
本記事は、レバナスに10万円だけ投資して放置すれば、本当に10年後に100万円を目指せるのか?という疑問に、ETF・投資信託の違いや為替ヘッジなしのリスクまで丁寧に解説していきます。

レバナスの過去データやシミュレーション結果を交えながら、実際にどれほど増える可能性があるのか、現実的な視点で検証。長期保有を前提とした資産形成において、レバナスという選択肢が「あり」なのか「なし」なのか、迷っている方に実践的なヒントが詰まっていますので是非参考にされて下さい。
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レバナスを10万円放置した場合の10年後をシミュレーションできる
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ETFと投資信託の違いがわかる
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為替ヘッジなしのメリットとリスクを理解できる
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100万円を目指す現実性を判断できる
- レバナスETFを為替ヘッジなしで放置したらどうなる?
- レバナスETF10年後のシミュレーションと運用戦略
レバナスETFを為替ヘッジなしで放置したらどうなる?
レバナスとは?ETFと投資信託の違い
レバナスとは、NASDAQ100指数の値動きの2倍の成果を目指すレバレッジ型のファンドを指します。
「レバレッジ × ナスダック100」から命名された略称で、投資信託・ETFともに複数の商品が提供されています。
NASDAQ100は、米国ナスダック市場に上場する非金融系の時価総額上位100社(Apple、Microsoft、Amazonなど)で構成される株価指数で、近年ではその高い成長性が注目を集めています。
レバナスには大きく2つのタイプがあります。
分類 | 主な商品例 | 特徴 |
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投資信託型 | iFreeレバレッジ NASDAQ100 | 積立しやすく、初心者向け |
ETF型 | 楽天レバナスETF(2869)など | 信託報酬が低く、透明性が高い(中上級者向け) |
ETFと投資信託は同じ指数に連動していても、仕組みや使い勝手が異なります。
ETFは株と同様にリアルタイム取引が可能ですが、自動積立設定は難しい面があります。
一方、投資信託型は積立NISAにも対応しており、毎月コツコツ投資したい人に適しています。
為替ヘッジなしのメリットとリスクとは?
レバナスETFや投資信託の多くは「為替ヘッジなし」となっています。
これは、米ドルで構成されたNASDAQ100指数の値動きに対し、為替レート(ドル円)の変動もそのまま反映されるということです。
この為替ヘッジなしの設計には、次のようなメリットとリスクがあります。
為替ヘッジなしのメリット
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円安が進めば追加リターンが期待できる
米国株が上昇し、さらにドル高が進めば、ダブルで利益が狙える構造になります。 -
為替ヘッジコストがかからない
為替ヘッジにはコストが発生しますが、それが不要な分、信託報酬を抑えやすくなっています。
為替ヘッジなしのリスク
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円高が進むと逆風になる
NASDAQ100が好調でも、ドル安が進むと日本円換算で利益が目減りすることがあります。 -
為替の影響で値動きが複雑になる
「株価が上がっているのに評価額が下がっている」といった違和感が出ることもあります。
つまり、長期的に円安が進むと想定する人にとっては、為替ヘッジなしは有利ですが、短期的な値動きが気になる人にはややリスクが高い設計と言えるでしょう。
10万円を放置したらどうなる?シミュレーションで検証
実際に「10万円をレバナスETFで10年間、為替ヘッジなしで放置」したらどうなるのか、シミュレーションを交えて見てみましょう。
レバナスは年率20%のリターンを目指す商品設計になっており、これはあくまで目標であって保証されたものではありません。
とはいえ、過去のNASDAQ100の成長実績を踏まえると、年率20%は現実味のある水準とも言えます。
以下のグラフは、年率20%のリターンで10万円を10年間放置した場合の資産推移です。
シミュレーショングラフ
※インフレ・為替変動は加味していない単利ではなく複利前提のモデル
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初年度:100,000円
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5年後:約248,000円
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10年後:約619,000円
この時点で、まだ100万円には届きませんが、もう少しリターンが高ければ(例:年率25%前後)、10年で100万円を超える計算も見えてきます。
もちろん現実の相場では、毎年同じ利回りが出るわけではないため、「平均リターンとドローダウン(下落耐性)」のバランスが極めて重要になります。
TQQQを10万放置した事例と比較する
米国市場でレバナスに類似した商品として代表的なのが、TQQQ(ProShares UltraPro QQQ)です。
これはNASDAQ100指数の3倍の値動きを目指すレバレッジETFであり、日本のレバナス(2倍)よりもハイリスク・ハイリターンな設計になっています。
では実際に、TQQQに10万円相当を放置した場合、どれくらいのリターンが期待できたのか、過去のデータから見てみましょう。
TQQQ過去10年の実績(参考値)
期間 | トータルリターン(年率平均) | 10万円がいくらに?(概算) |
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2013〜2023年 | 約45%前後(年率) | 約750,000円 |
※最高値ベース | 年率50%超えも一時到達 | 1,000,000円以上も可 |
※あくまで過去データに基づくもので、将来のリターンを保証するものではありません。
このようにTQQQは、圧倒的なパフォーマンスの反面、大きな下落リスク(ドローダウン)も抱えている商品です。
コロナショック時などには70%以上の下落を記録しており、精神的にも資金的にも強い耐性が求められます。
一方、日本のレバナスETFはTQQQほどの爆発力はないものの、為替の影響や分配金再投資の仕組みにより、より長期運用に適した設計といえるでしょう。
レバナスは長期保有で本当に儲かるのか?
レバナスにおける「10年放置で100万円」というシナリオは、多くの投資家が抱く夢のひとつです。
では実際に、長期保有はどこまで有利に働くのか?
シミュレーションデータと実績をもとに分析してみましょう。
長期保有の優位性(複利効果)
レバナスは日次でレバレッジをかける商品であるため、上下動を繰り返す相場では複利効果が効きやすくなります。毎年安定的に上昇するような環境では、以下のような複利成長が期待できます。
年数 | 年率20%で運用した場合の資産 |
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1年 | 約120,000円 |
5年 | 約248,000円 |
10年 | 約619,000円 |
※年率25%の場合:10年後 約931,000円
※年率26%超えで10年後に100万円を突破(計算上)
このように、長期であればあるほど複利の恩恵は大きく、数%の差が10年後に大きな差となることがわかります。
注意点:ボラティリティ・リスク
ただし、レバナスは元指数(NASDAQ100)の2倍の変動幅を持つため、下落局面では資産が急減することもあります。特に、下記のようなケースは注意が必要です。
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2022年のハイテク株急落で基準価額が約▲50%近く低下
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コロナショック初期に▲30%超の急落を経験
つまり、レバナスは「長期上昇トレンドが継続する」ことが前提条件であり、短期の下落に耐えるメンタルと資金管理が不可欠となります。
レバナスは買ってはいけない!?その根拠は?
ネット上では「レバナスは買ってはいけない」「レバナスはやばい」という口コミも散見されます。
では、その主張にはどんな根拠があるのでしょうか。
冷静に検証してみましょう。
よくある否定的な意見とその背景
否定的な主張 | 根拠と考察 |
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下落局面で基準価額が大きく減る | レバレッジ2倍であるため、暴落時は損失が急拡大する可能性がある |
日々の変動により長期で指数に劣る | 上下に激しく振れると「ボラティリティ・ドラッグ」が起こる |
精神的に耐えられない | 20〜30%の下落もあり得るため、経験の浅い人にはハードルが高い |
一方で、賢く使えば有効な選択肢でもある
上記のようなリスクは確かに存在しますが、それはレバレッジ商品全体に共通した特性です。
レバナスの運用は「自分のリスク許容度に合っているか」で判断すべきです。
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短期で売買を繰り返す人には不向き
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長期でNASDAQ100の成長を信じる人には合理的な選択肢
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一括投資よりも「積立+時間分散」で運用することでリスク緩和も可能
結論として、レバナスが「買ってはいけない」のではなく、「使い方によっては向かない人がいる」だけというのが適切な評価だと言えるでしょう。
NASDAQ100のリターンとレバナスの関係
レバナスの成績はNASDAQ100の値動きに連動しており、その“2倍”のリターンまたは損失が日次で反映されます。
したがって、レバナスを評価・理解するには、まず元となるNASDAQ100の特徴とリターンを把握することが大前提となります。
NASDAQ100の魅力と成長性
NASDAQ100は、AppleやMicrosoft、Amazon、Google(Alphabet)など、米国を代表する非金融のハイテク・グロース企業で構成された指数です。
S&P500よりもハイテク比率が高く、成長性に重点を置いた構成になっています。
指数 | 年率平均リターン(過去10年) |
---|---|
S&P500 | 約11~12% |
NASDAQ100 | 約15~18% |
このように、NASDAQ100はS&P500よりも高いリターンが期待できる分、ボラティリティも大きいのが特徴です。
レバナスとの関係性
レバナスはこのNASDAQ100に対して日次で2倍の変動率を狙う設計になっているため、以下のような特徴があります。
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NASDAQ100が+2%上昇した日は、レバナスは+4%近くの上昇
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NASDAQ100が-3%下落した日は、レバナスは-6%超の下落
したがって、NASDAQ100が長期的に成長し続けるという前提があってこそ、レバナスは力を発揮する資産クラスであるといえます。
ナスダック急落リスクにどう対応すべきか?
レバナスの最大の懸念材料のひとつが「急落リスク」です。
NASDAQ100はハイテク中心の指数であるため、金融引き締め・金利上昇・地政学リスクなどの影響を強く受けます。
過去の急落事例
時期 | 下落幅 | 要因 |
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2020年3月 | 約▲30% | コロナショック |
2022年~2023年 | 約▲35~40% | FRBの利上げ・テック株バブルの調整 |
2008年 | 約▲40%以上 | リーマン・ショック(※この頃はTQQQ未登場) |
レバナスは、これらの下落時に指数以上に激しく下げるため、暴落局面では資産が一気に半分以下になるリスクがあります。
リスク対策の考え方
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積立投資による時間分散
暴落時にも安値で多くの口数を買えるため、長期的には回復力を高めやすい -
資産の分散投資
レバナスに全額を集中させず、S&P500やオルカンなど他のインデックスと組み合わせる -
出口戦略の明確化
目標金額や年数をあらかじめ設定しておき、定期的にリバランスを行う
リターンを最大化したい一方で、“下落時にどう行動するか”を決めておくことが、レバナスを長期で成功させるカギとなります。
NISAでレバナスが買えない理由と代替案
レバナスを長期運用したいと考えたとき、「NISA口座で買いたい」と思う人も多いでしょう。
ですが、実はレバナスのETF(例:楽天レバナスETF 2869)は新NISAの成長投資枠で非対象となる可能性が高いという制約があります。
レバナスETFがNISA非対応の理由
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新NISAの「成長投資枠」では、一定のリスク水準を超えるレバレッジ型ETFは対象外とされている
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日々2倍の変動率を持つレバナスETFは、基準から外れるため除外されていると考えられる
一方で、iFreeレバレッジ NASDAQ100(投資信託型のレバナス)については、NISA口座で購入可能です(※現時点の制度上)。
代替案としての活用方法
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つみたてNISAには非対応 → 特定口座や成長投資枠での運用に切り替える
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NISA口座では通常のNASDAQ100連動型インデックス(為替ヘッジなし)を活用
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レバナスは特定口座で運用し、NISA枠では安定資産で分散するという戦略も有効
レバナスETFの非対応はやや残念に感じるかもしれませんが、適切な口座選択と運用戦略によって、NISAのメリットとレバナスの成長力を両立させることは可能です。
レバナスのレバレッジはなぜ2倍?
レバナスが「NASDAQ100の2倍の値動き」を目指す理由には、安定性とリターンのバランスをとる設計上の意図があります。
なぜ3倍ではなく2倍なのか?
米国にはTQQQのように3倍レバレッジのETFも存在しますが、日本で提供されているレバナス(iFreeレバレッジ NASDAQ100や楽天レバナスETF)はすべて2倍レバレッジにとどめられています。
この理由は以下の通りです。
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金融庁の規制:日本の公募投資信託では、レバレッジ倍率に制限があり、原則として「基準価額の2倍を超える値動き」を目指す設計が認められていません。
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過剰リスクの抑制:3倍ではボラティリティが高すぎ、初心者が手を出して損失を被るリスクが大きくなるため、安全面を考慮して2倍に抑えていると考えられます。
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日々リバランスにおける複利の最適化:2倍程度であれば、日々の上下動に対して複利効果が働きやすく、長期投資に向いた設計になります。
つまり、2倍という倍率は、「大きなリターンを目指しながらも、運用の安定性を一定確保する」ための現実的なラインといえるのです。
信託報酬と手数料、楽天証券ではいくらか?
レバナスに投資する際は、「どれだけ儲かるか」だけでなく、「どれだけコストがかかるか」も極めて重要な判断材料です。
信託報酬や取引コストは、長期的にじわじわとリターンに影響します。
主なレバナス商品の信託報酬(2025年現在)
商品名 | 信託報酬率(年率・税込) | |
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iFreeレバレッジ NASDAQ100 | 0.99% | |
楽天レバレッジNASDAQ-100 | 0.77% | |
auAMレバレッジNASDAQ100為替ヘッジ無し | 0.4334% |
楽天証券での取扱いに関するポイント
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ETF(2869)の売買手数料は無料
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投資信託型(iFreeレバナス)はポイント還元があるため、実質コストを抑えることが可能
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楽天カード積立にも対応(※投資信託型のみ)
コスト面では、ETF型のレバナスが有利に見えますが、毎月自動積立などの使いやすさでは投信型が優位という特徴もあるため、投資スタイルによって選び方が変わります。
レバナスとS&P500の10年後成績を比較
「レバナスに投資するよりも、S&P500にしておいた方が安心」という意見もよく聞かれます。実際のところ、どちらが良いのでしょうか?比較してみましょう。
過去10年間のパフォーマンス(概算)
指数 | 年率リターン | 10年後の評価額(10万円スタート) |
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S&P500 | 約11% | 約284,000円 |
NASDAQ100 | 約17% | 約480,000円 |
レバナス(2倍) | 約34%(想定) | 約1,360,000円 |
※年率は過去10年の平均値、レバナスは複利を加味した想定値であり、実際のファンド運用成績とは異なる場合があります。
このように、レバナスは理論上、長期的に圧倒的な成績を残す可能性がある一方で、下落時にはS&P500よりも大きく資産を減らすリスクも伴います。
各商品の向き・不向き
商品 | 向いている投資家 |
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レバナス | リスクを取って高リターンを狙いたい、NASDAQ100を信じられる人 |
S&P500 | 値動きが穏やかで広く分散されたインデックスを好む人 |
投資の目的や性格に応じて、どちらか一方を選ぶのではなく、組み合わせて運用することも戦略のひとつとなります。
レバナスETF10年後のシミュレーションと運用戦略
レバナス10年後の予想リターンは?
レバナスに10年間投資し続けた場合、どの程度の成果が見込めるのか――これは多くの投資家が気になるポイントです。
レバナスは「年率20%」程度の成長を想定して設計されています。
これはNASDAQ100の実績に基づいた数値であり、過去のトレンドから大きく外れているわけではありません。
10年後の資産予測(年率20%で複利運用)
投資額 | 10年後の予想額(複利) |
---|---|
10万円 | 約619,000円 |
30万円 | 約1,857,000円 |
50万円 | 約3,095,000円 |
100万円 | 約6,190,000円 |
もし年率が25%で推移すれば、10年後には10万円が約931,000円に。26%以上であれば、10万円→100万円も理論上は可能です。
とはいえ、実際の相場は上下に波打ち、毎年安定的に成長するわけではありません。
そのため、こうしたシミュレーションは“期待値”として捉え、リスクもセットで考慮する姿勢が重要です。
レバナス一括投資と積立投資の違い
レバナスを始めるにあたって迷うのが、「一括投資にすべきか?それとも積立か?」という選択です。
どちらが優れているとは一概に言えませんが、リスク耐性・資金量・投資経験に応じた判断が必要です。
一括投資の特徴
メリット
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初期に一括で買うことで、上昇相場では最大リターンを狙える
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保有期間が長いため、複利効果を最大限に活用できる
デメリット
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投資直後に暴落が来た場合、大きな含み損を抱えやすい
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精神的に不安定になり、長期運用が続けにくくなる可能性がある
積立投資の特徴
メリット
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高値掴みのリスクを抑え、平均取得単価を平準化できる
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下落時にも買い増しできるため、回復局面で効率的に資産が伸びる
デメリット
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相場が右肩上がりに進むと、一括投資より最終的なリターンが劣る
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複利効果が分散されるため、爆発的な資産成長はやや鈍化
結論として、相場に自信があり、リスクを取れる人は一括投資、初心者や慎重な運用をしたい人には積立投資が向いているといえるでしょう。
レバナス5年後と10年後のパフォーマンス比較
5年と10年、どちらを投資期間に設定するかでリターンの姿は大きく変わります。
レバナスのような複利型の資産は、年数が長くなるほど成長カーブが急激に伸びるため、その差は非常に大きいです。
シミュレーション:10万円を運用した場合(年率20%)
年数 | 評価額(複利計算) | 倍率 |
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5年 | 約248,000円 | 約2.48倍 |
10年 | 約619,000円 | 約6.19倍 |
このように、同じ年率でも「5年で約2.5倍」だったものが「10年で約6倍超」に伸びるのは、複利効果が後半になるほど加速するからです。
さらに、10年目以降も継続できれば、20年で約38倍(年率20%の場合)になるという試算も可能になります。
つまり、レバナスで大きな成果を狙うなら、5年ではなく10年超のスパンで考える視点が重要です。
初心者が10万円でレバナスを始めるべきか?
「レバナスに10万円だけ投資して放置しておけば、将来100万円になるかも?」という期待を抱く方は多いかもしれません。
ですが、初心者がいきなりレバナスを始めるべきかどうかは、慎重に判断すべきテーマです。
結論:レバナスは“初心者NG”ではないが“最初の1本”には注意
レバナスは魅力的なリターンを狙える商品ですが、同時に高リスクでもあるため、「とにかく最初に投資を始めてみたい」という初心者には、他のインデックスファンドを軸にしつつ、一部に取り入れる形が適しています。
10万円の少額投資は悪くない理由
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大きな失敗をしてもダメージが限定的(初心者の勉強代として適正)
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実際に値動きを体験することで、リスク耐性や相場感覚が身につく
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証券口座の開設〜運用の流れを学ぶにはちょうど良い金額
注意点:心が折れないようにする工夫
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損益が短期で大きく動いても「そういう商品」と割り切る
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他の安定型ファンドと併用して、ポートフォリオのバランスを取る
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「10年放置」の目標があるなら、日々の値動きはなるべく見ない
つまり、レバナスは初心者が“正しくリスクを理解した上で”使えば、少額からでも挑戦できる有望な選択肢となります。
1000万円を10年間運用するとどうなる?
すでにある程度の資産を築いており、「1000万円をレバナスで増やせるか?」と考える中・上級者に向けて、10年間のシミュレーションを行ってみましょう。
年率20%で10年運用した場合
年数 | 評価額(複利) |
---|---|
10年 | 約6,190万円 |
15年 | 約15,400万円 |
20年 | 約38,300万円 |
レバナスの年率成長が20%であった場合、10年で約6倍以上に膨らむ計算になります。さらに運用期間を延ばせば、億単位に到達する可能性も見えてきます。
リスクは当然高まる
ただし、運用資産が大きくなるほどリスクの影響も増大します。たとえば暴落局面で30〜40%のドローダウンがあれば、資産が一時的に3000万円〜4000万円に目減りすることもあり得ます。
このため、1000万円以上の資産を運用する場合には以下のような工夫が必要です。
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レバナスは「全額」ではなく「一部」の戦略資産とする(例:20〜30%)
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残りはS&P500や債券などと組み合わせ、リスク分散を図る
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年に1〜2回リバランスを実施して過剰な偏りを抑える
1000万円規模の資産をレバナスで運用する場合は、分散と戦略性を持って臨むべきだといえるでしょう。
シミュレーションツールでできることと限界
「レバナスに毎月いくら積み立てれば将来いくらになるのか?」「10万円を放置して何年で100万円になるのか?」――こうした疑問を解消するのに役立つのが投資シミュレーションツールです。
現在、以下のような無料ツールを使えば、自分の投資プランを数分でシミュレーションすることが可能です。
おすすめのシミュレーションツール
ツール名 | 主な機能内容 | |
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楽天証券「積立かんたんシミュレーション」 | 初期投資・積立額・利回り・年数を入力し、将来の資産を自動計算 | |
SBI証券「つみたてシミュレーション」 | 月々の積立と想定年利から20年後までの資産推移を可視化 | |
マネーフォワード「資産運用シミュレーター」 | 積立・複利・インフレなど細かい条件を調整して精密な試算が可能 |
※リンクは2025年3月現在の情報です。
シミュレーションでできること
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初期投資額・毎月の積立・年利を入力して将来の資産額を確認
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グラフ表示で資産の成長イメージがつかめる
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年数や利回りを変えて、複数パターンの比較ができる
ただし限界もある
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レバナスのようなレバレッジ商品特有の日次変動・ドローダウン(下落率)までは再現できない
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為替変動や税金、手数料などは基本的に考慮されていない
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上昇・下落がランダムに起きる現実相場とは異なり、単純な年利計算での試算に過ぎない
そのため、シミュレーションはあくまで「将来の目安をつかむためのツール」であり、過度に信頼しすぎないことが重要です。
特にレバナスのように上下動の激しい商品では、目標金額までの途中経過での耐性(メンタル・資金管理)もあわせて考えておく必要があります。
このように、ツールは非常に便利ではありますが、現実の相場には再現できない要素も多くあるため、“参考材料”のひとつとして冷静に活用する姿勢が求められます。
S&P500やオールカントリーとの比較
レバナスに投資する際、多くの人が気にするのが「他のインデックス商品と比べてどうなのか?」という点です。
特にS&P500やオールカントリー(全世界株式、通称オルカン)との比較は、投資判断において非常に有益です。
各インデックスの特徴
商品名 | 投資対象 | 備考 |
---|---|---|
レバナス(レバレッジNASDAQ100) | 米国ハイテク株の2倍値動き | 高リターン・高リスク、レバレッジ型 |
S&P500 | 米国の大型株500社 | 安定性と成長性のバランスが良い |
オールカントリー(オルカン) | 世界中の株式(先進国+新興国) | 地域分散が最大、最も広く分散された投資先 |
10年間のリターン比較(仮想シミュレーション)
インデックス名 | 年率リターン(概算) | 10年後の想定評価額(10万円投資) |
---|---|---|
レバナス(年率20%) | 約20% | 約619,000円 |
S&P500(年率11%) | 約11% | 約284,000円 |
オルカン(年率8%) | 約8% | 約215,000円 |
※実際の運用成績ではなく、あくまで複利計算に基づいた概算です。
この表からも分かる通り、レバナスのリターンは突出している反面、リスクも桁違いです。
一方で、S&P500やオルカンは値動きが穏やかで、下落局面でも比較的緩やかに推移する傾向があります。
投資目的に応じた選び方
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レバナス:資産を積極的に増やしたい攻めの運用に向いている
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S&P500:堅実に米国経済に投資したい人におすすめ
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オルカン:世界分散で安心感を重視したい長期投資家向け
レバナスだけに集中投資するのではなく、一部をS&P500やオルカンに分散することで全体のリスクを和らげる戦略も有効です。
為替リスクを取るべきか、避けるべきか?
日本に住む投資家が外国株に投資する際には、常に「為替リスク」という視点が付きまといます。
レバナスも例外ではなく、為替ヘッジなし設計のため、米ドルと円の為替レートが運用成果に影響を与えます。
為替リスクとは?
為替リスクとは、たとえば米国株が10%上昇したとしても、同時にドル円が円高(例:140円→120円)に進行すれば、円ベースでは利益がほとんど出ない、または損になることがあるというリスクのことです。
為替リスクを「取る」ことのメリット
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長期的に円安が進めば、米ドル資産の価値が上がる
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為替ヘッジコストが不要なため、信託報酬が安くなる傾向がある
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米国と日本の金利差が大きい今、ヘッジコストは無視できないほど高い
為替リスクを「避ける」には?
為替リスクを避けたい場合、為替ヘッジありのファンドを選ぶという方法もあります。ただし、レバナスのような商品では、ほとんどが為替ヘッジなし設計となっているため、完全にリスクを除外することは困難です。
結論:長期投資では「為替リスクを取る」前提で考える
為替は短期的には読みにくいですが、長期的には米ドルの強さが際立つ場面も多く、過度に怖がる必要はないというのが一般的な見方です。むしろ、為替ヘッジコストを支払い続けることでリターンが削られる方が、長期的には不利になるケースもあります。
長期でほったらかし投資をするための準備
「レバナスを10年放置して100万円にしたい」という目標を持つなら、まず必要なのは「ほったらかせる環境」を整えることです。
レバナスは値動きが大きいため、短期的には不安になる場面も多く、放置する覚悟と準備が成功のカギになります。
ほったらかし投資に必要な3つの準備
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リスク許容度を明確にしておく
どこまでの含み損なら耐えられるのか、自分のメンタルと資金力を把握しておくことが大切です。 -
目標と運用期間を決めておく
「いつまでに」「いくらまで」を明確に決めることで、暴落時にも感情的な売却を避けやすくなります。 -
定期点検の仕組みを作る
年1回のリバランス、半年に1回の運用見直しなど、ルールを作ることで“完全放置”になりすぎず、冷静な判断がしやすくなります。
さらに、家計に影響しない余剰資金での運用や、生活防衛資金を別途確保するなどの「資金管理」も重要です。
計画的に備えることで、レバナスの長期運用は現実的な戦略となり得ます。
よくある質問Q&A10選
Q1:レバナスってそもそもどんなETFですか?

レバナスはNASDAQ100指数の2倍の値動きを目指すレバレッジ型ETFです。主にハイテク銘柄中心で、短期的な値動きは大きいですが、長期では高い成長性が期待されています。
Q2:レバナスは為替ヘッジなしですが、円高になったら損しますか?

はい、円高になると米国株が上がっていても円換算での評価額が下がる可能性があります。ただし、為替ヘッジをかけるとコストがかかるため、長期では為替ヘッジなしが有利になるケースもあります。
Q3:10万円だけレバナスに投資しても意味ありますか?

十分意味があります。少額であっても「投資経験」を積むことができますし、複利の力によって10万円が将来的に大きく増える可能性もあります。
Q4:10年後に100万円にするには、レバナスでどれくらいの年利が必要ですか?

ざっくりとしたシミュレーションでは、年率26%程度で運用できれば、10万円が10年後に100万円に届く可能性があります。ただし、年ごとに上下するためあくまで目安です。
Q5:レバナスは投資信託とETFどちらがおすすめですか?

運用のしやすさで選ぶなら投資信託(iFreeレバレッジ NASDAQ100)、コストや透明性重視ならETF(楽天レバナスETF 2869)がおすすめです。使い方次第でメリットが変わります。
Q6:レバナスって積立と一括、どっちがいいですか?

相場に自信があれば一括も選択肢になりますが、多くの方にはリスクを抑えられる積立投資の方が現実的です。下落時にも自動で買い増しできるのが積立の強みです。
Q7:レバナスのようなETFはシミュレーションツールで正しく試算できますか?

おおよその金額の目安には使えますが、日々変動するレバレッジ商品の動きやドローダウン、為替の影響までは完全には反映されません。使い方には注意が必要です。
Q8:レバナスを完全に放置しても大丈夫ですか?

完全放置はリスクがあります。10年などの長期目線で放置するにしても、最低限の資金管理と定期的なチェックは必要です。暴落時にどう対応するかの事前ルールを作っておくと安心です。
Q9:レバナスのリスクはどれくらいありますか?

日によっては数%動くこともあり、年に30~50%下落する局面もあります。リターンも大きいですが、価格のブレも大きいため、短期的な評価損に耐える力が求められます。
Q10:レバナスはNISAで買えますか?

投資信託型のレバナス(iFreeレバレッジ NASDAQ100)はNISA口座で購入可能ですが、ETF型(2869など)は新NISAでは対象外となる可能性があります。制度を確認した上で選びましょう。
レバナスETFを為替ヘッジなしで10万円放置したら10年後に100万円!?のまとめ
最後にこの記事のポイントをまとめました。
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