FXは損切りしなければ勝てる!?10pips設定は正解か?

FXは損切りしなければ勝てる!? FX入門・実践

「FXは損切りしなければ勝てる」――そんな言葉を耳にしたことはありませんか?

10pipsで損切りを自動設定する人もいれば、あえて損切りを“入れない”というトレーダーも存在します。どちらが正解なのか、悩んだことのある方は多いはずです。

この記事では、FXの世界で語られる「損切り不要論」と「10pips損切り」という2つの考え方を取り上げ、勝ち続けるために本当に必要な損切り戦略を深掘りします。

この記事の4つのポイント
  • 📌「損切りしなければ勝てる」は本当に正しいのか?放置戦略のリスクを検証
  • 📌損切り10pips設定のメリットとデメリットを具体的に解説
  • 📌相場環境に応じた損切り幅の考え方と実践的なアプローチを紹介
  • 📌勝てるトレーダーが実践している“損切りの本質”をわかりやすく解説

FXは損切りしなければ勝てるのか?その真相とリスク

損切りしなければ勝てるという主張は本当か?

「損切りしなければ勝てる」──一見、希望のように聞こえるこの言葉は、実はごく限られた状況でたまたま成立した成功体験に過ぎません。

たしかに、相場が一時的に下がっても、戻ってくれば損切りしなくてもプラスで終えられることはあります。

ですが、それが“いつでも・誰にでも”通用するわけではないのです。

損切りをしない主張に潜む、2つの大きな落とし穴

「相場は戻る」という思い込み

為替は循環する──そんな期待を抱いてポジションを持ち続ける人は少なくありません。

ですが現実には、「戻らずに下がり続ける」通貨ペアも存在します。

特に以下のような相場では、戻る保証はどこにもないのです。

ケース
長期下落トレンド トルコリラ/円、アルゼンチンペソ/円など
有事による急変 地政学リスクや金融危機時
金融政策の転換 利下げトレンド継続による通貨価値の下落

「助かった体験」が記憶に残りすぎる

多くの人が、「前に損切りしなくて助かった」という一度の成功体験を強く記憶に残してしまいます。

そして次も同じように耐えれば助かると思い込み、本来なら切るべき場面でもポジションを放置してしまうのです。

こうして、自分でも気づかないうちに“損切りできない習慣”が染みついていきます。

💡 再現性のない成功体験に引きずられると…

  • 「戻るまで待てばいい」と思い込む
  • ナンピンでポジションを増やしてしまう
  • 気づけば身動きの取れない“塩漬けポジション”に

「損切りしなければ勝てる」は、短期的には通じることもあります。

ですがそれは、“綱渡りで一度ゴールできた”だけの不安定な戦術です。

再現性がなければ、いずれ大きな損失を被ることになります。

📊 「損切りなし」vs「損切りあり」長期成績の違い

 損切りなし vs 損切りあり|長期成績の違い

損切りしないトレードの成功例と“再現性”の欠如

「損切りしなくて助かった」――この言葉を信じてポジションを放置し続けた結果、結果的にプラスで終えた経験を持つトレーダーもいます。

ですがそれは、たまたま相場が“戻ってきただけ”にすぎません。

実例で見る「損切りしない成功体験」

トレード内容 結果 背景要因
ドル円を145円で買い → 急落 140円まで下がるも2週間後に145円へ戻る 日銀の為替介入観測で反発
ユーロドルを1.05で買い → 下落 1.03まで下がるも、米雇用統計で反転 材料に反応して急回復
豪ドル円を長期保有 一時含み損が出るが、1年後プラ転 高金利通貨のリバウンド効果

しかも、どの相場環境でも再現できる保証はまったくないのです。

再現できない=戦略としては成立しない

投資において「再現性」は極めて重要です。

一度だけうまくいった手法に依存していては、再び同じ局面で助かる保証はありません。

成功体験 再現性
特定の指標で反発 毎回同じように動くとは限らない
通貨ペアの特性 相場環境が変われば機能しなくなる
個人の運 再現性ゼロ/次は失敗する可能性大
💡トレードは“確率の勝負”:再現性のない取引に資金を預け続けるのは、勝率ゼロのギャンブルと変わりません。勝ち組トレーダーが共通して口にするのは、「勝てる手法とは“再現可能な期待値の積み上げ”」という考え方です。

損切りをしなかったから勝てた――その成功例に頼る限り、次に同じ失敗を繰り返すリスクが残り続けます。

「たまたま」助かった経験を、あたかも“手法”として信じ込んでしまうことこそ、再現性のないトレードの怖さです。

なぜ「損切り不要論」が初心者に広がるのか?

「損切りしなければ勝てる」といった考え方は、一部のSNS投稿やYouTube動画などを通じて、FX初心者の間に広まりやすい傾向があります。

そこには、心理的に信じたくなる理由と、初心者特有の認知の偏りが存在します。

🔍 初心者が損切り不要論を信じやすい3つの理由

原因 内容
❶ “損を確定させたくない”という感情 含み損はまだ「負け」ではないと脳が錯覚する。損切り=確定損に対する強い拒否反応が出る。
❷ 成功体験のバイアス 「前に損切りしなかったら助かった」が強く記憶に残る。1回の成功体験を普遍化してしまう。
❸ 発信者への過信 SNSや動画で「損切りは無駄」と語る“勝ち組っぽい人”の発信を信じ込みやすい。

損切り不要論心理メカニズム

初心者は「ルール」よりも「感情」で動きやすく、特に“損を出したくない”という気持ちは強くなりがちです。

そこへ「損切り不要でも勝てる」という都合のいい情報が目に入ると、信じたくなってしまう心のスキが生まれます。

損切り不要論は、初心者の不安と希望を巧みにすくい取る“耳障りのいい幻想”にすぎません。

確率と再現性に支えられたトレード戦略とは、根本的に相いれない考え方です。

損切りしない=含み損が膨らむ構造とは?

損切りを入れないトレードは、“含み損を抱え続ける仕組み”が前提になります。

これは単に「損を確定しないだけ」ではなく、資金管理・精神状態・トレード継続性すべてに悪影響を及ぼす構造です。

📉 損切りなしトレードの資金推移イメージ

タイミング レート 損益 コメント
エントリー 150.00円(買) ±0円 エントリー時点
数時間後 149.00円 -10pips 様子を見る(まだ大丈夫)
翌日 147.50円 -250pips 「戻るはず」と放置
3日後 145.00円 -500pips ロスカット目前でも切れない

含み損を放置すると起きる4つの悪循環

  1. 損切りできないメンタルがさらに固まる
    → 切るべき場面で“もう少し待てば…”と先延ばし
  2. ナンピンに走る可能性が高まる
    → さらに損失が拡大しやすくなる
  3. ポジションを閉じられないことで機会損失
    → 他のチャンスに乗れない
  4. ロスカット強制執行による大損の可能性
    → 自分の意思で損切りできなければ、証券会社が自動処理

含み損は「見なかったことにすればいい損失」ではありません。

むしろ、損失のコントロールを放棄している状態であり、資金効率を著しく悪化させます。

「戻るかもしれない」という淡い期待を持つ前に、“もし戻らなかったらどうなるか?”という視点を持てるかどうかが、勝ち組と負け組の分岐点です。

「戻ってくるだろう」は破滅の始まり

損切りをしないトレードに共通する心理のひとつに、「いつかは戻ってくるだろう」という期待があります。

たしかに短期的な調整であれば、一時的に下落しても元のレートまで反発するケースはあります。

ですが、為替市場において“必ず戻る”保証は一切ありません。

「戻る前提」が危険な3つの理由

理由 内容
❶ 通貨価値は一方向に下がり続けることもある 例:トルコリラ、アルゼンチンペソなど
❷ 地政学的・政策的な変化で構造が変わる 金利政策や金融危機により“戻らない相場”が出現
❸ ロスカットラインを超えてから反発しても意味がない 強制決済後に上がっても、資金はすでに消滅している

📉 実例:戻らなかった通貨の末路(トルコリラ/円)

年度 為替レート(終値) 変動幅 備考
2015年 約43円 高金利通貨として人気
2020年 約15円 ▼28円 政策不信・インフレによる通貨下落
2025年(現在) 約4円 ▼11円 戻らずに下がり続けた通貨の典型

💡 図解提案(別途制作)

📊 図解:「戻る」と信じた通貨の推移と資金消失の関係

  • 緑:エントリーポイント

  • 赤:ナンピン追加ポイント

  • ×印:ロスカット発生
    → 戻る前に資金が尽きる

トレードにおいて大切なのは、「戻るかもしれない」ではなく「戻らなかったときにどう守るか」という視点です。

“戻る信仰”を捨てない限り、トレーダーとして成長することはできません。

FXは確率の世界──だから損切りは必要

FXは、相場の未来を完全に予測することができない「不確実性の世界」です。

だからこそ、勝ち続けるためには“確実にできること”に目を向けなければなりません。

それが、損切り=「損失を限定する行動」です。

🎲 FXは“確率”と“期待値”で勝負する世界

FXでは、どれだけ丁寧に分析しても「100%当たるエントリー」は存在しません。

その代わり、勝率・損益比・ロット管理を組み合わせた“期待値”を積み重ねることで利益を出す構造になっています。

📊 損切りの有無によるトレード期待値の違い

項目 A:損切りあり B:損切りなし
勝率 50% 90%(一時的)
平均利益 +30pips +10pips
平均損失 -15pips -500pips(ロスカット)
10回取引の期待損益 +75pips -4,000pips

重要なのは「勝率」ではなく「損失の管理」

多くの初心者は「勝率が高ければ勝てる」と考えがちです。

ですが、実際には勝率が低くても損失を小さく抑え、利益を伸ばせばトータルで勝てます。

● 勝率30%でも、利益:損失=3:1ならプラスになる
● 勝率90%でも、1回で全損すればすべてが吹き飛ぶ

この構造を理解すれば、損切りが“避けたい行動”ではなく、勝つために必要な武器であることが見えてきます。

損切りは、トレードの「敗北」ではありません。

資金を守り、次のトレードにつなぐための“生き残り戦略”です。

損切りができない人の心理パターン

損切りの重要性を理解していても、いざとなると実行できない――そんな経験がある方も多いのではないでしょうか。

実は、損切りできない原因の多くは技術ではなく“心理”にあります。

自分では理性的に判断しているつもりでも、知らず知らずのうちに“感情”が判断を支配しているのです。

🧠 よくある損切りできない心理3タイプ

心理タイプ 典型的な思考 背景にある感情
① 否認型 「まだ戻るはず」 損失を受け入れたくない
② 執着型 「前は助かったから今回も」 過去の成功体験に縛られる
③ 恐怖型 「損切りしたらその後上がりそう」 後悔することへの恐れ

損切りできない思考回路の悪循環

損切りできない人の多くは、「損を出す=失敗」だと思い込んでいます。

ですが実際には、「損を小さく切ることこそが“成功への準備”」です。

📘 損切りそのものに対して強い抵抗がある場合は、FX初心者が損切りできない原因は?失敗しないための実践アドバイスを参考にしてください。

「損切りが怖い」と感じるのは、あなただけではありません。

その感情に気づき、向き合おうとすることが本当の意味での“成長の第一歩”です。

勝ち組トレーダーは損切りをどう位置付けているか?

FXで安定して勝ち続けているトレーダーは、損切りを「仕方なくやること」とは考えていません。

むしろ、損切りこそがトレードの本質であり、最も重要な“戦略”の一部だと捉えています。

勝ち組の損切りに対する考え方3選

思考 解説
❶ トレードにおける“必要経費” すべてのトレードが勝てるわけではない。損失を抑えることも利益の一部と捉える。
❷ 相場は“敵”ではない 相場に対抗するのではなく、“負ける前提”でどう対処するかを常に考えている。
❸ 自分の判断ではなく“仕組み”に任せる あらかじめ設定した損切りラインに自動で従うことで、感情に左右されない取引を徹底している。

💡プロの言葉

“Your first loss is your best loss.”
── Jack Schwager(ジャック・シュワッガー)著『Market Wizards』より

邦訳:「最初の損失こそが、最良の損失である。」
→ 損切りをためらわず、早期に小さく切ることの重要性を示した名言です。

📋 勝てるトレーダーの損切り設計例

  • エントリー前に必ず損切りラインを設定
  • ロット数と資金量に応じて最大許容損失を決めておく
  • 自分で切れない場合は自動決済を使う
  • ロスカットされたら、その日は新規エントリーしない

損切りを「防御」と考えるのではなく、“次の攻撃につなげる戦略的撤退”と捉えられるかどうかが、勝ち負けを分ける鍵です。

損切りしないトレードは資金管理が崩壊しやすい

損切りを入れないトレードは、一見「損を出さない工夫」のように見えるかもしれません。

ですが実際には、自分の資金に対するコントロールを放棄している状態です。

このままでは、ロスカットや破綻に直結する非常に危険な運用となります。

📉 損切りあり vs 損切りなしの資金管理の違い

項目 損切りあり 損切りなし
最大損失額 事前に想定・制限できる 想定外に拡大し続ける
資金効率 機会損失を最小限にできる ポジションを長期間拘束される
ロット調整 損失許容に基づき調整可能 損失幅が不明のため調整不能
精神的負担 トレード後にリセット可能 含み損を見続けてストレスが蓄積
継続性 長期的に維持できる 破綻・強制退場のリスクあり

🔁 「損切りしない」が引き起こす連鎖的リスク

  1. 含み損を抱えても切らない
     ↓

  2. 精神的に余裕を失いナンピンに走る
     ↓

  3. 資金拘束+レバレッジ過多でロスカット目前
     ↓

  4. 強制決済 or 全損で市場から退場

損切りを入れないことは、“無制限に負ける余地を自ら作っている”ようなものです。

一見ゆるやかなトレードスタイルに見えて、実はもっとも破綻に近い設計なのです。

💡補足:「資金管理が苦手」と感じる方ほど、損切り設定はルールとして徹底する必要があります。損を受け入れる強さより、損を制御できる仕組みの方が、トレードでははるかに重要です。

損切り10pipsは正解?勝てる損切り幅の考え方

10pips損切りの“定番化”には理由がある

FXにおける「損切り幅は10pips」という設定は、多くの初心者向け教材やSNS投稿などでも繰り返し登場します。

ではなぜこの“10pips”という数字が、あたかも常識のように扱われるようになったのでしょうか?

その背景には、教育的なシンプルさと、リスク制御の初期基準という側面があります。

初心者に「10pips損切り」が広まった3つの背景

要素 解説
❶ 明確で覚えやすい 数字が丸くて使いやすく、説明が簡単。裁量トレード初心者にとって“とっつきやすい”。
❷ 少額損失で済む 小さな損切り幅であればロスカットされる前に損失を限定できる。資金を守りやすい。
❸ デイトレ・スキャル系で使いやすい 短期トレードでは10pips程度の損切り幅が戦略上ちょうどよいケースもある。

📊 損切り幅とトレードスタイルの関係性

スタイル 想定損切り幅 特徴
スキャルピング 3〜10pips 回転重視/リスクリターン低め
デイトレード 10〜30pips 日内の高安想定で設定可能
スイングトレード 50〜100pips以上 相場全体の流れに沿った設定が必要

むしろ、この固定幅に縛られることで勝てない原因を作っている人も少なくないのです。

10pipsは本当に機能する?相場との相性

損切り幅を10pipsとする設定は、たしかに明快で初心者にも扱いやすい数字です。

ですが、それがどんな相場でも機能するわけではないという点は見落とされがちです。

損切り幅は、“現在の相場環境”と“通貨ペアの特性”によって変える必要があります。

相場との“ミスマッチ”が生む3つの問題

問題 内容
❶ ボラティリティに対して狭すぎる 1時間足で30pips動く相場では、10pips損切りだとノイズで刈られる可能性が高い
❷ 通貨ペアの特性と不一致 ポンド円や豪ドル円など変動が大きい通貨では、10pipsでは振り落とされやすい
❸ 時間帯ごとの値動きとズレる 欧州・NY時間のボラティリティに対しては10pipsでは不十分なことが多い

📊 通貨ペアごとの10pips損切り“適合度”

通貨ペア ボラティリティ 10pipsの適合度 備考
USD/JPY 小〜中 時間帯によっては有効
EUR/JPY 中〜大 × 揺れが大きく、刈られやすい
GBP/JPY × ノイズで頻繁に狩られる可能性大
AUD/USD 範囲内であれば使いやすいケースも

💡補足:「10pips損切りで勝てるかどうか?」を考える前に、“自分が戦っている相場がどれだけ動いているのか”を把握することが先決です。

たとえば…

  • ➤ ボラ20pipsの相場で10pips損切り → 妥当
  • ➤ ボラ70pipsの相場で10pips損切り → 刈られてばかりになる

10pipsは万能ではありません。

それが“今の相場に合っているかどうか”を見極める視点が、勝ち続けるためには不可欠です。

損切り幅は“期待値”で決めるべき理由

損切り幅を10pipsと固定する方法は、シンプルで扱いやすい一方で、「なぜ10pipsなのか?」という根拠が欠けているケースがほとんどです。

本来、損切り幅は“勝率と利益幅のバランス=期待値”から逆算して設計すべきものです。

🎯 期待値とは?

期待値 =(勝率 × 平均利益)-(敗率 × 平均損失)

この計算式により、トレードが長期的にプラスになるかどうかを判断できます。

📊 期待値がプラスになる損切り幅の例

勝率 平均利益 平均損失 期待値 判定
50% +30pips -10pips +10pips 勝てる設計
40% +40pips -20pips +4pips 勝てる設計
70% +10pips -15pips -0.5pips 長期的に負ける設計

「勝率70%でも負ける設計になっている」──この事実は、多くの初心者が損切り設計を誤っている原因を示しています。

10pips損切りが良いか悪いかではなく、自分の勝率・利益幅とのバランスが取れているかどうかが重要なのです。

損切り幅は、“感覚”で決めるものではありません。

期待値という「数字」で根拠を持たせることで、勝ちパターンを安定的に再現することができます。

ボラティリティ別・損切り目安の早見表

損切り幅を決めるうえで、最も重要な指標のひとつが「相場のボラティリティ(値動きの大きさ)」です。

同じ10pipsでも、1日の値幅が30pipsの通貨ペアと100pipsの通貨ペアでは、意味合いがまったく異なります。

📊 ボラティリティに応じた損切り幅の目安(1トレードあたり)

通貨ペア 1日の平均値幅(目安) 損切り幅の目安 コメント
USD/JPY(東京時間) 約20〜40pips 8〜15pips 比較的安定しており狭めでも有効
EUR/USD(NY時間) 約50〜70pips 15〜25pips 指標発表時は広めが安全
GBP/JPY(欧州時間) 約80〜120pips 25〜40pips 小さすぎる損切りは危険
トルコリラ/円 約100〜150pips 30pips以上 高ボラ&突発変動リスクあり

💡直近の値動き=“現在の呼吸”を見る

1日の平均値幅も参考になりますが、直近のローソク足や平均足の振れ幅を確認することで、より現実的な損切り幅が見えてきます。

  • 直近の値幅が20pips → 損切り幅10pips前後で対応可能
  • 直近の値幅が80pips → 10pipsではノイズで損切りされやすい

「固定損切り幅」は楽ですが、“今の相場がどれくらい動いているか”を意識して幅を調整することで、“無駄な損切り”を減らし、勝率の向上にもつながります。

10pipsに固執すると陥るワナ

「損切りは10pips」と聞いて、無条件にその設定を使い続けてはいないでしょうか?

たしかに10pipsは扱いやすく、管理も簡単です。

ですが、それをどんな相場でも無理に当てはめてしまうと、トレード結果に悪影響を及ぼすリスクがあります。

固定幅に固執した結果起こりうるトラブル

症状 内容
❶ 勝てる相場でも損切りされてしまう ノイズによる“狩られ損切り”が増加
❷ ボラに合っていないことで期待値が悪化 高ボラ相場ではリスクリワードが崩れる
❸ 再現性がなくなり、検証が無意味に 損切り幅に一貫性がなくなり、手法の検証が機能しない

💬 具体的なケース例

Aさんは常に10pipsで損切り設定。
東京時間のUSD/JPYではうまくいっていたが、欧州時間のポンド円に同じ設定で入った結果、ノイズで何度も損切り。結果的に勝てるトレードも逃し、収支はマイナスに転落。

💡「10pips固定」が生む負のスパイラル

10pips損切りに固執

ノイズで刈られる

エントリー精度が悪いと錯覚

ロットを減らす/手法を迷走

勝てるはずの手法を手放す

10pipsという損切り幅は、“選択肢のひとつ”に過ぎません。

それを“正解”と信じてしまうと、相場環境とのズレに気づけなくなり、トレードの柔軟性と再現性を失ってしまいます。

損切りを“設定しない”戦略が通用するケース

これまで「損切りは必須」「10pipsの固定化は危険」といった論点を取り上げてきましたが、実は一部のトレーダーの中にはあえて損切りを設定しない戦略を用いて成功している人も存在します。

ただし、それは例外的な状況・設計で成り立っている特殊なケースであり、初心者が安易に真似をしてよいものではありません。

損切り“非設定型”が通用する3つの条件

条件 解説
❶ 超低ロットで耐久力のある口座設計 数千pips逆行しても耐えられるように資金を極端に厚く設定
❷ 高スワップ通貨の長期保有 毎日スワップポイントで利益を得ながら含み損に耐える(例:トルコリラ円)
❸ 裁量+分割エントリーで自己管理 損切りではなく“出口”を価格で決めずに裁量で判断するスタイル(上級者向け)

💬 実例:損切りなしで成功している人の特徴

長期保有+スワップ狙いの投資家Bさん
ロットは0.1万通貨に抑え、数百pips逆行しても資金維持率を常に1000%以上にキープ。
為替変動に耐えながら、毎月のスワップ収入を再投資して資産を増やしている。

誰でも通用する手法ではない理由

  • 損切りを設定しない=すべての判断が“経験と裁量”に依存

  • 想定外の相場変動(例:スイスフランショック)で一瞬にしてロスカットされる可能性

  • 短期トレード・レバレッジ取引には致命的に向いていない

💡補足:損切りを設定しない戦略が通用するのは、「トレードではなく投資」的な性質を持つスタイルです。FXにおける一般的な裁量トレード・短期売買では、損切りがないことは“破綻の前提”に近いと考えておくべきです。

よくある質問Q&A10選

Q1:FXで損切りを設定しないほうが勝てるというのは本当ですか?
A. 一時的に助かることはあっても、長期的には破綻リスクが高くおすすめできません。損切りは資金を守るための基本です。

Q2:10pipsの損切り設定は本当に有効なんでしょうか?
A. 相場環境や通貨ペアによっては有効ですが、すべての状況に適しているわけではありません。柔軟な判断が必要です。

Q3:損切り幅はどうやって決めればよいですか?
A. 勝率とリスクリワードのバランスを元に、期待値がプラスになるよう設計するのが基本です。直近のボラティリティも参考にしましょう。

Q4:損切り設定が狭すぎてすぐに切られてしまいます。どうすれば?
A. 相場の値動きに対して損切り幅が合っていない可能性があります。ローソク足の振れ幅や通貨ペアの特性を見直しましょう。

Q5:プロでも損切りするんですか?
A. はい。むしろプロほど損切りを徹底しています。損をコントロールすることが長期的な勝ちにつながるからです。

Q6:損切りしたあとすぐに反転されることが多くて辛いです…
A. 多くのトレーダーが経験することです。エントリーポイントの精度や損切り幅の調整を見直すと改善の余地があります。

Q7:スワップ狙いで損切りしないのはアリですか?
A. 特殊な設計(超低レバ+長期保有)なら成立することもありますが、初心者にはハードルが高く、通常トレードには向きません。

Q8:ナンピンすれば損切りしなくても耐えられるのでは?
A. ナンピンは資金に余裕があり戦略設計されていれば使える場面もありますが、無計画なナンピンは損失拡大の典型パターンです。

Q9:損切りのラインが曖昧で毎回迷ってしまいます。
A. 事前に「◯円まで来たら切る」と決めておく“事前戦略”が有効です。損切りは感情で判断せず、機械的に設定しましょう。

Q10:損切りなしで勝ち続けている人もいますよね?
A. 一部にはいますが、ほとんどはリスクを極限まで抑えた“特殊な運用”です。再現性が低く、一般トレーダーには不向きです。

FXは損切りしなければ勝てる!?10pips設定は正解か?のまとめ

  • 「FXは損切りしなければ勝てる」という考え方は、長期的には危険
  • 損切りを入れないトレードは、資金コントロールを放棄する行為に等しい
  • 「戻るだろう」という期待に頼ると、含み損が膨らみ続けて判断を誤りやすくなる
  • 安定して勝つトレーダーほど、損切りを戦略として事前に明確に決めている
  • 損切り幅を10pipsに固定する方法は、環境に合えば有効だが万能ではない
  • 相場のボラティリティとズレた損切り設定は、損切り貧乏に陥る原因になる
  • 勝率とリスクリワードの期待値から損切り幅を逆算することが重要
  • スタイルごとに適した損切り設計を見直すことで、トレードの安定性が増す
  • 一部のFXトレーダーは損切りなしで利益を出しているが、極端に限定的な条件下に限られる
  • 損切りできない原因が心理的な場合は、メンタル設計と仕組み化が有効な対策になる

📌 FPからのワンポイントアドバイス

損切りをどう設定するかは、トレード技術ではなく「資産を守るための防衛設計」に近い発想です。大切なのは、「損を避けること」ではなく、「損をコントロールすること」。この視点を持つだけで、トレードの安定感と継続性は一気に変わります。“切るべきときに切れる自分”をつくることが、資産を守り抜く第一歩です。

【本記事の関連ハッシュタグ】

#FX #損切り #勝てる #10pips

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