
本記事は、「NISAで投資信託を買ってはいけない」と言われる理由を、制度の仕組みやリスクも網羅して分かりやすく解説しました。

NISAは資産運用の強い味方ですが、正しい知識がなければ思わぬ落とし穴にはまることも。投資信託の選び方や、非課税枠をムダにしないためのポイントを、具体例を交えながら丁寧に整理していきます。これからNISAを活用しようと考えている方や、すでに始めているけれど不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
-
NISAで投資信託を買ってはいけないとされる3つの理由がわかる
-
非課税制度で損をしないための基礎知識が身につく
-
投資信託を選ぶ際に避けるべき商品が理解できる
-
自分に合ったNISAの使い方を判断できるようになる
NISAで投資信託を買ってはいけない理由とは?
理由① 損益通算ができず節税効果が薄れる
NISAで損失が出た場合は他の利益と相殺できないため、節税の面で不利になる可能性があります。
通常の課税口座では、投資で損失が出た際に「損益通算」と「繰越控除」が使えます。
たとえば特定口座で50万円の利益、別の口座で30万円の損失があった場合、税金は差額の20万円にだけ課されます。
ですが、NISA口座ではこの損益通算が一切できません。
以下の図は、NISA口座と課税口座の損益通算の違いを示したものです。
項目 | 課税口座 | NISA口座 |
---|---|---|
損益通算 | 可能 | 不可 |
繰越控除(最大3年) | 可能 | 不可 |
非課税メリット | なし | 売却益・配当が非課税 |
損が出た場合、その損失は「なかったこと」になるため、節税の選択肢を自ら狭めてしまう点は見逃せません。
NISAはあくまで利益に対して非課税という制度です。
したがって、リスクを十分に理解した上で使わなければ、逆に他の口座よりも非効率な運用になる可能性があります。
理由② 非課税期間終了後の取り扱いに注意が必要
NISA口座には「非課税期間」が設けられており、新NISAであっても最長5年または無期限のようで実質的な期限があることに注意が必要です。
非課税期間終了後は、保有していた投資信託が自動的に課税口座へ移されます。
このときの「時価」が取得価格とされ、移管後の売却益に対して課税される仕組みとなります。
以下はその具体的な例です。
投資の流れ | 金額 | 備考 |
---|---|---|
購入時の価格(NISA) | 100万円 | 非課税扱い |
5年後の評価額 | 120万円 | 非課税期間終了時点の価格 |
その後売却額 | 130万円 | 通常口座で課税対象 |
課税される利益 | 10万円 | 130万 – 120万 |
このように、「非課税で得た含み益のうち、未確定の分は将来課税対象になる」というケースが起こりえます。
つまり、NISA=永遠に非課税、というわけではなく、「いつ・どのタイミングで・どのくらい利益が出ているか」を意識しておくことが、将来的な税負担を減らすカギになります。
理由③ 投資信託の選択肢が限定されている
NISAでは、購入できる投資信託の種類に制限があります。
特に「つみたてNISA」では、金融庁が定めた長期・積立・分散に適した銘柄のみが選定対象となっています。
そのため、以下のような投資信託はNISAでは購入できません。
購入できない投資信託の例 | 理由 |
---|---|
毎月分配型ファンド | 長期運用に不向き |
信託報酬が高い商品 | コスト負担が大きい |
高リスク・短期運用型 | 資産形成目的に合わない |
これは「投資初心者を守るため」という観点では合理的ですが、一方で投資家が自由に銘柄を選ぶ裁量が狭められていることを意味します。
たとえば、新興国株式に特化したアクティブファンドやテーマ型ファンド(AI関連や脱炭素など)を戦略的に活用したい投資家にとっては、NISAの制約が大きな足かせになる可能性があります。
この制限を知らずに「NISAなら何でも非課税で自由に選べる」と思ってしまうと、後で自由度のなさに気づいて後悔することにもつながります。
「買ってはいけない」と言われる根拠を整理する
「NISAで投資信託を買ってはいけない」と言われる背景には、これまでに紹介した3つの構造的な理由が存在します。
-
損失が出ても損益通算ができないため、節税の選択肢を失う
-
非課税期間終了後の扱いが複雑で、想定外の課税が起こり得る
-
選べる投資信託が限定的で、戦略的な資産運用がしにくい
これらを十分に理解せずにNISAで投資信託を購入すると、「なんとなく非課税だからお得」と勘違いして失敗する可能性があります。
逆に、これらのルールや注意点を理解していれば、NISAは非常に有効な資産形成ツールにもなり得ます。
つまり、「買ってはいけない」のではなく、「正しく使わないと損をする」というのが本質です。
投資信託で損する人の特徴とNGな運用法
投資信託は「プロが運用してくれるから安心」と考えてしまいがちですが、必ずしもすべての投資家にとって有利な選択肢とは限りません。
特に、次のような行動パターンや考え方を持つ人は、損失を出しやすい傾向があります。
【損をしやすい人の特徴】
特徴 | 損失につながる理由 |
---|---|
短期で売買してしまう | 投資信託は長期運用向け。短期売買では価格変動に振り回されやすい |
商品の中身を理解せずに購入する | 投資対象やリスクを理解せずに選ぶと、予想外の値動きに耐えられない |
分配金ばかりを重視する | 毎月分配型ファンドは元本を取り崩す仕組みのものも多く、長期には不向き |
手数料を気にしない | 信託報酬が高いと複利効果が削られ、長期のリターンに大きな差が出る |
また、ファンド選びの際に「直近の成績が良いから」という理由だけで選ぶのもNGです。
投資信託はマーケット環境に大きく左右され、過去の成績が未来を保証するわけではありません。
適切な運用法のポイント
-
長期的な資産形成を目的とし、最低5〜10年の運用を視野に入れる
-
自分のリスク許容度に合った商品を選ぶ
-
コスト(信託報酬・購入手数料など)をしっかり確認する
-
ファンドの中身(投資対象国、資産クラスなど)を理解しておく
これらを意識するだけで、投資信託での失敗リスクは大幅に減らせます。
積立NISAで買ってはいけない銘柄の傾向とは?
積立NISAは、年間最大120万円までの投資枠で、長期・積立・分散の観点から金融庁が選定したファンドのみが対象です。
つまり、ある程度ふるいにかけられているとはいえ、それでも「避けたほうがよい銘柄」は確かに存在します。
以下に、積立NISAにおいて避けた方がよい商品タイプをまとめます。
銘柄タイプ | なぜ避けるべきか | 具体的リスク |
---|---|---|
毎月分配型ファンド | 元本を取り崩す構造が多く、複利効果を損なう | 分配金を受け取っても資産は減少している可能性 |
高コスト型ファンド | 信託報酬が高いとリターンを圧迫する | 10年後、同じ成績でも資産に数十万円の差が出る |
運用実績が極端に短い新設ファンド | 市場の変動耐性や運用方針の継続性が不明 | 実績がないため、判断材料が少ない |
テーマ型ファンド(AI、EVなど) | 市場のトレンド依存で上下が激しい | 長期保有に向かない値動きになる可能性 |
積立NISAの目的は、安定した資産形成を長期的に実現することです。
そのためには、「派手さ」や「流行り」に飛びつくよりも、地味でも手堅いファンド選びが成功のカギになります。
特に初心者の方は、以下のような点をチェックすることをおすすめします。
-
信託報酬が0.5%未満かどうか
-
純資産残高が100億円以上あるか
-
10年以上の運用実績があるか(理想)
-
インデックス型かバランス型を中心に選んでいるか
これらを基準にすることで、「買ってはいけない」投資信託を避け、失敗しない積立NISA運用につながります。
一般NISAと積立NISAで違う注意点とは?
一般NISAと積立NISAは同じ「非課税制度」でも、運用スタイル・投資対象・非課税期間などが大きく異なり、それぞれに注意点があります。
自分の投資目的に合わない制度を選ぶと、思わぬリスクや制限に直面する可能性があります。
以下の表は、両者の主な違いを比較したものです。
比較項目 | 一般NISA | 積立NISA |
---|---|---|
年間投資上限額 | 360万円(成長投資枠) | 120万円 |
投資対象 | 幅広い(個別株・ETF含む) | 一定基準の投資信託のみ |
運用スタイル | 自由に売買可能 | 積立投資(ドルコスト平均法) |
非課税期間 | 原則5年(新NISAでは無期限) | 最長20年 |
向いている人 | 中・上級者、アクティブに動かしたい人 | 初心者・長期投資向け |
一般NISAの注意点
積立NISAの注意点
どちらが良い・悪いというよりも、「自分の目的に合った制度を選ぶこと」が最大のポイントです。
老後資金をじっくり育てたいのか、成長株で高リターンを狙いたいのか、それぞれのゴールに合ったNISA活用が重要になります。
投資信託を使っても10年後に資産が増えない理由
「10年も運用していたのに、ほとんど資産が増えていない…」という声は、決して少なくありません。
これは、投資信託を「長く持っていれば勝てる」と誤解したまま始めてしまったことに原因があるケースが多いです。
主な理由としては以下の3つが挙げられます。
-
信託報酬などのコストが高い
年間1.5%の手数料は10年で15%。運用益がそれを上回らなければ、増えないのは当然です。 -
投資タイミングが偏っている
一括投資を高値圏で行ってしまうと、長期でも取り戻すのが難しくなる場合があります。 -
過度にリスクを取らない保守的な配分
債券中心の配分では、リターンも低くなり、インフレにすら負けてしまうこともあります。
以下は、年利別に10年間の資産推移を比較したシミュレーションです(元本100万円で試算)。
年平均リターン | 10年後の資産 | 備考 |
---|---|---|
1%(手数料含まず) | 約110万円 | ほぼ横ばい。実質利益はごくわずか |
3% | 約134万円 | 堅実な成長だが、手数料次第で削られる |
5% | 約163万円 | 成功例に近いが、リスク許容が必要 |
このように、たとえ長期投資であっても、「どんな商品を選ぶか」「どういう配分で投資するか」「コストをどう抑えるか」などを適切に判断しないと、10年後に資産が思うように増えていないという現象は十分起こり得ます。
投資信託は30年続けても元本割れすることがある?
「長期投資なら元本割れしない」と思っていませんか?
確かに長期投資はリスクを抑える有効な手段ですが、必ずしも30年運用すれば元本割れしないとは限りません。
過去の市場データからも、そのリスクはゼロではないことが明らかになっています。
実際に元本割れが起こる要因としては、以下が挙げられます。
-
投資対象が偏っている(特定の国・セクターに集中)
例:新興国株式100%のファンドなどは、価格変動が激しく長期でもマイナスになるリスクがある。 -
手数料が高すぎる
信託報酬が年1.5%を超える商品では、30年間で約40%近いリターンが手数料に消えることもあります。 -
タイミングが極端に悪かった
リーマンショックやITバブル直後など、市場暴落のタイミングで一括投資した場合、回復までに20年以上かかるケースも。
以下は、仮に100万円を30年間、年率2.5%のリターンで運用した際の資産推移(信託報酬1.5%を差し引いた実質利回り1%の場合)です。
年数 | 資産額(概算) | 備考 |
---|---|---|
10年 | 約110万円 | 増加幅は小さい |
20年 | 約122万円 | 複利効果が少しずつ効いてくる |
30年 | 約135万円 | 期待より少ない伸びにとどまる |
30年という長期であっても、「投資信託の選び方次第」で結果は大きく変わります。
特に、「安全そうだから」と債券型のファンドやリスクの低いものばかり選んでしまうと、インフレに負けて実質的に資産が減っていたということも起こり得るのです。
新NISAの失敗例から学ぶべきポイント
2024年に始まった新NISA制度ですが、すでに「失敗した」と感じている人も出始めています。
制度そのものは使いやすくなった一方で、利用者側の誤解や無計画な運用によって損失や後悔を招いてしまうケースが多いのです。
よくある失敗パターン
失敗パターン | 説明 |
---|---|
よく考えずに一括360万円投資 | 高値づかみになり、短期で含み損を抱える |
毎月分配型など非対象商品の選択ミス | NISA対象外だったと後から気づく |
生活資金に手をつけてしまう | 急な出費で売却→損失確定の悪循環 |
投資信託のリスクを誤解 | 値動きの大きさに耐えられず損切りしてしまう |
失敗を防ぐためには?
-
投資目的を明確にすること(老後資金か、資産の成長か)
-
制度のルールを理解すること(成長投資枠・つみたて枠の違いなど)
-
生活資金との区別を明確にすること(すぐに必要なお金は使わない)
-
短期の値動きに惑わされず、長期で見ること
新NISAは非課税枠の拡大や恒久化など、大きなメリットを持っていますが、正しく使ってこそ活きる制度です。
人の真似ではなく、自分のライフプランと照らして活用することが成功の鍵です。
投資信託と個別株、NISAで選ぶならどっち?
NISA口座で「投資信託と個別株、どちらを選ぶべきか」は、多くの人が悩むポイントです。
どちらにもメリット・デメリットがあり、自分の投資スタイルや目的に合った方を選ぶことが重要です。
特徴を比較すると以下のようになります。
比較項目 | 投資信託 | 個別株 |
---|---|---|
分散投資 | 自動で実現 | 自分で分散が必要 |
リスク | 比較的低い | 業績や株価により高め |
情報収集の手間 | 少ない | 多い(企業分析が必要) |
コスト | 信託報酬あり | 売買手数料のみ(証券会社により異なる) |
利回りの期待 | 安定的だが低め | 当たり銘柄なら高リターンも |
投資初心者や「何を選んでよいか分からない」方には、自動で分散された投資信託が向いています。
一方で、企業分析が得意な方や短中期で大きなリターンを狙いたい方には、個別株での運用が選択肢になり得ます。
また、2024年からの新NISA制度では、「成長投資枠」で個別株が対象、「つみたて投資枠」で投資信託が対象となっています。
両者を併用することでバランスの良い運用も可能です。
✅結論
初心者は投資信託をベースに、慣れてきたら個別株も検討する“ハイブリッド型”が無理のないスタートです。
NISAでの投資信託が合わない人の特徴とは?
NISAを使えば「誰でも得をする」わけではありません。
特に、以下のようなタイプの方には、NISAでの投資信託購入は不向きな場合があります。
合わない可能性がある人の特徴
特徴 | 理由 |
---|---|
短期で売買を繰り返したい | 投資信託は基本的に長期保有向け。短期売買ではNISAの非課税メリットが活かせない |
元本割れを一切受け入れたくない | 投資信託には元本保証がないため、精神的に不安を抱えやすい |
自分で銘柄選びを楽しみたい | 投資信託はパッケージ型であり、自分の裁量が少ない |
投資の目的が不明確 | 長期戦略を立てずに買ってしまうと、下落時に迷いが生じやすい |
このような方が無理にNISAで投資信託を購入すると、「思っていたのと違う」「儲からない」「不安ばかりで続かない」といった不満を抱えやすくなります。
逆に、次のような人にはNISA×投資信託は非常に向いています。
-
長期的に資産形成を目指す人
-
毎月コツコツ積み立てる習慣がある人
-
リスクを分散したいが、個別銘柄の知識がない人
制度に合わせるのではなく、自分のスタイルに合った制度を選ぶという視点が大切です。
NISAと投資信託を活用するための正しい知識
NISAで買えない投資信託とその理由
NISA制度は一見すると「どんな金融商品でも非課税で買える」と思われがちですが、実は購入できない投資信託も多数存在します。
特に「つみたて投資枠」では、金融庁が定める厳格な条件を満たした商品しか対象となっていません。
NISAで買えない投資信託の主な特徴
対象外となる商品 | 理由 |
---|---|
毎月分配型の投資信託 | 長期保有による複利効果が損なわれやすい |
信託報酬が高いファンド | 手数料負担が重く、長期的な資産形成に不利 |
アクティブ運用で実績が不安定な商品 | リスク管理が難しく、初心者に不向き |
上場していないインフラ系・新興ファンド | 情報開示や透明性の観点で条件を満たさない |
このような基準が設けられている背景には、「初心者でも安心して長期運用できる環境を整える」という政策的意図があります。
実際、金融庁が選定した「つみたてNISA対象商品一覧」には、低コストなインデックス型ファンドや長期安定運用を目指すバランスファンドが中心です。
-
eMAXIS Slimシリーズ
-
楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天VTI)
-
SBI・全世界株式インデックス・ファンド など
つまり、NISA口座を活用する際は、「購入できる商品」ではなく「あえて買えないように排除されている商品」がある理由にも目を向けることが大切です。
NISA口座で一度売却するとどうなるのか?
NISA口座では一度投資信託や株式を売却すると、その年に使用した「非課税枠」は復活しません。
これが、一般的な課税口座との大きな違いです。
例:成長投資枠でのケース
-
年間投資枠:360万円
-
4月に投資信託を100万円購入 → 9月に全額売却 → その年に再投資したくても「非課税枠100万円分は消費済み」
この「非課税枠の再利用不可」は、売却のタイミングを誤ると取り返しがつかないことを意味します。
たとえば、含み損を抱えて一度売却し、再度買い直そうとしても、再投資分は新たな非課税枠を使用することになります。
そのため、
-
短期で売買を繰り返す運用
-
値下がりに焦って損切りする運用
は、NISAでは非常に相性が悪いといえます。
✅ポイント:
NISA口座は「非課税=何度でも自由に使える」わけではありません。売却=枠の消費という制度の仕組みをしっかり理解した上で、慎重に運用判断をする必要があります。
投資信託を使った資産形成の基本戦略
投資信託は、分散投資・少額投資・プロ運用という3つの利点から、資産形成に適した金融商品とされています。
ですが、戦略を持たずに購入すると、そのメリットを十分に活かせません。
資産形成で意識すべき基本戦略
-
目的を明確にする
老後資金、教育資金、住宅資金など、使途と時期をはっきりさせる。 -
リスク許容度を自己分析する
損失に対する耐性や運用年数を考慮して配分を調整する。 -
ドルコスト平均法を活用する
定期的・定額で積立投資することで、購入単価を平準化できる。 -
インデックスファンドを中心に選ぶ
コストが低く、長期で市場平均を目指す運用に向いている。 -
年1回は運用成績を振り返る
必要に応じて積立額や商品を見直すことが、持続的な成果につながる。
✅ポイント:
「何となく始める投資信託」ではなく、「目的から逆算して選ぶ投資信託」へ。これが資産形成の成功パターンです。
一般NISAの人気投資信託ランキングの落とし穴
証券会社や金融メディアでは、よく「NISAで人気の投資信託ランキング」が紹介されています。
ですが、その人気が必ずしも“自分にとって良い商品”とは限りません。
人気ランキングの盲点
問題点 | 説明 |
---|---|
「売れている=優れている」とは限らない | 一時的な話題性やキャンペーンで売上が集中することも |
自分のリスク許容度と合っていない可能性 | 人気上位に高リスク商品が含まれることもある |
投資タイミングが既に遅い | トレンド後半で乗ってしまうと高値掴みになる |
ランキングはあくまで「他人の選んだ結果」であり、自分のライフスタイルや投資目的と照らして吟味することが不可欠です。
✅アドバイス:
ランキングを参考にする際は、「なぜ人気なのか」「長期運用に適しているのか」を必ず確認しましょう。
積立NISAを月1万円で20年続けたらどうなる?
積立NISAは「時間」と「継続」を味方につける制度です。
では実際に、月1万円を20年間コツコツ積み立てたら、どの程度の資産になるのでしょうか?
年利別のシミュレーション(元本:240万円)
年平均利回り | 20年後の資産総額 | 増加分 | 備考 |
---|---|---|---|
0%(利回りなし) | 240万円 | ±0円 | 元本のみ。インフレリスクあり |
2% | 約294万円 | 約54万円 | 安定運用型 |
4% | 約359万円 | 約119万円 | インデックス型平均に近い |
6% | 約444万円 | 約204万円 | リスク許容型ファンド利用時 |
※信託報酬などのコストは含まず試算
年利4〜6%で運用できれば、元本に対して50〜85%以上の増加が見込める計算になります。これは、時間をかけて積み立てることで得られる複利効果の成果です。
投資で2倍になるまでにかかる年数の目安
「資産を2倍にしたい」と思ったとき、どれくらいの時間がかかるかを計算するのに便利なのが「72の法則」です。
72の法則とは?
72を年平均の利回りで割ると、資産が2倍になるまでのおおよその年数がわかります。
年利 | 倍になるまでの年数(72 ÷ 年利) |
---|---|
2% | 約36年 |
4% | 約18年 |
6% | 約12年 |
8% | 約9年 |
例えば、平均利回り4%のインデックス型投資信託に毎月積立した場合、約18年で資産が2倍になる計算です。
これは「20年非課税の積立NISA」と相性がよく、制度期間内で倍増を狙える現実的な目標になります。
NISAでの「360万円一括投資」のリスクとは?
新NISAでは「成長投資枠」として年間最大360万円を一括で非課税投資できるようになりました。
これ自体は大きなメリットですが、一括投資にはそれ相応のリスクも伴います。
一括投資のリスク
-
投資タイミングによっては高値掴みになる
→ 市場が過熱しているときに一括で投資すると、その後の下落リスクが大きい -
下落時の精神的ダメージが大きい
→ 数十万円〜百万円単位の含み損が出ても、持ち続けられるメンタルが必要 -
長期的な分散効果が働かない
→ 一度に投資してしまうと、購入価格の平均化(ドルコスト平均法)が使えない
対策:一括+分割のハイブリッド戦略
方法 | 内容 | メリット |
---|---|---|
一括投資(成長投資枠) | 資産の一部を一括投入 | 相場上昇の波に乗れる |
積立投資(つみたて枠) | 月ごとに投資信託を購入 | 平均購入単価を下げるリスク分散効果 |
✅アドバイス:
360万円すべてを一気に投じるのではなく、「今のタイミングでいくら投資するのか」「残りをどう分散させるか」を計画的に設計することが大切です。
NISAとiDeCo・つみたて投資の違いと使い分け
NISA・iDeCo・つみたて投資はすべて資産形成に有効な手段ですが、制度の目的や使い方が大きく異なります。
それぞれの特徴を理解し、ライフプランに合わせて使い分けることが重要です。
主な違いを表で比較
制度名 | 非課税枠 | 引き出し制限 | 対象商品 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
NISA(新) | 年間360万円(成長枠)+120万円(つみたて枠) | なし(いつでも売却可) | 株・ETF・投資信託など | 柔軟性が高く、短中長期いずれも対応 |
iDeCo | 年間14.4万円〜81.6万円(職種で異なる) | 原則60歳まで引き出し不可 | 投資信託・定期預金・保険など | 掛金が所得控除対象、老後資金専用 |
つみたて投資 | 制度名ではなく投資スタイル | 制限なし | 商品による | 定額・定期購入で長期資産形成に効果的 |
-
NISAはいつでも引き出せる柔軟な投資枠
-
iDeCoは節税メリットが非常に大きいが、流動性がない
-
つみたて投資はNISAやiDeCoの中で活用する運用手法
資産形成の初期段階では「NISA」、退職まで引き出さない老後資金は「iDeCo」、すべての制度で基本戦略として「つみたて投資」を使う、というのが王道の使い分けです。
「NISA貧乏」にならないために必要な考え方
「NISA貧乏」という言葉をご存知でしょうか?
これは、NISAで非課税だからと無理して投資し、生活が苦しくなるような状況を指します。
よくあるNISA貧乏の例
-
生活費を削ってまで積立を続けてしまう
-
含み損が出ても売却できず資金が拘束される
-
必要な資金をNISAに投じてしまい、急な出費で困る
-
投資額を増やすことが目的化してしまう
NISAはあくまで「投資の一部を非課税にする枠」であって、無理をしてまで活用するものではありません。
NISA貧乏を防ぐポイント
-
投資は「余裕資金」で行う
-
生活防衛資金(6カ月分程度)は現金で確保しておく
-
非課税メリットを「最大限使う」より「自分に合ったペースで使う」ことを優先する
よくある質問Q&A10選
Q1. NISAで投資信託を買うと、損しても税金は戻ってきませんか?
A1. はい、NISA口座では損益通算ができないため、損失を他の利益と相殺することができず、税金が戻る仕組みもありません。
Q2. 投資信託の中には、NISAで買ってはいけない商品もあるのですか?
A2. はい、特に毎月分配型や高コストのアクティブファンドなどは、長期運用に向かず、NISAでの購入には注意が必要です。
Q3. 初心者にはNISAとiDeCoのどちらが向いていますか?
A3. 目的によりますが、流動性が高くいつでも引き出せるNISAは初心者にとって始めやすい制度です。iDeCoは節税効果が高いですが、60歳まで引き出せません。
Q4. NISA口座で投資信託を一度売ったら、枠は戻りますか?
A4. いいえ、売却してもその年の非課税枠は戻りません。再投資には新たな枠が必要になります。
Q5. NISAでおすすめの投資信託はどうやって選べばいいですか?
A5. 信託報酬が低く、インデックス型で運用実績のあるファンドが基本です。長期保有に向いた商品を中心に選ぶと良いでしょう。
Q6. 一般NISAと積立NISAの違いを簡単に教えてください。
A6. 一般NISAは株やETFにも投資できる自由度の高い制度、積立NISAは金融庁指定の投資信託に限られる代わりに非課税期間が長く、長期運用向けです。
Q7. 「NISA貧乏」って本当にあるんですか?
A7. 実際に、生活費を圧迫してまで投資してしまい、現金不足に陥るケースもあります。NISAはあくまで余裕資金で活用すべきです。
Q8. 投資信託って、30年持てば必ず増えますか?
A8. いいえ、元本保証はありません。市場環境や選んだ商品によっては、30年保有してもリターンが出ないこともあります。
Q9. NISAで高配当株やテーマ型ファンドを買ってもいいですか?
A9. 購入は可能ですが、価格変動リスクが高い商品も多いため、非課税枠を活かすには慎重な判断が必要です。
Q10. NISAで投資信託を買うときに、初心者が特に気をつけるべきことは何ですか?
A10. 手数料の高い商品や分配金ばかりに注目した投資信託は避けるべきです。また、制度の仕組みを理解せずに購入すると、非課税枠をムダに使ってしまうリスクもあるため、基本的なルールは必ず確認しておきましょう。
「NISAで投資信託を買ってはいけない」と言われる3つの理由のまとめ
最後にこの記事のポイントをまとめました。
【あわせて読みたい関連記事】


【本記事の関連ハッシュタグ】