
本記事は、「インド株はやめておいた方がいいのか?」、その疑問に対し、投資初心者でも正しく判断できるよう、インド株投資のリスクと魅力をわかりやすく解説します。
話題の新NISAや注目の投資信託を通じて、インド経済の今後10年の見通しがどれほど有望なのか、あるいは注意すべきなのか――。
IMFや世界銀行の成長予測、実際の信託報酬、過去のリターンデータなど、信頼できる情報に基づいて深掘りしましたので是非参考にされて下さい。
-
インド株がやめとけと言われる理由がわかる
-
初心者向けの投資信託の選び方がわかる
-
インド株の今後10年の見通しがわかる
-
新NISAでのインド株の投資方法がわかる
- インド株はやめとけ!と言われる理由!
- インド株の今後10年の見通しは?
- インド株の今後10年は成長するのか?
- IMF・世界銀行のインド成長率予測は?
- インドは2030年にGDP世界一になる?
- 株価下落の理由と今後の回復見通し
- インド株は暴落のリスクがある?
- インドの財政赤字は将来の不安材料?
- 減税による内需拡大に期待できる?
- インド株のインデックス平均リターンは?
- iFreeNEXTのインド株インデックスの現状
- eMAXISインド株はいつから始まった?
- インド株投資信託のおすすめランキング
- 新NISAの成長投資枠とインド株の関係
- オルカンとの組み合わせ投資はあり?
- 中小型株の過熱感とリスクに注意
- ユニコーン企業のIPOと市場の将来性
- よくある質問Q&A10選
- インド株はやめとけ!と言われる理由!今後10年の見通しは?のまとめ
インド株はやめとけ!と言われる理由!
個別株はADRでしか買えない不便さ
結論から申し上げると、日本の投資家がインド企業の個別株を直接購入することは現時点ではできません。
これはインド政府が、外国人による直接株式売買に制限を設けているためです。
日本からインド株にアクセスするには、米国市場に上場しているADR(American Depositary Receipt:米国預託証券)を通じて購入するしかありません。
ADRとは、インド企業の株式を裏付けとした証券を、米国市場で取引できるようにしたものです。
これは一見便利に思えますが、実際には米国市場経由となるため「二重の市場リスク」を抱えることになります。
例えば、インド企業の業績が良好でも、米国市場の急変に影響されて価格が大きく動くことがあり、インド企業本来の価値に連動しないリスクがあります。
さらに、日本円から米ドルへ、そして米ドルからインドルピーへと、為替の影響が二重にのしかかる形となり、為替差損のリスクも大きくなります。
このように、個別株でインド株に投資するのは手間がかかるうえに、リスクが複雑に絡むため「やめとけ」と言われる理由のひとつになっています。
投資コストが高く利益を圧迫する
インド株投資には、他の先進国株式と比べて投資コストが高くつくケースが多いです。
たとえば、一般的なインデックスファンドの信託報酬を比較してみましょう。
S&P500に連動する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬は0.09372%ですが、インド株の代表的なファンドである「楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド」は0.308%、さらに「iFreeNEXT インド株インデックス」は0.473%と、3〜5倍の差があります。
ファンド名 | 信託報酬(年率) |
---|---|
eMAXIS Slim S&P500 | 0.09372% |
楽天・インド株Nifty50 | 0.308% |
iFreeNEXT インド株 | 0.473% |
NF・インド株ETF | 1.045% |
また、ADRを利用した場合には、売買時にSEC Fee(米証券取引所の手数料)や、委託手数料などが追加で発生します。
これに加えて、インド株にはキャピタルゲイン税が課税されるという特徴もあります。
保有期間が1年未満であれば20%、1年以上であっても12.5%の税率が適用されます。
投資信託であればNISA口座を使うことでキャピタルゲイン税を回避できますが、NISA対象ファンドが限られている点にも注意が必要です。
長期的な資産形成を目的にするのであれば、こうしたコスト面のインパクトは決して小さくありません。
インド株は情報収集が難しい
インド企業は、企業情報や財務データの公開がまだまだ不十分で、日本語での情報も極端に少ないのが実情です。
日本国内で流通しているインド株に関するレポートや分析記事は、米国株や日本株と比較すると圧倒的に少なく、個人投資家が自力で正確な企業情報を得るのは簡単ではありません。
また、英語や現地語での公式IR情報に頼る必要があり、情報のタイムラグも生じがちです。
市場ニュースが十分に翻訳される前に価格が動いてしまうことも珍しくありません。
投資判断をするための材料が不足している状態で資金を投入することは、まさに「情報弱者」が損をする典型例とも言えるでしょう。
こうした背景から、初心者や中級者の投資家が十分な情報に基づいてインド株を選定することは極めて困難であり、「やめとけ」とされる大きな理由のひとつです。
楽天証券でインド株を買う手数料はいくら?
楽天証券でインド株投資を行う場合、多くは投資信託を通じて間接的にインド株に投資することになります。
楽天証券で購入できる代表的なインド株投資信託の例として、「楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド」があります。
このファンドの信託報酬は年率0.308%で、買付手数料は無料です。
ただし、為替ヘッジは基本的に行っていないため、円安・円高の影響を直接受ける点に注意が必要です。
また、ファンドによっては、信託財産留保額やIFA手数料(金融商品仲介業者経由での購入時に発生する費用)が別途かかる場合もあります。
さらに、売却時には信託財産留保額や為替のタイミングによる受渡差損の可能性もあるため、トータルでのコスト感を正しく理解しておくことが大切です。
オールカントリーのインド株の割合はどれくらい?
「オルカン」の略称で知られる「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」は、世界中の株式市場に分散投資するインデックスファンドです。
非常に人気の高い投資信託ですが、この中に占めるインド株の割合はごくわずかです。
2024年時点での構成比率を見ると、オルカンの中でインド株が占める割合は1〜2%程度にとどまっています。
つまり、オルカンを保有しているからといって「インド株に投資している」とは言い難い水準です。
インド株に本格的に投資したいと考えている方は、オルカン一本では不足であり、専用のインド株ファンドを別途組み入れる必要があります。
ただし、ポートフォリオ全体に占めるインド株の比率には注意が必要です。
集中投資になるとリスクが高まりやすいため、全体の10~20%を上限とするのが安全策といえるでしょう。
オルカンにインド株はどれだけ含まれている?
前述の通り、オルカンにはインド株もわずかに組み込まれていますが、2025年初頭の構成比率では約1.2%程度とされています。
この比率は、MSCI ACWI(All Country World Index)の国別構成に準拠しており、インドのGDPや人口に比しては低めです。
その理由の一つとして、インド企業の時価総額がまだ相対的に小さいことや、外国人投資家への市場開放度が限定的であることが挙げられます。
したがって、オルカンを主軸とした分散投資戦略では、インド市場の恩恵を本格的に享受することは難しいでしょう。
【オルカンにおける国別構成比率】
国・地域 | 構成比 |
---|---|
米国 | 約60% |
日本 | 約6% |
中国 | 約3% |
インド | 約1.2% |
インドの経済成長の恩恵を受けたいと考えている投資家は、インド株を主対象としたファンドを検討する必要がありますが、その分、リスク管理も求められることを理解しておくべきです。
インド株の割合はあくまで一部に過ぎませんが、インド経済の変動がオールカントリーの価格に影響を与えることもあります。
→ インドを含む新興国の不安が、オールカントリーの下落要因としてどう関わるかはこちらの記事をご覧ください。
インド株の信託報酬はどれくらい高い?
インド株ファンドは、信託報酬が高い傾向にあります。
信託報酬とは、運用管理費用のことで、投資信託を保有している間、毎年自動的に引かれるコストです。
以下に代表的なファンドの信託報酬を挙げて比較します。
-
楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド:0.308%
-
iFreeNEXT インド株インデックス:0.473%
-
NF・インド株ETF:1.045%
特にETFであるNF・インド株ETFは1%を超えており、長期保有で大きなコスト差になります。
たとえば、100万円を10年間運用すると、信託報酬だけで数万円単位の差が生まれることになります。
また、これらのコストはパフォーマンスに直接影響するため、投資判断を下す際には信託報酬の違いに十分注意を払うべきです。
インド株の今後10年の見通しは?
インド株の今後10年は成長するのか?
結論として、インド株は中長期的に成長する可能性が高いと予測されています。
IMF(国際通貨基金)は2025年のインドの実質GDP成長率を約6.5%と見込んでおり、世界銀行も2024/25年度の成長率を7.0%前後と評価しています。
この背景には、人口増加と若年層の多さがあります。
2023年にはインドの人口が中国を抜いて世界一となり、労働力の供給と中間層の拡大による消費増加が見込まれています。
経済成長とともに企業業績の向上が期待され、それが株価の押し上げ要因になります。
さらに、インド政府はインフラ投資を拡大しており、成長を下支えする構造が整ってきています。
つまり、今後10年というスパンで見たとき、インド株は新興国の中でも高い成長ポテンシャルを持った投資先と言えるでしょう。
【インドのGDP成長率予測(2023年〜2030年)】
ただし短期的には調整局面も想定されるため、長期的視野に立った積立投資などが有効な戦略になります。
IMF・世界銀行のインド成長率予測は?
国際機関の見解もインドの将来に対しては楽観的です。
IMFは2025年にインドが6.5%の成長を記録すると予測しており、これはG20の中でも上位に位置する水準です。
また、世界銀行も2024年度の成長率を6.9%〜7.0%と見込んでいます。
特に注目されているのは、インドの内需拡大と構造改革の進展です。
例えば、政府による減税や、デジタル化政策、インフラ整備が進んでおり、これらが経済の底上げにつながっています。
このような成長率の予測は、投資家にとって「成長の果実を享受できる可能性がある市場」としてのインドの魅力を裏付けるデータです。
インドは2030年にGDP世界一になる?
現時点では、2030年に「GDP世界一」というのは少し誇張された見方です。
ただし、インドが今後10年で経済規模を大きく伸ばし、世界第3位の経済大国になるという見通しには現実味があります。
IMFの中期予測によれば、インドは2027年までにドイツを抜き、名目GDPベースで世界第3位に浮上する可能性が高いとされています。
これには14億人を超える人口、ITや製薬、金融など多様な成長産業の存在が大きく寄与しています。
また、インドの一人あたりGDPも着実に成長しており、国民全体の購買力の増加が株式市場にも波及することが予想されます。
成長率だけでなく「持続可能な経済モデル」を構築しつつある点も、世界経済の中での注目度を高めています。
株価下落の理由と今後の回復見通し
2024年9月以降、インド株は調整局面に入りました。主な要因は、以下の3つです。
-
中国株への資金シフト:中国政府の景気刺激策への期待から、一部の海外資金が中国に流れたことで、インド市場からの資金流出が起こりました。
-
米国の金利政策:米長期金利の上昇やFRBのタカ派的な見通しがドル高を誘導し、インド株へのリスク回避の動きを強めました。
-
企業決算の鈍化:2024年10〜12月期の企業決算では、多くの企業が市場予想を下回る業績となり、株価の重荷となりました。
それでも、中長期的には回復が期待されています。
2025年の政策金利の引き下げや、政府支出の再加速、若年人口の増加による個人消費の拡大などが、今後の回復材料として注目されています。
株価調整局面を「安値で仕込むチャンス」と見る声もあり、投資のタイミングを見極める柔軟な姿勢が求められます。
インド株は暴落のリスクがある?
インド株には、確かに暴落リスクがあります。
特に新興国市場特有の「カントリーリスク」が大きな要因となります。
インドは民主主義国家で安定した政治体制を持つとはいえ、選挙結果による政策の急変、為替の急落、企業不祥事などによって株価が大きく振れる可能性があります。
2025年初頭には、約192兆円相当の時価総額が失われたとの報道もあり、これは外国人投資家の資金引き上げが一因とされています。
中国との経済競争、米国の関税政策、インフレ率の変動など、外部要因も大きく影響します。
短期で見るとこうした不安要素がありますが、長期的には人口動態や成長余地といったポジティブな材料が上回ると考えられており、「下がるときに買えるか」が鍵とも言えるでしょう。
インドの財政赤字は将来の不安材料?
2025年度のインドの財政赤字はGDP比で4.4%と見込まれています。
これは前年度の4.8%からは改善していますが、依然として高水準です。
財政赤字とは、政府の歳出が歳入を上回る状態であり、この差を埋めるためには国債の発行が必要になります。
このような状況が続くと、長期金利の上昇や民間投資への影響、ひいてはインフレ圧力の増加につながります。
とはいえ、インド政府は財政健全化に向けて、減税や設備投資、雇用創出などの施策を進めており、構造的な改革も視野に入れています。
したがって、短期的な不安はあるものの、成長政策とセットで進むことで財政赤字も持続可能な範囲に抑えられる可能性があります。
投資家としては、こうしたマクロ要因にも目を向ける必要があります。
減税による内需拡大に期待できる?
結論から申し上げると、減税政策はインドの内需拡大に寄与する可能性が高く、長期的に見た株価成長を後押しする要因となります。
2025年度の国家予算案では、中間層向けの個人所得税の減税が盛り込まれており、特に年収127万5千ルピー以下の層には非課税措置が取られる予定です。
この減税措置により、個人の可処分所得が増え、裁量的支出(旅行・嗜好品・耐久消費財など)が活発化すると考えられます。
その結果、消費関連企業の売上が増加し、企業業績の改善が見込まれます。これが株価上昇につながる構図です。
また、税制の簡素化と中小企業支援の拡大も検討されており、経済全体への波及効果も期待されています。
消費主導の成長モデルに移行しつつあるインドにとって、減税は投資家にとって好材料といえるでしょう。
インド株のインデックス平均リターンは?
2025年2月末時点のiFreeNEXT インド株インデックスのリターンを見ると、過去6ヵ月で-15.51%、1年間でも-0.74%とマイナスに沈んでいます。
期間 | iFreeNEXTのリターン |
---|---|
6ヶ月 | -15.51% |
1年 | -0.74% |
3年(参考) | +21.5%(年平均推定) |
これは一時的な調整局面による影響であり、2024年9月以降の株価下落や為替の影響も要因です。
ただし、長期的なスパンで見ると、MSCIインド指数は過去5年間で米国株式を上回るパフォーマンスを記録してきました。
実際、iTrustインド株式などのアクティブファンドは、参考指数を超える成績を上げていた期間もあります。
つまり、短期のリターンだけを見て判断するのではなく、長期リターンや経済成長との整合性を見ながら投資判断を下すことが重要です。
iFreeNEXTのインド株インデックスの現状
iFreeNEXT インド株インデックスは、Nifty50指数に連動する運用を目指すファンドです。
2023年3月に設定され、現在の純資産額は約1,384億円に達しています。信託報酬は0.473%で、低コスト運用を目指していることが特徴です。
ただし、2025年1月以降は基準価額が下落基調にあり、リスク(価格変動率)も年率14.63%と高めの水準です。
直近のシャープレシオ(リスクあたりのリターン)は-1.11と、マイナスに転じています。
それでも、設定以来の純資産残高は右肩上がりで増加しており、投資家からの期待が高いファンドであることがうかがえます。
NISAの成長投資枠で利用可能な点も魅力のひとつです。
eMAXISインド株はいつから始まった?
eMAXISシリーズでのインド株インデックスファンドは、2024年4月に新たに「eMAXIS Slim インド株式(仮称)」として立ち上げられた商品もあります。
現時点では、S&P500や全世界株式のシリーズほどメジャーではありませんが、今後の商品ラインナップ拡充が期待されています。
eMAXISシリーズの強みは、業界最低水準の運用コストを目指すというポリシーです。
実際に、他のeMAXIS Slimシリーズでは、信託報酬が0.1%を切るものもあります。
今後、インド株市場への注目度がさらに高まれば、eMAXIS Slimインド株式の運用コストも競争力のある水準に近づいていく可能性があります。
インド株投資信託のおすすめランキング
注目されているインド株投資信託をランキング形式で紹介します。
特にNISA対象や純資産額などを基準に選定しました。
-
iFreeNEXT インド株インデックスファンド
・純資産:1,500億円以上
・信託報酬:0.473%
・Nifty50指数連動 -
楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド
・純資産:約200億円
・信託報酬:0.308%(最安水準)
・つみたてNISA対象ではないが、成長投資枠で買える -
SBI・iシェアーズ・インド株式インデックス・ファンド(サクっとインド株式)
・信託報酬:0.4638%
・設立105日で400億円の純資産を突破 -
NF・インド株ETF
・信託報酬:1.045%と高め
・Nifty50指数連動、ETFのため為替影響が大きい
それぞれに特徴があるため、信託報酬・投資期間・為替影響などを総合的に比較して選びましょう。
新NISAの成長投資枠とインド株の関係
新NISA制度では、つみたて投資枠と成長投資枠の2本立てとなっています。
インド株は、成長投資枠に該当する商品がほとんどで、つみたて枠では2024年2月時点で対象ファンドが1本のみという状況です。
成長投資枠を使えば、インド株インデックスファンドやETFも購入可能です。年間240万円まで非課税で投資でき、非課税期間は恒久化されています。
特に信託報酬が安めの「楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド」や「iFreeNEXT インド株インデックス」などは、成長投資枠の有力候補になります。
制度上の制限があるため、インド株へ積立投資をしたい人は「成長投資枠」を使うことが前提となる点に注意が必要です。
オルカンとの組み合わせ投資はあり?
「オルカン(全世界株式)」とインド株ファンドの組み合わせは、投資戦略として合理的です。
オルカンは分散性に優れている反面、インド株の比率は1~2%程度と少なく、成長国の恩恵を十分に享受できない場合があります。
一方、インド株ファンドはリスクが高い反面、高成長が見込めます。
そのため、オルカンを中核に据えつつ、インド株を10〜20%の割合で追加することで、ポートフォリオ全体の成長性を高めることが可能です。
注意点としては、インド株のみに偏りすぎないこと、短期的な値動きに一喜一憂しないことが挙げられます。
長期保有を前提とした分散戦略が有効です。
中小型株の過熱感とリスクに注意
インド株市場では近年、特に中小型株に対する過熱感が指摘されています。
PER(株価収益率)で見ると、過去20年平均が17倍に対し、直近では28倍に達しており、明らかに割高な水準です。
中小型株は、成長余地が大きい反面、業績の変動や市場の影響を受けやすいため、リスクも高まります。
特に投資初心者は、個別銘柄への投資よりも、インデックスファンドなどを通じた分散投資が推奨されます。
高いPERは期待先行である場合が多く、業績が期待に届かないと急落するリスクもあるため、慎重な判断が必要です。
ユニコーン企業のIPOと市場の将来性
インドにはユニコーン企業(評価額10億ドル以上の未上場企業)が100社以上存在し、世界でも第3位の規模を誇ります。
テクノロジー・消費・教育など多様な分野でスタートアップが急成長しており、今後も多くの企業が上場予定です。
過去2年間はインド市場でIPOが活発に行われており、新規上場企業への注目度も高まっています。
これにより、株式市場全体の流動性や成長期待が高まり、投資機会も拡大しています。
長期的には、これらの新興企業が時価総額を押し上げ、インデックスに組み入れられていくことが期待されます。
よくある質問Q&A10選
Q1. インド株はやめとけって本当?初心者には難しいの?
A. インド株が「やめとけ」と言われる背景には、投資初心者にはハードルの高い情報の少なさや、取引コストの高さがあります。特に個別株は日本国内から直接買うことができず、米国市場に上場しているADRを経由する必要があります。また、為替変動の影響が大きく、値動きも新興国特有のボラティリティがあるため、初心者が短期目線で手を出すのはリスクが高いとされています。ただし、長期で分散投資を前提とした投資信託を利用すれば、リスクを抑えながらインド経済の成長に乗ることは可能です。
Q2. インド株の投資信託にはどんな種類がある?違いは?
A. 現在、日本国内で購入できる主なインド株の投資信託には「iFreeNEXT インド株インデックス」「楽天・インド株Nifty50インデックス・ファンド」「サクっとインド株式」などがあります。これらはNifty50やS&P BSE SENSEXなど、インドを代表する株価指数に連動するタイプが多く、リスク分散の観点で優れています。ただし、信託報酬は0.3~0.5%程度と、米国株の代表的ファンド(例:S&P500系)の0.1%以下と比べて高めです。コストと成長期待を天秤にかけて選ぶことが大切です。
Q3. インド株の今後10年の見通しは明るい?
A. 長期的には明るい見通しです。IMFや世界銀行の最新予測では、インドのGDP成長率は今後も年率6〜7%台で推移する見通しで、2030年には世界第3位の経済大国になる可能性が高いとされています。人口ボーナスやIT産業、インフラ投資の加速も追い風で、株式市場の拡大余地は依然大きいです。ただし、為替リスクや財政赤字など注意すべき点もあります。インド株に投資する際は10年スパンでじっくり構える姿勢が求められます。
Q4. 初心者がインド株に投資するベストな方法は?
A. 初心者には「インド株に連動する低コストの投資信託」を活用した積立投資がおすすめです。理由は2つあり、1つはリスク分散が効く点、もう1つは長期でインド経済の成長を取り込める点です。iFreeNEXTや楽天のインド株ファンドは、信託報酬も比較的抑えられており、NISA制度の成長投資枠で活用すれば非課税メリットも得られます。個別株よりもリスクを抑えながら長期的な成長を狙える選択肢として有効です。
Q5. インド株の暴落リスクはどの程度ある?
A. インド株にも暴落リスクはあります。特に2024年には、外資の売り越しや米国金利の影響、中国株への資金移動などが影響し、一部インデックスは一時10%以上下落しました。加えて、新興国特有のカントリーリスクや為替変動、政治情勢の不透明さもあります。ただし、過去のデータを見ると暴落後にしっかり回復している傾向もあり、長期目線で分散投資を行えば過度に恐れる必要はありません。
Q6. インド株は新NISAの成長投資枠で買える?
A. はい、買えます。新NISAでは「成長投資枠」で、インド株の投資信託を購入することが可能です。たとえば「iFreeNEXT インド株インデックス」「楽天・インド株Nifty50インデックス」などは、2024年からの新制度でも成長投資枠に対応しています。ただし、「つみたて投資枠」で購入できる商品はごく一部に限られており、ほとんどのインド株ファンドは非対象となっています。
Q7. インド株とオルカン(全世界株式)を組み合わせるのはアリ?
A. 非常に理にかなった戦略です。オルカンにはインド株も含まれていますが、その割合は1〜2%程度と非常に少ないため、インドの成長性をしっかり取り込むには物足りません。そこで、オルカンを中心に据えたうえで、インド株投資信託をサテライトとして10~20%程度追加することで、バランスの良いポートフォリオが作れます。将来の見通しが明るいインド市場をピンポイントで強化したい人におすすめです。
Q8. インド株の平均リターンってどれくらい?
A. 直近では2024年〜2025年初頭にかけて調整局面があったため、1年間のリターンはマイナス0.74%と低調でした(iFreeNEXT インド株インデックスの場合)。ですが、過去5年や10年のスパンで見た場合、インド株式市場は年平均7~9%のリターンを記録しており、S&P500に匹敵する成績を残す年もあります。ボラティリティ(価格変動)は大きいですが、長期で見ると十分魅力的な投資対象と言えます。
Q9. 投資信託の選び方で注意すべきポイントは?
A. 初心者がインド株の投資信託を選ぶ際には、次の3点を重視すべきです。①信託報酬の低さ、②純資産残高の安定性、③連動しているインデックスの信頼性です。例えば、信託報酬が0.3%前後で、純資産が数百億円以上あるファンドは運用の安定性が高く、途中償還のリスクも低くなります。加えて、Nifty50などの代表的指数に連動するファンドを選べば、成長性も享受しやすくなります。
Q10. これからインド株を始めるならいつが良い?
A. タイミングを見計らうよりも、積立などで「時間分散」を図ることが重要です。2024年は調整局面で株価が下落したタイミングもあったため、現在は「割安に拾える時期」と見る専門家も多いです。ですが、新興国特有の価格変動は避けられないため、初心者が一括投資するのはリスクが高くなります。今後10年を見据え、毎月定額を投資することで価格変動の影響を抑え、インドの成長に乗る戦略が有効です。
インド株はやめとけ!と言われる理由!今後10年の見通しは?のまとめ
最後にこの記事のポイントをまとめました。
【あわせて読みたい関連記事】




【本記事の関連ハッシュタグ】
#インド株 #やめとけ #危険 #投資信託 #4資産均等型 #8資産均等型 #今後 #10年 #見通し #初心者