円以上の資産を持っている人は、全体の7.5%程度とされています。これは金融広報中央委員会の調査によるデータであり、老後資金を5000万円以上準備できている人はごく一部であることがわかります。
【65歳以上の金融資産別の割合(金融広報中央委員会データ)】
貯蓄額 | 割合 |
---|---|
500万円未満 | 20% |
500万~1000万円 | 18% |
1000万~2000万円 | 22% |
2000万~3000万円 | 15% |
3000万~5000万円 | 17% |
5000万円以上 | 7.5% |
このデータからもわかるように、65歳で5000万円以上の貯蓄がある人は少数派です。
そのため、老後資金の確保には、貯蓄と資産運用の組み合わせが必要と言えるでしょう。
Q9. 退職金を活用した老後資金のシミュレーション方法は?
A. 退職金を受け取る際には、一括受取・年金受取・運用の3つの方法を考える必要があります。
【退職金の受取方法別のメリット・デメリット】
受取方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
一括受取 | すぐに自由に使える | 一度に大きな税負担がかかる可能性あり |
年金形式 | 毎月の生活費の補填に使える | 受給期間中に死亡すると総額が減るリスク |
資産運用に回す | 増やせる可能性がある | 元本割れのリスクあり |
例えば、2000万円の退職金を一括受取し、年3%の運用利回りで運用すると、30年間で約4800万円に増やせる可能性があります。
ただし、投資にはリスクがあるため、安定した資産形成を目指す場合は、定期預金や国債などの安全資産と併用することが推奨されます。
Q10. 老後資金を計画するためのキャッシュフロー表を作成できるおすすめのアプリはありますか?
A. 老後資金の計画を立てる際には、キャッシュフロー表を作成できるアプリを活用すると便利です。
✅ マネーフォワード ME(無料/有料あり)
・銀行口座・クレジットカードと連携し、収支を自動記録
・老後資金の試算も可能
✅ JAバンク「老後資金シミュレーション」
・公的年金額や全国平均の生活費データと比較しながら試算できる
✅ 日本FP協会「ライフプラン診断」
・資産計画をシミュレーションできる無料ツール
特に、マネーフォワードMEは自動で収支を記録し、老後の資産推移を可視化できるため、老後資金の計画を立てるのに役立ちます。
おひとりさま・夫婦の老後資金シミュレーション!おすすめのシミュレーターは?のまとめ
最後にこの記事のポイントをまとめました。
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