
経済指標の発表前にポジションを取るべきか、それとも発表を待つべきか──。FXトレーダーにとって、これは勝敗を分ける重要な判断ポイントです。発表前に仕込めば大きな利益が狙える一方、相場が予想外に動けば一瞬で損失を抱えるリスクも。特に米雇用統計やCPI(消費者物価指数)などのビッグイベント時は、プロのトレーダーですら判断が分かれるほど慎重な判断が求められます。

本記事では、「経済指標前にポジションを持つべきか?」という問いに対してリスク・メリット・勝ち残る戦略まで詳しく解説します。
- 📌経済指標と為替変動の関係がわかる
- 📌発表前にポジションを取る判断基準を解説
- 📌リスク管理とポジション調整のコツを紹介
- 📌初心者にも使える戦略と実践例を掲載
FX経済指標前にポジションを持つべきか?判断軸とリスク整理
経済指標と為替変動の関係とは?
経済指標は、各国の景気・雇用・物価動向を数値化して公表するもので、市場参加者にとって“政策・景気の体温計”ともいえる存在です。
FX市場では、以下のような場面で経済指標が相場の方向性を左右します。
📌主な影響ポイント
経済指標 | 為替への影響例 | 反応の傾向 |
---|---|---|
米雇用統計(NFP) | 景気の強さを示せばドル高、弱ければドル安 | 発表直後に急変動しやすい |
消費者物価指数(CPI) | インフレ圧力があれば利上げ観測 → 通貨高 | 金融政策との連動性が強い |
GDP速報値 | 経済成長が予想を超えれば通貨買い圧力 | 想定外の結果に大きく反応 |
政策金利発表 | 金利据え置き・利上げ・利下げによって変動 | サプライズ要素が強い |
結果が予想通りであれば“織り込み済み”で反応は限定的ですが、意外な結果になれば“急激な上下”が起こることも少なくありません。
発表前にポジションを取る人の心理と傾向
経済指標発表の“前”にあえてポジションを持つトレーダーには、共通する心理と行動傾向があります。
その根底にあるのは、「もし大きく動いたらチャンスを逃すかもしれない」という焦りや期待です。
📌よくある心理状態
-
指標結果を予想し「自信があるから今のうちに入っておきたい」
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ポジション保有中に指標が当たれば「一発逆転できる」という期待
-
SNSやニュースで「発表前に仕込んだ方が儲かった」という声に影響される
特に初心者や経験の浅いトレーダーは、“動いた後では遅い”という焦燥感からポジションを取りがちです。
📌実際の傾向とリスク
トレーダータイプ | 発表前の行動傾向 | 主なリスク |
---|---|---|
初心者 | SNSやYouTubeの煽りでエントリー | 結果に振り回され損切りできない |
中級者 | テクニカル根拠に自信を持って保有 | スプレッド急拡大に巻き込まれる |
上級者 | 分割ロットで“反応の初動”だけ狙う | 損切りラインの徹底が必要 |
発表直前の取引は危険?プロも警戒する理由
経済指標の発表直前にエントリーするのは、経験豊富なトレーダーでさえも慎重になるタイミングです。
なぜなら、この瞬間には予測不能な値動き=スプレッド拡大やスリッページが頻発し、どれだけ事前準備をしていても狙った価格での約定が困難になるからです。
特に以下のようなリスクが存在します。
発表直前のリスク | 内容 |
---|---|
スプレッドの急拡大 | 通常0.2〜0.5pipsの通貨ペアが3〜10pips以上に広がることもある |
スリッページ | 発注価格と約定価格がずれ、思わぬ損失になる可能性 |
指標のサプライズ | 予想を大きく上回る(または下回る)結果で想定外のボラティリティが発生 |
成行注文の失敗 | 注文が通らない、もしくは大きく滑って約定するケースがある |
📌プロトレーダーの対応策
-
発表3分前までにポジションを整理してノーポジで待機
-
あえて指標発表後の“第2波”のトレンド発生を狙う
-
重要指標の日はトレードしない選択をする
実際、ファンドなどのプロ勢は「避けられるリスクは徹底的に排除する」という考えが基本にあります。トレードはギャンブルではありません。発表直前の取引は、技術よりも運の要素が強くなるため、初心者ほど避けるべきタイミングです。
経済指標の重要度とボラティリティの関係
経済指標には「重要度」が設定されており、この重要度によって為替相場に与える影響=ボラティリティ(変動幅)も大きく異なります。
重要度が高い指標ほど、発表時の値動きが激しくなり、ポジション保有中のリスクも増します。
▼指標の重要度とボラティリティの相関図
重要度 | 主な経済指標 | 発表後の想定ボラティリティ |
---|---|---|
★★★(高) | 米雇用統計/CPI/FOMC/政策金利 | 50~200pips以上動くことも |
★★(中) | 小売売上高/PMI/GDP速報値 | 20~80pips程度 |
★(低) | 在庫統計/住宅着工件数/鉱工業生産 | 10~30pips程度 |

通貨ペアによって同じ指標でも動きやすさは異なります。例えばポンド系やオセアニア系通貨は、重要度の高い指標でボラティリティが極端に跳ねやすい傾向があります。
▶ 最新の通貨ペア別ボラティリティランキングはFX通貨ペアのボラティリティ一覧!2025年最新ランキングと比較表を参考にしてください。
▼重要度の見分け方:指標カレンダーの「色」や「★」表示
多くの経済指標カレンダーでは、以下のように視覚的に重要度を区別できます。
-
赤や★★★表示:極めて重要(要注意)
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黄や★★:中程度の注目度(場合により影響あり)
-
白や★:ほとんど相場に影響なし(スルーしてOK)
発表前ポジションのメリットと勝率が上がる条件
経済指標発表「前」にあえてポジションを取る戦略には、ハイリスクながら一定のメリットも存在します。
特に以下のような状況下では、短時間で大きな利益を得られるチャンスが生まれます。
📌発表前エントリーのメリット
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初動を取りにいけるため、短時間で値幅を狙える
-
指標の内容を事前予測しておけば、結果が一致した際に爆発的な利益になる
-
方向感が明確な相場では、上振れ下振れを取りにいく“両建て戦略”も可能
📌勝率が上がる条件とは?
以下の条件が揃う場合、発表前エントリーは有効な戦略になり得ます。
勝率が上がる条件 | 解説 |
---|---|
相場に織り込みが進んでいる | 直近の値動きで市場の期待方向が明確な場合 |
予想と大きな乖離がないと考えられる指標 | 例えば失業率や小売売上高など、予測値との乖離が小さい傾向にあるもの |
直前の要人発言・発表がないこと | 想定外の材料が重なると急変動リスクが上がるため |
リスクを限定できる損切り戦略を持っている | 逆行した場合にすぐに撤退できる判断力・自動損切り設定など |
発表前にエントリーするなら?タイミングの見極め方
経済指標の発表前にポジションを持つことは、大きなリスクと同時にリターンの可能性も孕んでいます。
ですが“いつエントリーするか”というタイミングを誤ると、一瞬で損失に直結します。
以下では、実際のトレーダーが使っている3つの判断軸を紹介しつつ、勝ちやすいタイミングと避けるべき状況を可視化していきます。
✅ 経済指標発表前の“3つのエントリー判断軸”
判断軸 | 内容 | ポイント |
---|---|---|
1. 指標の重要度 | 米雇用統計・CPIなど「ボラティリティが高い指標」かどうか | 重要度が★3のときは様子見が基本。★1〜2ならエントリー検討 |
2. 市場の織り込み度 | 直前の為替変動で“発表内容を先回り”しているかどうか | すでに大きく動いていれば“出尽くし反応”を狙える場合あり |
3. 流動性と時間帯 | 東京・ロンドン・NY市場の重なり時間帯か | 特にロンドン〜NY序盤の流動性が高い時間は動きが読みづらい |
⚠ タイミングを間違えるとどうなる?
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指標の5〜10分前にエントリー → “上下どちらかに急変動”で一瞬で逆指値にヒット
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指標発表の2〜3時間前にエントリー → “持ちすぎ”によるスプレッド拡大の被弾リスク
📌 おすすめのタイミング戦略
-
勝率を狙うなら: 発表30〜60分前に、ローソク足のダマシ回避を見てエントリー
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リスク回避重視なら: 発表後にローソク足2~3本の方向性を見てから追従(ブレイクアウト)
▶ 指標の重要度と変動幅の関係はFX通貨ペアのボラティリティ一覧!2025年最新ランキングと比較表を参考にしてください。
発表前ポジション取りで失敗するパターン
経済指標発表の前にポジションを取る手法は、リスクとリターンの振れ幅が極端です。
経験豊富なトレーダーでも失敗することがあり、初心者であればなおさら“ありがちな落とし穴”に陥りがちです。
以下に、特に見落とされやすい失敗パターン5選を紹介します。
❌ 発表前トレードの典型的な失敗例
失敗パターン | 内容 | リスクポイント |
---|---|---|
① 想定と逆に動く「逆指標サプライズ」 | 市場予想を超えた結果で急反転 | 指標の結果より“予想値”との乖離が重要 |
② スプレッド拡大に巻き込まれる | 発表前後でスプレッドが一時的に10倍以上になることも | 損切りポイントが意味をなさなくなる |
③ 根拠のない“勘トレード” | ニュースの見出しやSNSでポジションを持つ | エビデンスのない判断は高確率で失敗 |
④ 発表直前にロットを増やす | 「当たれば大きい」という思考でポジション過多 | 負けた場合、復帰困難な損失になる |
⑤ 指標内容を誤解する | 雇用統計なのに失業率しか見ていないなど | 相場に影響する“主要要素”を理解していない |
📌 チェックリスト:発表前トレードでやってはいけない行動
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□ 発表5分前にロット増加をしていないか
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□ スプレッドの広がりを想定していないまま注文していないか
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□ 結果発表後の“2本目ローソク足”を待たずに飛び乗っていないか
🧭 対策ポイント
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エントリー前に指標の“市場予想”と過去の反応を必ず確認
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ポジションサイズは「通常時の50%以下」が基本
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利益より“生き残ること”を優先して判断
リスクを抑えて勝ち残るためのポジション管理術
ポジションの取り方と適正ロットの考え方
FXでのポジション取りは、単に「買う・売る」だけでなく、保有量(ロット)やタイミング、資金管理の総合判断が求められます。
特に経済指標前後のような高ボラティリティ相場では、適正なロット設計=生存戦略ともいえます。
▶ ポジション取りの基本ステップ
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相場環境を確認(方向感・直近レンジ・トレンド継続性)
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重要指標の前後かどうかを判断
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許容損失額をベースにロットを逆算
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ストップロスとリミットを明確に設定
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エントリー根拠が崩れたら即撤退
💡 ロット数の具体的な計算例
項目 | 設定内容 |
---|---|
口座資金 | 100,000円 |
許容損失(2%) | 2,000円 |
ストップ幅 | 20pips(0.2円) |
1ロットあたりの損失 | 1,000円(1万通貨) |
→ 適正ロット数 | 2ロット(2万通貨) |

❌ 間違ったポジションの取り方例
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「この指標は上がる気がするから大きく張る」
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「負けが続いたから倍ロットで取り返す」
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「損切りは遠く、利確は近くでいい」→逆です!
📌 覚えておきたいルール
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レバレッジ25倍でも、フルレバは破滅の入り口
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損失額から逆算してロットを決めるのが“プロの基本”
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難しい局面では“ポジションを持たない”という選択も武器
▶ より詳しいロット数の考え方や、レバレッジ別のリスク比較については、FXのレバレッジ25倍は危険?他倍率との比較とリスク管理法まとめを参考にしてください。
ポジション比率の見方とリアルタイム確認法
ポジション比率とは、特定の通貨ペアに対して「買いポジション」「売りポジション」が市場全体でどの程度の割合かを示したデータです。
多くのトレーダーがどちらの方向に賭けているかを知ることで、逆張りや順張りの判断材料になります。
<ポジション比率の例(ドル円)>
項目 | 割合 |
---|---|
ロング(買い) | 70% |
ショート(売り) | 30% |
■ リアルタイムで確認できる主なサイト
サイト名 | 特徴 |
---|---|
外為どっとコム | 日本語対応・通貨ペア別に見やすい |
OANDAオープンオーダー | 注文情報と比率を同時に確認可能 |
Myfxbook | 海外トレーダーのポジション比率を網羅 |
■ 見方のポイント
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買い比率が極端に高い(80%以上) ⇒ 相場が反転しやすい「過熱感」
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買いと売りが拮抗している(50%前後) ⇒ 明確なトレンドがない
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特定時間で急変した場合 ⇒ 経済指標や要人発言の影響の可能性大
ポジションを持ち続ける判断基準とは?
経済指標の発表前後は、わずか数秒で相場が10〜30pips以上動くことも珍しくありません。
こうした局面で「ポジションを持ち越す」かどうかは、感情ではなく数値とシナリオに基づいた判断が不可欠です。
✅ 【保有続行】が合理的なケース
判断軸 | 具体的な判断条件 | 理由と補足 |
---|---|---|
含み益 | 含み益が30pips以上あり、逆行しても±0で逃げられる | 直後にスプレッドが開いても耐えやすい |
損切り設定 | 利益幅以上の損切りを事前に設定済み | 感情に左右されず自動対応できる |
発表される指標の相関性 | 保有中の通貨が発表指標とあまり連動しない(例:NZD保有中に米雇用統計) | 価格への影響が限定的 |
ロット数 | 口座残高の5%以下に抑えた軽い建玉 | ハイボラでも追証・ロスカット回避可能 |
❌ 【決済または一時撤退】が妥当なシグナル
-
含み損が−20pips以上かつ逆行余地が大きい
-
ストップロス未設定、裁量判断に頼っている
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発表される指標が「政策金利」「雇用統計」などの超重要指標
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1ポジションで口座資金の20%以上を張っている(過剰リスク)
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発表直後の急変動で指値・逆指値が滑ると致命傷になる可能性がある
📘 保有してよい or 撤退すべき判断
-
EUR/USDロングで+40pipsの含み益/雇用統計発表前 → 保有継続も視野
→ 損切り設定済・重要指標と相関性あり・軽いロットなら保持も可 -
GBP/JPYショートで−10pipsの含み損/英CPI発表前 → 撤退が妥当
→ 逆行余地が大きく、イベント直撃。ボラ拡大で損拡大のリスク高
ポジション数が多すぎる人のリスクと対策
FX初心者に多い失敗のひとつが「エントリーしすぎて、気づけば複数ポジションを同時保有していた」という状態です。
一見リスク分散に見えても、管理不能なポジション数はむしろ大損への近道です。
🔻 ポジションを増やしすぎることの3つのリスク
リスク項目 | 内容 | 具体例 |
---|---|---|
資金の分散化 | 各ポジションが小口化され、リターンも薄まる | 10ポジション×0.1Lotで全部逆行して損切り連発 |
相関リスクの増加 | 複数通貨ペアでも、実質「同じ動き」をする場合がある | USD/JPYとEUR/JPYを同時保有し、円高でW損失 |
判断の混乱 | 1つずつの戦略がブレ、ロスカットや利確の判断が遅れる | 「どれを優先して切るべきか」が曖昧になる |
✅ 適切なポジション管理の目安は?
以下の表は、一般的な裁量トレーダーにおける「無理のない同時保有数」の目安です。
トレード歴 | 同時保有の目安 | 理由 |
---|---|---|
初心者(半年未満) | 1~2ポジションまで | 判断に集中できる範囲内 |
中級者(1年以上) | 3~4ポジションまで | 通貨の相関関係を理解していれば可能 |
上級者(3年以上) | 5ポジション以上も管理可能 | ヘッジやポートフォリオ意識が必要 |
📌対策:増えすぎを防ぐ3つの工夫
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1日の最大ポジション数に上限を決める(例:3つまで)
-
通貨の相関性をチェックし、似た動きをする通貨は1つに絞る
-
エントリー前に「出口戦略(利確・損切)」を必ず決める
🔗 FX通貨ペアのボラティリティ一覧!2025年最新ランキングと比較表
→ 各通貨ペアの変動性を知ることで、ポジション数の調整がしやすくなります。
ポジション調整とは?トレード中級者の戦略
「ポジション調整」とは、すでに保有しているポジションを状況に応じて増減・分割・方向転換などで最適化していく手法です。
これは中級者以上が意識して行うリスク管理であり、初心者のうちは無理に取り入れる必要はありません。
🔄 ポジション調整の基本パターン
調整タイプ | 内容 | 使用場面 |
---|---|---|
ナンピン(買い増し) | 損失ポジションを追加して平均取得価格を下げる | トレンドの一時的な逆行と見た場合 |
利確分割 | 一部だけ利益確定し、残りは伸ばす | 急騰時や指標発表前など |
損切り分割 | 全損せず、半分だけカットする | 不透明感が強まった場面 |
反対ポジションを建てる(ヘッジ) | 同通貨の逆ポジションを持つ | 突発的なニュース発生時 |
📊 ポジション調整の選択パターン(指標発表前後)
↓
【経済指標前】
┗ 強いトレンド予想 → 利確 or 部分決済
┗ 不透明・荒れそう → 全決済 or 反対ポジション追加(ヘッジ)
↓
【経済指標後】
┗ 想定通りの方向 → 買い増し(押し目狙い)
┗ 想定外の方向 → 一部損切りまたは撤退
💡ポジション調整の注意点
エントリー後の決済タイミングと見極めポイント
エントリー後に「どこで決済するか?」の判断は、利益確定の精度や損切りの適正さを左右する極めて重要な局面です。
特に経済指標前後のトレードでは、短期的なボラティリティの急変があるため、決済判断の質が結果を大きく左右します。
✅ 利確の見極めポイント
タイミング | 判断材料 | 解説 |
---|---|---|
レジスタンス到達 | 過去の高値やフィボナッチ指標 | 反発しやすいため、利確ポイントにしやすい |
指標発表直前 | 発表で乱高下が予想される場合 | 利益が出ていれば発表前に一部決済が有効 |
トレンド失速の兆し | ローソク足の弱含み/MACDデッドクロスなど | 一度利確して仕切り直す判断もあり |
❌ 損切りの見極めポイント
状況 | 判断材料 | 対処方法 |
---|---|---|
サポート割れ | 過去安値・トレンドライン | 明確に割れたら即損切りを |
想定と逆方向の指標結果 | 例:雇用統計でドル売り加速 | 高速損切りの判断が重要 |
長時間レンジ化 | 値動きが停滞し続ける | 機会損失と判断し撤退も視野に |
🔍 決済判断のフロー
↓
【利益が出ている】
┗ 指標前 → 一部利確/全利確
┗ 指標後でトレンド継続 → 継続保有 or 分割利確
┗ サポート/レジスタンス明確に突破 → 損切り
┗ 横ばい続き → 時間で撤退判断も
🧭 判断ブレを防ぐために
-
決済ルールは事前にシナリオとして複数用意しておく
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トレード記録を残すことで判断の癖が可視化できる
-
「利確は正義、損切りは自衛」の原則を忘れずに
過去の経済指標とポジション取りを検証する方法
経済指標発表時のトレードで勝率を高めるには、過去の相場反応を定点観測することが不可欠です。
特にポジション取りの精度を高めるためには、「同じ指標が過去にどう動いたか」という再現パターンの把握が有効です。
✅ 検証に使えるデータとサイト
検証対象 | 内容 | おすすめツール |
---|---|---|
経済指標の結果と予想 | 予想と結果の乖離がどれほどか | Investing.com 経済指標カレンダー |
発表直後の値動き | 初動の上下動、数分間の動き方 | TradingViewチャート+リプレイ機能 |
発表後のトレンド | 1時間〜数時間後にどう推移したか | MT4/MT5のヒストリカルチャート |
🔁 検証の具体ステップ(例:米雇用統計)
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過去3ヶ月〜1年分の指標結果と予想値を一覧にする
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その発表前後のチャート(5分足・15分足)を確認
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ポジション取りタイミングを仮想で決めて勝敗記録
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どんな条件で勝ちやすい/負けやすいかを傾向化
📊 検証の流れフローチャート
↓
チャートで発表前後の値動き確認
↓
仮想ポジション取り&利確・損切シミュレーション
↓
「うまくいった条件/失敗条件」を分析
↓
次回以降の判断材料に反映
💡 検証の質を高めるコツ
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スプレッド拡大タイミングも含めて見る
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負けトレードも重要な学習データ
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チャートだけでなく感情や判断の記録もメモすると精度UP
🔗 経済指標カレンダーおすすめ5選!見やすさと使いやすさで選ぶ2025年版
→ 検証作業には「予想」「結果」「重要度」表示の正確な確認が必須。
トレード日記で“判断のズレ”を可視化する方法
ポジション取りの精度を上げるには、「自分の思考と実際の値動きのズレ」に気づくことが大切です。そのための強力なツールがトレード日記です。
✅ トレード日記に記録すべき要素
項目 | 内容 | 書くべきポイント |
---|---|---|
エントリー日時 | 指標発表前後か/足種・タイミング | なぜそのタイミングを選んだか |
経済指標の種類 | 例:米CPI/FOMCなど | 「重要度」は3段階で記載推奨 |
予想シナリオ | 上がる/下がる+その理由 | ファンダ・テクニカル問わずOK |
結果と反省点 | 実際の動きと自分の判断の差 | 勝敗より“理由のズレ”に注目 |
📒 実践例(米雇用統計)
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シナリオ:予想より強くドル高になると判断、指標2分前に買い
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結果:発表直後に一時上昇するも、10分後に急落して損切り
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反省点:「初動しか見ていなかった」「利確目標が曖昧だった」
📊 トレード日記による“判断ズレの可視化”フロー
↓
実際の値動きと比較
↓
ズレたポイントを赤字で明記
↓
次回のエントリー判断に活かす
💡 日記を習慣化するメリット
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感情のブレに気づける
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成功パターンの再現性が高まる
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「指標発表時はやらない」など自分ルールの根拠が見えてくる
🔗 FX初心者向けトレード日記の書き方!エクセル記録テンプレート付きガイド
→ 判断ズレや感情の揺れを「見える化」し、再現性あるトレードに近づける手段。
発表前トレードを避けるならどう稼ぐ?代替戦略
経済指標の発表直前にポジションを持つのはリスクが高いため、あえて“避ける戦略”を取るトレーダーも少なくありません。
ではそのようなスタンスでも、どのようにして収益を確保していくべきなのでしょうか。ここでは代替となる3つの現実的アプローチを紹介します。
1.スイングトレードで中長期の波を狙う
発表タイミングの「瞬間的な乱高下」を回避しつつ、より大きなトレンドの中で優位性を築くのがスイングトレードです。
特徴 | 内容 |
---|---|
想定保有期間 | 数日〜数週間 |
利益目標 | 50〜300pips前後 |
指標の影響 | 発表をまたぐ場合はリスクありだが対応可能 |
利用される分析法 | テクニカル+週次・月次のファンダ |
➡ 短期ではなく“相場の大きなうねり”を捉える目線が必要です。
2.通貨ペアを選び直す
経済指標の影響が集中する米ドルやユーロを避けて、比較的安定した通貨ペアで取引を行う手段もあります。
-
CAD/CHFやAUD/NZDなどは重要指標発表の影響が限定的
-
一部のペアはボラティリティが低いため、急変動リスクが軽減される
ただし、流動性やスプレッドの広がりには注意が必要です。
3.経済指標後に“方向感”を見てから入る
「出尽くし後」のトレンド方向に乗る戦略も有効です。
特にプロが重視するのは以下の要素です。
-
初動の上下に振らされた後の「実体トレンド」
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出来高とローソク足の実体の大きさ
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時間足を上げてブレの少ない形で判断する
よくある質問Q&A10選
Q1:経済指標の前に必ずポジションを取るべきですか?
A. いいえ。指標の重要度や相場の地合い次第では、ノーポジションが最善の判断となることもあります。
Q2:初心者が指標発表前に取引すると危険ですか?
A. はい。予測不能な値動きが多いため、まずは“発表後に動きが出た方向に乗る”戦略が推奨されます。
Q3:どの指標が最も相場に影響を与えますか?
A. 米国雇用統計(NFP)、FOMC政策金利、CPIなどが特にボラティリティを生みやすい指標です。
Q4:発表後すぐに入るべきタイミングはいつですか?
A. 直後は値が飛びやすくリスクが高いため、1〜3分ほど動向を見てからのエントリーが堅実です。
Q5:ポジション比率はどの程度が安全ですか?
A. 一般的には口座資金の1〜3%を1トレードあたりの損失許容範囲に収めるのが安全とされています。
Q6:経済指標カレンダーはどのサイトがおすすめですか?
A. Investing.com、みんかぶFX、外為どっとコムなどが視認性・速報性ともに高く、利用者も多いです。
Q7:デモトレードではこのリスクは体感できますか?
A. はい。スプレッド拡大や約定遅延の再現は難しいですが、発表後の値動きは十分に観察できます。
Q8:スイングトレードと指標発表は相性が悪い?
A. 発表をまたぐ保有はリスクが高くなりますが、事前に建玉を軽くする・一部決済するなどで対策可能です。
Q9:なぜプロは発表前にポジションを持たないのですか?
A. 短期の変動ではテクニカルが効きにくく、ギャンブル要素が高いためです。リスクと報酬のバランスを重視します。
Q10:発表直前でスプレッドが急拡大するのはなぜですか?
A. 流動性が急減し、マーケットメーカーがリスク回避のためにスプレッドを広げるためです。
FX経済指標前にポジションを取るべきか?発表直前の取引リスクと勝ち残る戦略のまとめ