
本記事は、インド株への投資を検討している方に向けて、今注目されているおすすめ銘柄や人気のETF、そして投資信託を通じた運用方法まで幅広く解説します。2025年現在、一部では「インド株はバブルではないか?」との声もあり、下落理由や今後のリスクを見極めることがますます重要になっています。

この記事では、そうした懸念を含めて、インド株の魅力と注意点をバランスよく整理し、個人投資家が取るべき戦略をわかりやすくお伝えします。
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インド株のおすすめ銘柄や注目セクターを具体的に解説
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人気のインド株ETFと投資信託の違いや選び方がわかる
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インド株がバブルと言われる理由や下落リスクを整理
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投資初心者でも実践できるインド株の分散・リスク管理戦略
インド株のおすすめ銘柄は?
今インド株が注目される背景とその成長性
インド株が世界中の投資家から注目を集めている最大の理由は、「人口動態」と「経済成長率」にあります。
インドは2023年に人口で中国を抜き、世界最多となったと推定されています。
その若い労働力を背景に、インド経済は今後も年率6〜7%の成長が期待される新興国です。
さらに、インフラ整備やデジタル化が進み、スタートアップやテクノロジー分野でも急成長を遂げています。
インド政府は外国直接投資(FDI)の受け入れに積極的で、多国籍企業の製造拠点がインドにシフトしている点も追い風です。
このような構造的な成長が期待できる中で、インド株式市場は10年以上の長期視点で安定成長が見込める有望な投資先として見られています。
実際、2022〜2023年の世界市場が軟調だった局面でも、インド株は底堅い推移を示しました。
インド株で狙いたいおすすめセクターとは?
成長市場への投資では、個別株よりもまず「セクター選定」が非常に重要です。
インド株で特に注目されるセクターは以下の通りです。
セクター名 | 注目理由 |
---|---|
IT・テクノロジー | インフォシスやTCSに代表されるように、世界規模のITサービスを提供 |
金融 | 銀行の普及率がまだ低く、フィンテック需要も成長中 |
インフラ・建設 | 都市化・道路整備・住宅開発が急速に進展 |
消費関連 | 若年層の増加による中間層の拡大と消費需要の伸び |
医薬品・ヘルスケア | 欧米向けジェネリック医薬品輸出や医療インフラ整備 |
たとえば、ITセクターではTCS(Tata Consultancy Services)やInfosysが、欧米企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を担っており、外貨収入と国際競争力を併せ持つ点で非常に魅力的です。
一方、金融セクターはインド最大手のHDFC BankやICICI Bankが代表格。都市部だけでなく地方でも金融サービスの需要が高まっており、銀行のリーチ拡大と収益性改善が並行して進むという点が特徴です。
長期投資に向いているインド株の個別銘柄
個別銘柄に投資する際には、成長性・安定性・国際展開・為替耐性など複数の視点が必要です。
以下は長期投資の観点から注目されるインド企業の代表例です。
銘柄名 | 業種 | ポイント |
---|---|---|
Infosys | ITサービス | グローバルにITアウトソーシングを展開、利益率が高い |
HDFC Bank | 銀行・金融 | インド最大手の民間銀行で、安定した収益構造を持つ |
Reliance Industries | エネルギー・小売・通信 | 多角化経営で成長セクターを広くカバー |
Tata Motors | 自動車 | 英Jaguar Land Roverを傘下に持ち、EV事業でも注目される |
Dr. Reddy’s Laboratories | 医薬品 | 欧米向けジェネリック供給で強み |
これらの企業は、国際展開の強さと国内市場での優位性を兼ね備えた銘柄であり、通貨リスクを分散しながら中長期で成長を享受しやすい点が魅力です。
また、個別株は流動性や情報の把握に一定の知識が求められますが、基本的な決算情報・PER・ROEなどのファンダメンタルズ分析で割高感やリスクを判断しやすくなります。
短期成長を期待できるインドの中小型株とは?
長期的な視点では大型株が安心ですが、短期の値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うなら中小型株への投資も選択肢になります。
特にインドの新興企業や成長セクターに属する企業は、成長スピードが速く、材料が出れば急騰する可能性があります。
中小型株の中で注目されるのは以下のような分野です。
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再生可能エネルギー関連(太陽光・水素)
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電気自動車(EV)部品メーカー
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農業テクノロジー(AgriTech)
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eコマース・物流
例えば、Adani Green Energyは再生可能エネルギー分野で急成長中の企業で、カーボンニュートラル政策の追い風を受けて業績が拡大しています。
また、Delhivery(インドの物流テック企業)はeコマースの発展と共に注目されており、上場後に急騰した実績もあります。
ただし中小型株は以下のようなリスクも並走します。
よって、資産全体のごく一部にリスク許容度を踏まえて投資することが現実的なアプローチです。
米国上場のインド関連ADRで注目の銘柄
日本からインド株に投資する手段のひとつとして、「米国市場に上場しているインド企業のADR(American Depositary Receipt)」を活用する方法があります。
ADRを通じて、米ドル建てでインド株を買えるため、為替面や流動性の点でも優れています。
以下は、米国市場で買える代表的なインド株ADRです。
銘柄名 | ティッカー | 業種 | 特徴 |
---|---|---|---|
Infosys | INFY | ITサービス | 米企業との取引が多く、ドル建て収益比率が高い |
Wipro | WIT | ITコンサル | 多国籍企業向けのIT・BPOサービスが主力 |
ICICI Bank | IBN | 金融 | 国内外にネットワークを持つ民間大手銀行 |
Tata Motors | TTM | 自動車 | EV・プレミアム路線に強み、米欧でも事業展開 |
HDFC Bank | HDB | 銀行 | 信用度が高く、中間層向けローン事業が強い |
これらのADRは米国の証券口座(SBI証券、マネックス証券など)でも購入可能です。
日本の祝日でも取引できる点や、情報開示が英語で行われるなど、透明性が高いというメリットもあります。
ADRを活用することで、NISAには対応できないものの、「米国株投資の延長線上でインド市場に参加できる」魅力があります。
SBI証券・楽天証券で買えるインド株のおすすめ銘柄
インド株に興味があっても「どこでどう買えばいいのかわからない」という方も多いと思います。
SBI証券や楽天証券では、インド株そのものの個別銘柄の取り扱いは限定的ですが、ETFや投資信託を通じて幅広くインド市場にアクセスすることが可能です。
以下は、主要ネット証券で取り扱っている代表的なインド株関連商品です。
証券会社 | 商品名 | 種類 | 特徴 |
---|---|---|---|
SBI証券 | SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド | 投資信託 | インド株の主要指数に連動。信託報酬は年0.693%程度 |
楽天証券 | 楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド | 投資信託 | Nifty50連動型、信託報酬0.693% |
両社共通 | iシェアーズMSCIインドETF(INDA) | ETF | 米国ETF。MSCI India指数連動、ADR含む |
両社共通 | ウィズダムツリー インド収益ETF(EPI) | ETF | PERではなく利益ベースの構成比、分配金もあり |
ネット証券を使うことで、少額(100円から)でも積立投資が可能であり、分散投資・ドルコスト平均法を活用しやすい点が魅力です。
また、NISA口座を使えば非課税でインド株関連投資信託を保有することも可能であり、長期資産形成の選択肢として非常に有効です。
インド株はNISAや特定口座で買えるのか?
結論から言うと、インド株に直接投資する個別銘柄はNISAでは買えません。
現時点では、日本の証券会社で取り扱われているインド株の多くは「米国上場のADR」か「投資信託」「ETF」といった形になります。
そして、このうち「日本籍の投資信託およびETF」であれば、新NISAや特定口座でも購入・運用が可能です。
具体的には、以下のようなケースでインド株投資が可能です。
投資対象 | 新NISA対応 | 特定口座対応 | 備考 |
---|---|---|---|
インド個別株(現地株) | × | △(一部対応) | 日本の一般的な証券会社では取扱なし |
インドADR(米国上場) | × | ◯ | 米国株扱い。為替や税制面で注意が必要 |
インド株ETF(米国ETF) | × | ◯ | INDAやEPIなどが該当 |
日本籍インド株投資信託 | ◯ | ◯ | SBI・楽天のインド株インデックス型など |
NISA枠での運用を考えるなら、日本で設定されたインド株投信が最も手軽で、少額から始められる点が魅力です。
たとえば、SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンドや、楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンドなどは、信託報酬も抑えめで、毎月積立も可能です。
なお、米国ETFやADRなどはNISA非対応となるため、特定口座や一般口座での長期保有を視野に入れる必要があります。また、為替差損益や配当課税などの税務処理にも留意しましょう。
インド株の個別株よりETFが選ばれる理由とは?
インド株投資において「ETFが人気」である理由は大きく3つあります。
①個別株のリスクを回避しつつ分散できる、②購入・保有が簡単である、③情報の非対称性に強いという点です。
分散投資でリスクを低減
インド市場は成長が期待される一方で、個別企業のボラティリティ(値動きの激しさ)が非常に大きい傾向があります。ETFは複数の銘柄に自動的に分散されているため、1社の決算ミスや不祥事で資産が大きく毀損するリスクを避けられます。
商品選定・購入がシンプル
たとえば、楽天証券やSBI証券で「インド株 ETF」と検索すれば、信託報酬の比較やパフォーマンス履歴が一覧で確認できます。個別株のように財務諸表や英語の決算資料を深く読み込む必要がないため、初心者にも取っつきやすいのが大きな魅力です。
情報格差に対抗しやすい
インド企業の決算情報は英語やヒンディー語で開示されることが多く、情報取得がハードルになります。その点、ETFはインデックスに連動するため、個別のニュースや企業分析を細かく追う必要がないのです。投資判断が明確でシンプルになり、心理的なブレも抑えられます。
特に以下のETFが代表的です。
ETF名 | 上場市場 | 主な連動指数 | 特徴 |
---|---|---|---|
iShares MSCI India ETF(INDA) | 米国 | MSCI India | 時価総額加重で大型株中心 |
WisdomTree India Earnings ETF(EPI) | 米国 | Earnings Weighted | 利益ベース構成。バリュー寄り |
楽天インド株Nifty50インデックス | 日本 | Nifty50 | 国内からNISAでも買える |
ETFは投資初心者にも扱いやすく、長期・分散・積立といった王道の運用に適しているため、「最初の一歩」として非常に合理的な選択肢です。
インド株のバブル懸念と下落理由!注目ETFのまとめ
インド株はなぜバブルと言われるのか?PERやPBRの視点
インド株が「バブルではないか?」と指摘される背景には、株価が実体経済や企業利益と比べて過剰に上昇しているように見えるという点があります。
これを判断する代表的な指標がPER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)です。
2024年時点での代表的なインド株指数「Nifty50」の平均PERは約22〜24倍、PBRは3.5〜4倍程度とされており、これは新興国平均や日本市場と比べても高めの水準です。
指数 | PER(予想) | PBR(予想) | 備考 |
---|---|---|---|
Nifty50 | 22〜24倍 | 約3.5〜4倍 | 安定成長企業中心で割高感あり |
MSCI India | 約23倍 | 約4倍 | 外国人投資家の流入で上昇中 |
日本(TOPIX) | 約14〜16倍 | 約1.3〜1.5倍 | 割安水準 |
これらの指標から、インド株にはすでに相当な期待が織り込まれている状態といえます。
特に海外投資家の資金流入が集中しているセクターでは、割高感が際立つ場面も見受けられます。
つまり、「成長期待」は確かにあるものの、「割安だから買う」というよりは「今後も高成長を続けることを前提に買われている」という状況です。
この点がバブル懸念につながっているのです。
インド株が下落するとすればどんな理由があるのか?
インド株が下落する可能性はゼロではなく、以下のような「成長の壁や外部要因」が引き金になる可能性があります。
政治・規制リスクの高まり
インドでは政府の経済政策や投資規制の変更が株価に大きく影響します。
例えば、外国人投資家への課税強化や資本規制などが発表されると、一気に海外資金が引き揚げられる恐れがあります。
米国の金利上昇
インド株はグローバルマネーの流入によって支えられている面があるため、米国金利が上昇すると資金が新興国市場から米国債に移動し、インド市場から資金が流出する可能性があります。
原油価格の高騰
インドはエネルギー輸入大国であり、原油価格の高騰は経常収支や通貨ルピーに悪影響を及ぼします。ルピー安が進行すればインフレ懸念が強まり、金融引き締めや株安の圧力になります。
バリュエーション調整
前述の通り、PER・PBRの水準が高いため、少しでも市場のセンチメントが悪化すると、期待先行の株価が大きく調整されやすい状況といえます。
特に「インド株=買い一辺倒」と考えてしまうと、こうしたリスクへの備えが疎かになります。ポートフォリオに分散を持たせる、積立投資を併用するなどの対策が重要です。
投資タイミングに注意!インド株のピークはいつ来る?
「インド株が今後も上がる」と信じて一括投資をする前に、投資タイミングとバリュエーションの見極めが重要です。
特に急騰直後や海外マネーが過熱気味に流入している時期は、調整リスクが高くなる傾向があります。
過去を見ても、以下のようなタイミングでインド株は一時的な調整局面を迎えています。
年度 | 調整の背景 | 下落率(指数) |
---|---|---|
2008 | リーマンショック+資金流出 | 約-50%(Sensex) |
2013 | 米国テーパリング示唆 | 約-15% |
2020 | コロナショック | 約-30% |
2022 | インフレ+金利上昇+地政学リスク | 約-10〜15% |
インド株に限らず、新興国株は「ボラティリティ(変動率)」が高いことを前提に、下がった時も継続的に積み立てられる運用スタイルが重要です。
また、直近の過熱感を測る手法として、以下が活用できます。
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RSI(相対力指数)が70を超えていないか
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騰落レシオやMACDなどのテクニカル指標
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PER・PBRが過去平均より明らかに高いか
タイミングが読みにくい時期は、「分割購入」や「毎月積立」などでリスクを均す工夫も有効です。
インド経済の構造的な弱点とリスク要因
インド経済は高い成長率で注目を集めていますが、いくつかの構造的な弱点やリスク要因が内在しています。
これらは株価や投資信託のパフォーマンスにも影響を及ぼすため、投資判断の前提として理解しておくべきです。
インフラ未整備と格差
都市部と地方のインフラ格差は依然として大きく、物流・電力・上下水道といった基盤整備は道半ばです。これが製造業の効率化や企業収益の向上を妨げる原因となっています。
雇用の質と教育格差
若年人口が多いことは強みである一方、高スキル人材の供給が追いついていないという問題もあります。初等・中等教育の水準や地域間格差は大きく、生産性の差が経済全体に影響します。
政治的な不透明さと汚職体質
インドは民主主義国家であるものの、法整備の遅れや行政の透明性欠如、一部の汚職問題が外国人投資家の不安要素となることがあります。税制変更や突然の規制導入も過去にたびたび問題視されてきました。
経常赤字と通貨ルピーの脆弱性
原油をはじめとするエネルギー資源の輸入依存が高く、経常赤字が慢性的に続いています。これによりインフレと通貨安(ルピー下落)が同時に起きやすく、投資収益の目減りリスクにも直結します。
こうした構造的な課題が解消されない限り、インド株がどれだけ成長しても、「割安だと思って買ったのに長期で伸びない」という状況も起こり得ます。
人気のインドETF3選とそれぞれの特徴・比較
ETF(上場投資信託)は、個別株に比べてリスク分散しながら手軽に投資ができる商品です。
インド株に投資する代表的なETFを選ぶ場合、以下の3本がとくに人気です。
ETF名 | 上場市場 | ベンチマーク | 特徴 |
---|---|---|---|
iShares MSCI India ETF(INDA) | 米国 | MSCI India Index | 大型株中心のインデックス型 |
WisdomTree India Earnings ETF(EPI) | 米国 | 自社独自指標 | 利益重視のバリュー構成、配当利回り高め |
楽天・インド株Nifty50インデックスファンド | 日本 | Nifty50 | 日本円建てで買える、NISA対応 |
INDA(iShares)
ブラックロックが提供するETFで、MSCI India Indexに連動。インド市場全体を幅広くカバーする大型株中心の構成で、安定的なパフォーマンスを重視する人に適しています。
EPI(WisdomTree)
バリュー株重視の構成で、PERではなく「利益重視」での組入れ比率が特徴。高配当志向の投資家や分配金重視派には相性が良く、米国上場で流動性も高いです。
楽天・Nifty50インデックス
日本の証券会社から購入でき、NISA口座で積立可能な点が魅力です。信託報酬も抑えめで、少額からインド株の王道指数であるNifty50に連動した運用が可能です。
ETFは選び方ひとつでリターンや値動きが変わるため、「成長重視」「配当重視」「コスト重視」など投資目的に合った商品を選ぶことが重要です。
インド投資信託ランキングとおすすめできる基準とは?
2025年現在、インド株式への注目が高まるなかで、日本国内の証券会社でもインド株に投資できる投資信託が増えてきています。
ですが、選択肢が増えた分、「どれを選べば良いのか分からない」と感じている方も少なくありません。
ここでは、2025年時点で人気のあるインド株投資信託と、その比較ポイントを整理します。
【2025年最新・代表的なインド投資信託一覧】
信託報酬:約0.3138%(税込)
連動指数:Nifty50
取扱:SBI証券
低コストでインド大型株に幅広く分散投資できる定番ファンドです。
信託報酬:約0.473%
連動指数:Nifty50
取扱:楽天証券、大和証券など
信託報酬を抑えつつも成長性に期待できるバランス型インデックスファンド。
信託報酬:約1.848%
連動指数:独自運用(アクティブファンド)
取扱:楽天証券など
選別型運用で高成長企業を狙うアクティブ戦略。手数料はやや高めです。
信託報酬:約2.2%
連動指数:独自運用(アクティブファンド)
取扱:野村證券、大手各社
比較的歴史のあるアクティブ型で、長期的な上昇期待を狙う設計です。
【おすすめできる基準の考え方】
・指数連動型(インデックス)か、銘柄選定型(アクティブ)かを明確に区別すること
・NISAや積立NISA対応かどうかも確認しましょう(日本籍のファンドは対応)
・純資産総額が多いファンドは、運用の安定性に優れる傾向があります
インド株の成長ポテンシャルを取り込みつつ、長期で資産形成を目指すのであれば、まずは信託報酬の安いインデックスファンドから始めるのが安心です。
アクティブファンドは戦略次第で高リターンも狙えますが、コストとリスクのバランスをよく見極める必要があります。
楽天・SBIで選べるインド株ETFと投資信託の違い
楽天証券やSBI証券などのネット証券では、インド株に投資できる手段として「ETF」と「投資信託」の両方が用意されていますが、それぞれに明確な違いがあります。
投資スタイルや目的に応じて最適な商品を選ぶことが重要です。
項目 | ETF(上場投資信託) | 投資信託 |
---|---|---|
取引方法 | 株と同じく市場でリアルタイム売買 | 一日一回の基準価額で注文・約定 |
売買タイミング | 指値・成行で細かくコントロール可能 | 原則、翌営業日の価格で確定 |
購入単位 | 1口単位で自由(INDAなどは約4,000円前後) | 100円から積立可能(つみたてNISA対応) |
コスト構造 | 売買手数料+信託報酬(年0.6~0.9%程度) | 信託報酬中心、買付手数料はほぼ無料 |
配当(分配金) | 出るものが多い | 再投資型が多く自動で複利効果 |
NISA・積立NISA対応 | 原則非対応(ETFは通常NISA口座のみ) | 対応(日本籍のファンドはつみたてNISA可) |
たとえば、短期でタイミングを見て売買したい方はETFが向いています。
一方、長期積立で時間を味方にしたい方は投資信託が適しています。
楽天証券やSBI証券では、以下のような商品が選ばれています。
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【ETF】iShares MSCI India ETF(INDA)/WisdomTree India Earnings ETF(EPI)
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【投資信託】SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド/楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド
どちらも購入ハードルは下がっていますが、「自分がどのくらいの期間で、どのくらいの手間を許容できるか」によって選び分けるのがポイントです。
インド株に投資する際の分散戦略とリスク管理法
インド株は高成長が期待できる一方で、新興国市場特有の価格変動リスクや為替リスクも伴います。
そのため、効果的な分散とリスク管理が非常に重要です。
地域の分散
インド株だけに偏るのではなく、先進国株や他の新興国株(例えば東南アジア、ブラジルなど)と組み合わせてポートフォリオを構築することで、地域リスクを分散できます。
資産クラスの分散
株式だけでなく、債券やREIT(不動産投資信託)、コモディティ(ゴールドなど)を取り入れることで、景気サイクルや金利変動への耐性を強化できます。
時間の分散(ドルコスト平均法)
「高値掴み」や「急落リスク」を避けるために、毎月一定額を積み立てる方式(ドルコスト平均法)を使うことで、購入価格の平準化が可能です。
通貨の分散
インド株やETFはルピー建て・ドル建てが多く、日本円との為替変動が収益に影響します。米国株・日本株・外貨預金なども組み合わせて為替リスクを緩和すると安定性が増します。
投資比率の調整
インド株に全額投資するのではなく、ポートフォリオ全体の10〜20%程度に留めるのが無難です。慣れてきたら徐々に比率を調整するのが現実的です。
💡 POINT:分散=リターンを犠牲にすることではなく、「一発退場」を避けるための防御策です。長期で安定的に資産を増やすためには、「どの銘柄を買うか」以上に「どう組み合わせるか」がカギとなります。
よくある質問Q&A10選
Q1. インド株に今から投資しても遅くないでしょうか?

インド株はすでに上昇しているイメージを持たれがちですが、人口増加・都市化・インフラ整備の進展などを背景に、中長期的には成長余地が大きい市場です。特にETFや投資信託を通じた積立投資であれば、高値掴みのリスクを抑えながら参入することが可能です。
Q2. インド株のおすすめ銘柄はどう選べばいいですか?

おすすめ銘柄は「成長性」と「安定性」の両面から評価します。たとえばInfosysやHDFC Bankのようにグローバル展開かつ収益基盤が強固な企業は、初心者にも選ばれやすいです。セクターでいえばIT、金融、消費関連が注目されています。
Q3. インド株ETFと投資信託、どちらが初心者向きですか?

少額から積立可能な投資信託は、NISAとの相性もよく初心者が始めやすい仕組みです。一方でETFは売買タイミングのコントロールがしやすく、手数料も抑えられるため、ある程度慣れてきた中級者以上に向いています。
Q4. インド株は本当にバブルなのでしょうか?

インド株のPERやPBRは世界平均より高く、期待先行で買われている面もあります。利益成長が実態に追いつかない場合は調整が起こる可能性があるため、単純な「バブル」とは言えないものの、慎重な見極めは必要です。
Q5. インド株が下落する理由にはどんなものがありますか?

主な下落要因には、米国の金利上昇、原油価格の高騰、ルピー安、政治的不安定さなどが挙げられます。また、短期的には海外投資家の売りや利益確定売りも調整の一因となり得ます。
Q6. インド株はNISAで買うことができますか?

インド株の個別銘柄やADRはNISA対象外ですが、日本籍のインド株投資信託(例:SBI・楽天のNifty50型)であればNISAや積立NISAで運用可能です。長期保有前提なら非課税メリットを活かせます。
Q7. インドETFで配当が出る商品はありますか?

はい、たとえばWisdomTree India Earnings ETF(EPI)は配当重視の構成で、分配金も定期的に支払われます。逆にiShares MSCI India ETF(INDA)は分配金が少なめですが、トータルリターン重視の投資家に選ばれています。
Q8. インド投資信託で信託報酬が安い商品は?

代表的なのは、SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド(年0.693%程度)や楽天・インド株Nifty50インデックスなどです。長期投資では信託報酬が将来の運用成果に大きく影響するため、低コスト商品の選定が重要です。
Q9. インド株と中国株、今から選ぶならどちらが良い?

それぞれに特徴がありますが、政治リスクや市場の透明性の面で、インドのほうが今後の資金流入が期待されやすいという声が増えています。一方で、中国株はバリュー株が多く割安さを感じる局面もあり、併用することでリスク分散が可能です。
Q10. インド株の投資比率はどのくらいが適正ですか?

ポートフォリオ全体に占めるインド株の割合は、5〜20%程度が一般的です。高成長を取り込む一方で、新興国特有のリスクもあるため、他の資産とのバランスを取りながら配分を考えることが望ましいです。
インド株のおすすめ銘柄は?バブル懸念と下落理由!注目ETFのまとめ
最後にこの記事のポイントをまとめました。
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