【過去10年】ドル円相場どこまで下がる?ドル円買いロングのスワップポイント

ドル円相場はどこまで下がる 市場・銘柄分析

本記事は、ドル円が「どこまで下がるのか」と不安を抱えるFX初心者の方に、過去10年の相場推移や実際のスワップポイントの変化について詳しく解説しました。

スワップ収入を狙ってポジションを持ちたい方、あるいは為替リスクとのバランスに悩んでいる方にとって、実践的な判断軸を持つヒントが詰まった内容です。長期的な視点でドル円と向き合いたい方は、ぜひ参考にされて下さい。

この記事の4つのポイント
  • ドル円がどこまで下がるかの見通しがわかる

  • 過去10年のスワップポイントの推移が理解できる

  • FX初心者が注意すべきポイントが整理できる

  • スワップ収入の現実的な狙い方がわかる

  1. ドル円はどこまで下がる?過去10年の相場傾向から読み解く
    1. ドル円が150円を超えた背景と要因
    2. 円高・円安の転換点に共通するサインとは?
    3. 過去10年で最も円高だった瞬間はいつだったか?
    4. バブル・アベノミクス・コロナ…相場の節目と為替反応
    5. 下落時に現れるドル円特有のチャートパターン
    6. 「1ドル=120円」が意識される理由
    7. 直近3年の政策金利と為替の連動傾向
    8. 明日・来週の予想に振り回されない判断軸とは?
    9. ドル円の天井・底を見極めるための指標
      1. テクニカル指標
      2. ファンダメンタル指標
    10. スワップ狙いが裏目に出るケースとその背景
  2. スワップポイントの過去10年の推移と収益性の見極め方
    1. 各年ごとのドル円買いスワップの推移まとめ
    2. スワップ収入と為替差損益をどうバランスさせるか?
    3. 月10万円のスワップ収入を実現できた年とは?
    4. GMOクリック証券のスワップ履歴から見る変化
    5. 各年の米ドル金利とスワップの関係性
    6. スワップ利回りで見る通貨ペアの有利不利
    7. 長期保有とスワップ収益の“実質利回り”とは?
    8. スワップで利益が出ても損するタイミングとは?
    9. 過去のスワップ履歴に学ぶ「続けること」の強さ
    10. スワップ狙い投資のメンタル管理術
    11. よくある質問Q&A10選
    12. 【過去10年】ドル円相場どこまで下がる?ドル円買いロングのスワップポイントのまとめ

ドル円はどこまで下がる?過去10年の相場傾向から読み解く

ドル円が150円を超えた背景と要因

ドル円が150円を突破する局面は、近年の為替市場において特に注目された出来事です。

背景には、日米間の金利差拡大とそれに伴うキャリートレードの加速があります。

2022年以降、米国はインフレ抑制を目的に政策金利を急速に引き上げ、短期間で5%前後に達しました。

一方、日本は長らくゼロ金利政策を維持していたため、金利差が歴史的に開いた状態となりました。

この金利差は、米ドル買い・円売りの圧力を強め、結果としてドル円は2022年10月に一時「151.94円」という水準まで上昇しています。

これは1990年以来、約32年ぶりの高値圏であり、多くの市場参加者が驚きを持って受け止めました。

さらに、米国の経済指標が市場予想を上回るたびに「追加利上げ観測」が強まり、為替相場がそれに敏感に反応しました。

加えて、日本の当局が為替介入に慎重な姿勢を見せたことも円安を助長した一因といえます。

結論として、150円を超えた背景には、「日米の金利政策格差」と「市場心理による期待先行の動き」が重なった構図がありました。

円高・円安の転換点に共通するサインとは?

ドル円が大きく動くタイミングには、いくつかの“転換サイン”が存在します。

これを見極めることは、特にFX初心者にとって非常に重要なスキルとなります。

一つ目のサインは、「政策変更の示唆」です。FRB(米連邦準備制度理事会)や日本銀行の声明において、利上げや利下げのスタンスが変化する兆しがあると、為替は敏感に反応します。たとえば、2020年のコロナ禍ではFRBが急速な利下げを行い、それに伴いドル安・円高が進行しました。
二つ目は、「経済指標のトレンド反転」です。特に米雇用統計・CPI(消費者物価指数)・GDP成長率などが市場予想と乖離した場合、トレンドが反転するケースが多く見られます。
三つ目に挙げられるのは、「地政学リスクや突発的なイベント」です。たとえば、ウクライナ戦争や中東情勢など、リスク回避の動きが強まると円が買われやすくなり、円高に転じることがあります。

これらの“共通サイン”を事前に察知できれば、大きな値動きにも冷静に対処しやすくなります。

過去10年で最も円高だった瞬間はいつだったか?

2016年6月、ドル円相場は一時99円台まで急落しました。

これは、イギリスがEUからの離脱を決定した「ブレグジット」の国民投票結果を受けての動きでした。

当時は世界的にリスク回避ムードが高まり、安全資産としての円が一気に買われたため、ドル円が100円を割り込んだのです。

この水準は、過去10年での最安値圏のひとつであり、リスクオフ時の“円高パワー”を象徴する出来事となりました。

ブレグジットに限らず、「想定外の地政学ショックや市場不安」が一気に為替相場を動かす可能性があることを、当時の動きが証明しています。

また、これ以前にも2011年には震災直後の円高圧力により1ドル=76円台という歴史的な水準まで円高が進んだこともありますが、ここ10年間の中では99円台が最も際立った「円高の瞬間」として記憶されています。

バブル・アベノミクス・コロナ…相場の節目と為替反応

ドル円相場は過去10年の中で、複数の「節目」となる経済・政治イベントを経験してきました。

これらは単なる為替の上下ではなく、相場の方向性そのものを変える転換点となっています。

まず1980年代後半のバブル期には、円高是正を目的としたプラザ合意(1985年)が大きな転機となり、1987年には1ドル=120円近辺まで急激に円高が進行しました。

当時はドル安政策が進められ、日本企業にとって大きな輸出環境の転換点でもありました。

次に注目すべきは、2013年からのアベノミクスです。

日銀による「異次元の金融緩和」が発表され、市場では大規模な円売りが加速。

2012年末に約80円台だったドル円は、1年以内に100円を突破し、2015年には125円台まで上昇しました。

政策主導型の相場として、近年ではもっとも象徴的な円安局面でした。

そして直近の大きな節目が2020年のコロナショックです。

パンデミックにより世界中の市場が混乱し、リスク回避の動きが強まったことで、一時的に円高傾向となりました。

2020年3月にはドル円が101円台まで下落しましたが、その後は米国の金融政策転換により再び上昇トレンドへと転じました。

これらの出来事を通じてわかるのは、為替は経済や金融政策の「地殻変動」によって大きく動くということです。

短期のテクニカル分析も大切ですが、長期視点での相場の背景を知ることで、より的確な戦略を立てることができます。

下落時に現れるドル円特有のチャートパターン

ドル円が大きく下落する局面では、特有のチャートパターンが見られることがあります。

これを把握しておくことで、エントリーやリスク回避の判断に役立てることができます。

まず代表的なのが「ヘッド・アンド・ショルダー(天井型)」です。

これは上昇相場のピークで出現しやすく、真ん中が高い山、左右に低い山が並ぶ形状です。

このパターンの「ネックライン」を下に割ると、その後一気に下落することが多く、実際に2015年後半〜2016年初頭の下落局面で見られました。

次に「ダブルトップ」も警戒されるパターンです。2回高値を試すものの、更新できずに失速する形で、ドル円が過去に120円台で反転した場面などに確認されています。

さらに、急落時には「大陰線連続」のパターンも目立ちます。

これは日足チャートで大きな陰線が連続して出る現象で、ブレグジット時やコロナショック時に観測されました。

こうしたパターンは市場のセンチメントがネガティブに傾いている証拠であり、リバウンド狙いではなく“回避”を重視するべき局面といえます。

このようなチャートサインは、過去10年の実際の値動きでも繰り返し確認されており、テクニカル分析において非常に信頼性が高いと考えられています。

「1ドル=120円」が意識される理由

為替市場において、「1ドル=120円」という価格帯は過去10年間で何度も意識されてきた節目のひとつです。

この水準には、複数のテクニカル・ファンダメンタルな根拠が存在しています。

まず、チャート上の“レジスタンスライン”または“サポートライン”として機能してきた歴史があります。

例えば、2015年に125円台を記録した後、調整局面で120円付近が下値支持線となった実績があります。

また、2022〜2023年にかけての円安局面でも、120円は調整ターゲットとして意識されていました。

次に、経済的な視点から見ても、120円付近は輸出企業にとって為替差益が出やすい“採算ライン”とも言われています。

多くの日本の大手企業が想定為替レートを115~120円前後に設定しており、この水準を下回ると企業業績への影響が出始めるとされています。

さらに、日米金利差の推移や日本政府の為替介入のラインとしても、120円という水準は警戒レベルの一つに置かれることがあり、心理的にも大きな意味を持つ価格帯といえます。

こうした背景から、ドル円が下落基調にある場合、「120円が一つの分岐点」として多くのトレーダーに意識されるわけです。

直近3年の政策金利と為替の連動傾向

2022年から2024年にかけて、ドル円相場は政策金利の動向と極めて強く連動する形で推移してきました。

特にアメリカと日本の金利差が為替市場に与える影響は大きく、実際の数値とチャートの連動性からもそれは明らかです。

米国では2022年にインフレを抑制するため急速な利上げが実施され、2023年を通じて5%台の高金利を維持しました。

一方で日本はマイナス金利政策を長期にわたって継続し、ようやく2024年3月にプラス圏へ移行しています。

以下の表は、直近3年間(2022年末〜2024年末)の米・日政策金利と、ドル円の終値水準の推移をまとめたものです。

年度末 米政策金利 日本政策金利 ドル円レート(年末終値)
2022年末 4.25% -0.10% 約131円
2023年末 5.25% -0.10% 約141円
2024年末 5.00% +0.10%(※) 約144円

※2024年3月に日本銀行がマイナス金利を解除。年末までに追加利上げは行われず、+0.10%にとどまる。

上記のように、2022年〜2024年にかけて金利差はおおむね4〜5%の幅を保ち続けており、それがドル高・円安の背景になっています。

2024年末時点でも円安基調が続いたのは、日本の利上げが小幅にとどまった一方で、アメリカの高金利が継続していたためです。

投資家にとっては、この金利差のトレンドをいかに早期に読み取るかが、為替予測とスワップ収益の両面においてカギとなります。

明日・来週の予想に振り回されない判断軸とは?

FXを始めたばかりの方にとって、「ドル円は明日どう動くのか?来週は上がるのか?」という短期的な予想は非常に気になるテーマかもしれません。

ですが、実際の為替相場は思惑やニュースに左右されやすく、短期予想に過度に依存してしまうと、かえってトレード判断を誤るリスクが高くなります。

そもそも、ドル円のような主要通貨ペアでは、大口投資家・機関投資家によるヘッジ取引や中央銀行の政策判断など、一般トレーダーでは読みきれない要因が数多く存在します。

そのため、1日〜1週間の値動きを完全に当てることは、プロであっても困難です。

このような背景を踏まえると、特に初心者にとって重要なのは「予想する」のではなく「判断軸を持つ」ことです。

以下のような視点が有効です。

判断軸の例 ポイント
金利差の方向 日米金利差が拡大中か、縮小傾向かを確認
ボラティリティの水準 値動きが荒いときほどポジションは小さめに調整
サポート・レジスタンスの位置 直近の高値・安値を把握し、反発しやすい水準を把握
リスクイベントの有無 雇用統計・FOMC・日銀会合など、重要指標の前後はエントリーを慎重に行う

「未来を当てにいく」のではなく、「自分の判断基準で動く」ことこそが、長期的な損益の安定に繋がります。

ドル円の天井・底を見極めるための指標

為替相場で“天井(高値)”や“底(安値)”をピンポイントで見抜くことは非常に難しいですが、いくつかの指標を組み合わせることで、その可能性が高まるポイントを察知することは可能です。

ここでは、ドル円相場で実際に有効とされてきた複数のテクニカル・ファンダメンタル指標をご紹介します。

テクニカル指標

  • RSI(相対力指数)
    70以上で買われ過ぎ、30以下で売られ過ぎとされる。2015年の125円台や2022年の151円台では、RSIが80を超えていた場面もあり、反転の兆候となった。
  • MACD(移動平均収束拡散法)
    短期と長期の移動平均線の差異から勢いを測定。クロスや乖離幅が大きいときに相場の転換点になりやすい。
  • ボリンジャーバンド
    価格が±2σ(シグマ)を超えて推移しているときは、過熱感がある可能性。反落や反発のサインとして意識されやすい。

ファンダメンタル指標

  • 実質金利差(日米)
    単純な政策金利だけでなく、インフレ率を考慮した「実質金利差」も注視される。たとえば、米CPIが低下傾向にある中で日本のCPIが上昇すれば、円高方向への圧力が高まる可能性がある。
  • 日銀・FRBの政策会合結果や声明
    利上げ・利下げの有無だけでなく、次回の見通しやターミナルレート(最終到達金利)の示唆が出た場合は、相場の流れが一変することも。

これらの情報を1つ1つ単体で見るのではなく、「複数の指標が同じ方向を示しているか」を意識すると、天井や底の兆候をより信頼性の高いものとして捉えることができます。

スワップ狙いが裏目に出るケースとその背景

スワップポイントは「ポジションを保有しているだけで受け取れる収益」として魅力的に映りますが、それが裏目に出ることも珍しくありません。

とくに初心者の方ほど、「スワップ=安定収益」と誤解してしまうケースが見受けられます。

最も典型的なのは、スワップ以上に為替差損が大きくなってしまうケースです。

たとえば、2022年のようにドル高が進んだ年に買いポジションを保有していた場合、スワップ収入は積み上がりますが、2023〜2024年にドル円が下落すれば含み損が一気に拡大します。

仮に年間スワップが50,000円得られても、為替差損が15万円発生していれば実質の損益はマイナスです。

以下は一例です。

保有ポジション 保有期間 スワップ収益 為替差損益 合計損益
1万通貨(ドル円) 1年 +52,000円 -135,000円 -83,000円

また、長期保有による精神的・資金的な拘束も見逃せません。

スワップ収入を得るにはポジションを長期で保有する必要がありますが、その間に相場が急変した場合、即座に損切りしにくくなります。

さらに、金利政策の変化によりスワップが突然減少するリスクもあります。

米国の利下げや日本の追加利上げが発表されると、スワップ差が縮小し、これまでの前提が崩れてしまうのです。

「スワップ=低リスク高収益」とは限らないことを理解し、為替差損とのバランスを意識しながら戦略を組み立てる必要があります。

スワップポイントの過去10年の推移と収益性の見極め方

各年ごとのドル円買いスワップの推移まとめ

ここでは、過去10年間(2015年~2024年)におけるドル円ロング(買い)スワップポイントの推移を一覧にして紹介します。

GMOクリック証券の1万通貨あたりの平均日次スワップポイント(年間平均)を参考に構成しました。

年度 平均スワップ(円/日) 主な背景
2015 4〜6円 米利上げ開始前、超低水準
2016 3〜5円 利上げペース鈍化、円高傾向
2017 6〜12円 利上げ再開、スワップ上昇
2018 10〜18円 利上げ進行、ドル高傾向
2019 8〜10円 米金利安定〜利下げ局面へ
2020 1〜3円 コロナショックで金利ゼロへ
2021 2〜5円 低水準維持
2022 50〜80円 急速な利上げスタート、過去最高クラスへ
2023 120〜150円 高金利継続、スワップ益が主収益源となる
2024 150〜170円 日本もマイナス金利解除、ただし差は依然大きい

スワップポイントの水準はその年の金利政策と為替環境に大きく依存しています。

特に2022年以降は歴史的な高スワップ水準が続き、ドル円ロング派にとっては非常に収益性の高い状況でした。

一方で、こうした高スワップの時期は相場の天井に近づいていることも多く、値動きに対する慎重な判断が求められます。

スワップ収入と為替差損益をどうバランスさせるか?

FXで中長期の資産運用を考える際、スワップポイントだけに注目するのではなく、「為替差損益とのバランス」を意識することが非常に重要です。

スワップはあくまで“インカムゲイン(利息収入)”であり、為替差益は“キャピタルゲイン(価格変動収益)”という異なる性質を持っています。

ここで重要なのは、相場環境によってどちらを優先するべきかが変わるという点です。

たとえば、以下のような考え方がバランスの参考になります。

相場環境 優先戦略 理由
金利差が拡大・トレンドが明確 スワップ狙いロングポジション 長期保有で安定的にスワップが得られる
相場が不安定・転換点にある キャピタル重視、短期トレード 値動きが激しく、スワップより差損のリスク大
金利差が縮小傾向・方向感が不明 ポジション調整または様子見 スワップ効果が薄れ、どちらにも偏りにくい

また、スワップを受け取りながら為替が逆行する場面では“逆複利”のリスクがあります。

たとえばドル円が145円→135円と10円下がれば、1万通貨で10万円の含み損が発生し、スワップではとてもカバーしきれません。

ポジションを長期保有する場合は、「どこで利益を確定するか」「どこで損切りするか」といった戦略を事前に明確にしておくことが、損益の安定に大きく貢献します。

参考:GMOクリック証券

月10万円のスワップ収入を実現できた年とは?

スワップポイントで「月10万円」の収入を得るには、どの程度の資金が必要か? そして、それが可能だった年はいつか?――この問いは、スワップ運用を検討する方にとって極めて現実的なテーマです。

結論から言えば、月10万円のスワップ収入を安定的に得られたのは、2023年〜2024年の高スワップ時代です。この2年間、

米国の政策金利は5%台を維持し、GMOクリック証券では1万通貨あたりの日次スワップが120〜170円という高水準に達しました。

試算は以下の通りです。

必要ロット 1万通貨あたりスワップ 日額合計 月額合計(30日) 必要資金(目安)※
7ロット 150円 1,050円 約31,500円 約140万円
20ロット 150円 3,000円 約90,000円 約400万円
23ロット 150円 3,450円 約103,500円 約460万円

※1ドル=145円、必要証拠金はレバレッジ25倍、変動リスクを考慮し80%の実効証拠金水準で算出

このように、実際に月10万円以上のスワップ収入を得るには、最低でも400〜500万円程度の元本が必要となります。

ただし、この試算はあくまで「スワップ収入を主目的に据えた場合」のものであり、為替差損を考慮しない単純計算です。

つまり、相場が大きく逆行した場合には含み損が膨らみ、スワップ収入を打ち消すことになるため、リスク管理の徹底が前提条件になります。

GMOクリック証券のスワップ履歴から見る変化

GMOクリック証券は日本のFX業者の中でも、スワップポイントの高さと安定性で定評のあるサービスを展開してきました。

ここでは、過去数年のGMOのドル円スワップ履歴をもとに、その推移と特徴を見ていきましょう。

年間平均スワップ(1万通貨あたり)

年度 日次スワップ平均 備考
2020年 3〜5円 コロナショック後の超低金利政策
2021年 5〜8円 金利は横ばい、スワップも停滞気味
2022年 40〜80円 米利上げ開始、年間で3倍以上に増加
2023年 120〜150円 高金利本格化、過去最高水準のスワップ環境
2024年 150〜170円 スワップ最高水準が継続、日本の金利もわずかに上昇

特徴的なのは、2022年以降のスワップ急騰です。米国が急速に政策金利を引き上げたことで、スワップ水準も急上昇。

2020年比では、約30倍ものスワップ差が生まれました。

GMOクリック証券のもう一つの特長は、「スワップの安定性」にあります。

他社では日々の変動が大きいこともありますが、GMOは比較的安定したスワップ付与を行っており、長期保有に適していると評価されています。

また、ポジションを持つタイミングや日付によってスワップが何日分付くか(「付与ロジック」)も明確に開示されている点が、透明性の高さとして初心者にも安心材料となっています。

各年の米ドル金利とスワップの関係性

スワップポイントは、表面的には「FX会社ごとの設定」に見えますが、根本的には各国の政策金利差に依存しています。

特に米ドル/円においては、米国の金利動向がそのままスワップ水準に反映されやすいのが特徴です。

以下の表は、過去5年間のFRB政策金利と、それに連動するスワップの水準(GMOクリック証券での実績ベース)を並べたものです。

年度 FRB政策金利(年末) スワップ水準(日次平均)
2020 0.25% 約3円
2021 0.25% 約5円
2022 4.25% 約60円
2023 5.25% 約140円
2024 5.00% 約160円

2022年以降、米国がインフレ抑制に本腰を入れ、急ピッチで政策金利を引き上げたことにより、スワップも急上昇しました。

金利が1%上昇するごとに、スワップが10〜20円上昇するという相関が見られる時期もあります。

この関係性を理解しておくと、「スワップの今後」をある程度見通すことができます。

たとえば、今後FRBが利下げに転じる場合、現在の高水準スワップは徐々に低下する可能性があり、それに合わせて戦略を見直すことが必要です。

スワップ利回りで見る通貨ペアの有利不利

スワップポイントで収益を狙う際、どの通貨ペアが「有利」なのかを判断するために、スワップ利回りという視点が役立ちます。

これは「必要資金に対してスワップでどれだけ利回りを得られるか」を示す指標で、株式投資でいう「配当利回り」に近い考え方です。

例えば、ドル円(USD/JPY)とトルコリラ円(TRY/JPY)を比較すると、表面上のスワップ額ではトルコリラの方が大きいように見えますが、値動きの荒さや急激な金利政策変更リスクを考慮すると、ドル円の方が安定した利回りを長期間維持しやすいといえます。

通貨ペア スワップ(日) 必要資金(25倍) 年間スワップ(概算) スワップ利回り(参考)
USD/JPY 160円 約60,000円 約58,400円 約97%
TRY/JPY 220円 約15,000円 約80,000円 約533%(※)

※ただし、トルコリラは年間で10~30%以上下落することもあり、利回りを超える損失が出る可能性が高い

スワップ利回りだけを見て高い通貨を選ぶのではなく、「為替変動リスク」や「流動性」、「スプレッドの広さ」なども総合的に判断することが求められます。

長期保有とスワップ収益の“実質利回り”とは?

スワップ狙いで長期保有する場合に考えるべき指標の一つが、“実質利回り”です。

これは、スワップ収入だけでなく、含み損益・手数料・スプレッドなどすべてを含めたトータルの収益率のことです。

たとえば、ドル円を145円でロングし、1年間保有して150円になった場合、スワップ収益に加えてキャピタルゲイン(為替差益)も得られます。

その逆に、保有中にドル円が135円まで下落すれば、スワップでは補えないほどの含み損になることもあります。

保有内容 スワップ益(年間) 差損益(為替) 実質損益 実質利回り(元本比)
+5円上昇 +58,000円 +50,000円 +108,000円 約180%
-10円下落 +58,000円 -100,000円 -42,000円 約-70%

このように、「スワップはプラスなのに、実際はマイナス収支になる」というケースは十分に起こり得ます。

特にレバレッジを高くかけて運用している場合、値動きのわずかな変化が利回りを大きく左右します。

そのため、実質利回りを定期的に確認しながら、相場状況に応じてポジションサイズを調整することが長期投資では欠かせません。

スワップで利益が出ても損するタイミングとは?

「スワップで儲かっているのに、トータルでマイナスになってしまった」という経験は、FX中長期保有者には少なくありません。

これは、スワップ益と為替差損のタイミングがずれるこによって起こります。

たとえば、ドル円が高金利期(例:2023〜2024年)にスワップ狙いでロングを持っていたとします。

このときは1日150円前後のスワップを得られ、1年間保有すれば約55,000円〜60,000円の収益が見込めます。

ですが、保有していた通貨のレートが150円→135円へと15円下落していたとしたら、1万通貨あたり15万円の含み損が発生し、スワップを超える損失となってしまいます。

さらに注意したいのは、スワップの高い時期ほど相場が天井圏にある可能性が高いという点です。

実際、2022年〜2023年のドル円上昇局面では、相場が加熱する中でスワップも急上昇しましたが、その後の調整局面では含み損を抱える投資家が続出しました。

加えて、為替相場が急変するときは、スワップ条件が突如悪化することもあります。

たとえば、米国が利下げ姿勢を見せた途端にスワップが大幅に縮小すれば、前提が崩れてポジション調整が必要になります。

こうしたリスクを軽減するためには、以下のような対策が効果的です。

  • スワップだけでなく相場環境も併せて分析する
  • 必ず逆行時の損切りルールを設定しておく
  • スワップが高すぎるときは“天井警戒”のサインと捉える

過去のスワップ履歴に学ぶ「続けること」の強さ

スワップポイントによる運用の本質は、「継続することで効果が表れる」という点にあります。

短期での売買に比べ、時間を味方につけて利益を積み上げていくのがスワップ運用の基本戦略です。

たとえば、2015年〜2020年頃までは、スワップポイントは極めて低水準でした。

日米の金利差も小さく、1万通貨あたりで日々3〜6円といった時期が長く続きました。

ですが、そこでコツコツとポジションを積み増し、長期保有を続けていた投資家は、2022年以降の金利急騰により、保有資産のスワップ収益が数倍〜十数倍に膨れ上がったという現象を実際に経験しています。

これは「スワップ利回りは時期によって大きく変わる」という不確実性を含みながらも、ポジションを安定して持ち続けてきた人ほど恩恵を受けられたという好例です。

一方で、スワップ投資は短期で一喜一憂しやすい特性があります。

数日〜数週間の為替変動に振り回されて損切りや手仕舞いを繰り返すと、本来の「積み上げ型投資」のメリットを享受できなくなってしまいます。

「継続すること」「揺れないメンタルで耐えること」こそが、スワップ投資において最も重要なスキルともいえるのです。

スワップ狙い投資のメンタル管理術

スワップ投資は毎日小さなプラスを得られる反面、長期にわたる含み損や相場の停滞に耐える必要があるという難しさもあります。

そのため、利益だけでなく「メンタルの維持」も非常に大きなテーマになります。

特に以下のような局面では、感情に流されず冷静に判断することが求められます。

  • 為替が逆行し含み損が膨らんだとき
  • スワップポイントが突然下がったとき
  • ネットやSNSで他人の利益報告を見たとき
  • 長期間相場が動かず利益が停滞したとき

こうした状況でもポジションを維持し続けるためには、最初に「自分はなぜスワップ運用を選んだのか」という軸をしっかり持っておくことが重要です。

目的が曖昧だと、相場の波に流されてしまいます。

また、実際に効果的だった管理方法としては、

  • 定期的に損益を数字で記録する(可視化する)
  • 利益目標や損失許容ラインを事前に決めておく
  • 自動決済(指値・逆指値)を活用する
  • 相場を毎日見ない「距離を置く」スタイルを選ぶ

スワップ投資は“我慢の投資”とも言われますが、それは単に耐えるという意味ではなく、「計画に基づいた自己管理ができる人ほど成果を得やすい」という意味でもあります。

よくある質問Q&A10選

Q1. ドル円は今後どこまで下がる可能性がありますか?
A. 過去10年で最安値は99円台(2016年)でした。今後は日米の金利差次第で120円台まで調整する可能性もありますが、短期的な下げ予測は困難です。

Q2. スワップポイントは毎日もらえるものなのでしょうか?
A. はい、基本的にはポジションを翌日まで持ち越すことで日次スワップが発生します。ただし、業者によって付与時間や日数の扱いが異なるため注意が必要です。

Q3. ドル円のスワップポイントは今が過去10年で一番高い?
A. 2023年〜2025年初頭は過去10年で最も高水準です。1万通貨あたり150〜170円の日次スワップが付与された年は他にありません。

Q4. 初心者がスワップポイント狙いでFXを始めるのはアリですか?
A. 少額から始められ、運用イメージが持ちやすいため初心者にも向いていますが、為替差損リスクを十分理解してから始めることが大前提です。

Q5. ドル円のスワップポイントは下がることもありますか?
A. はい、米国が利下げに転じたり、日本が利上げをした場合、スワップは低下する可能性があります。実際に過去10年で何度も水準は変動しています。

Q6. スワップで月10万円稼ぐにはどれくらいの資金が必要ですか?
A. 2024年水準のスワップを前提にすると、400〜500万円程度の証拠金が必要です。ただし、為替の動きによってはこの限りではありません。

Q7. ドル円がどこまで下がるか心配なとき、どう対処すべき?
A. 下落リスクに備え、損切りラインをあらかじめ設定すること、またはポジションを小さめに調整することが有効です。

Q8. FXはレバレッジをかけない方が安全ですか?
A. 初心者の場合は、低レバレッジ(またはレバレッジなし)から始めることで、相場に慣れながらリスクを抑えることができます。

Q9. ドル円のスワップポイントで長期運用する人は多い?
A. 金利差が大きい局面では、長期でドル円を保有しスワップを得る投資家が増える傾向にあります。2022年以降、その傾向は特に強まりました。

Q10. 過去10年でFX初心者が気をつけるべき相場変動は?
A. ブレグジット(2016年)、コロナショック(2020年)、そして米国の急速な利上げ(2022年)など、突発イベント時の急変動には要注意です。

【過去10年】ドル円相場どこまで下がる?ドル円買いロングのスワップポイントのまとめ

最後にこの記事のポイントをまとめました。

  • ドル円は2022年に151円台を記録し、過去10年で最も円安が進行した年となった
  • 逆に最も円高だったのは2016年のブレグジット時で、ドル円は一時99円台まで下落した
  • ドル円がどこまで下がるかは、日米金利差と経済指標の組み合わせで左右されやすい
  • 2022年以降は高金利政策によりスワップポイントが過去10年で最も高く推移した
  • GMOクリック証券のドル円買いスワップは2024年に日次150円超という水準に達した
  • 初心者がFXを始める際にはスワップだけでなく為替差損とのバランスを重視すべき
  • 月10万円のスワップ収入には、400万〜500万円の証拠金が必要とされるケースが多い
  • スワップ狙いの運用では、急な金利変動や相場反転による損失リスクを考慮することが大切
  • 「1ドル=120円」は過去10年においてテクニカル・ファンダメンタルの節目として機能してきた
  • スワップ収益はポジションの長期保有によって最大化されるが、逆行時の対応がカギになる
  • スワップ利回りだけで通貨を選ばず、為替の変動性や流動性にも注目すべきである
  • FXの基本は短期予想に依存しすぎず、自分なりの判断軸を持つことにある

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