ソフトバンク社債型種類株式は買うべきか?評判と格付けを徹底検証

ソフトバンク社債型種類株式は買うべきか? 債券・社債投資

本記事は、注目を集める「ソフトバンク社債型種類株式」について、買うべきかどうかを判断するための最新情報をもとに徹底検証しました。

固定配当や仕組みの特徴、実際の評判、信用格付けの現状、そして値上がり益の可能性までをわかりやすく解説します。ソフトバンク社債の魅力とリスクを客観的に整理し、投資を検討中の方が冷静な判断を下せるようサポートしますので是非参考にされて下さい。

この記事の4つのポイント
  • ソフトバンク社債型種類株式の仕組みと評判がわかる

  • 格付けや信用リスクから見た安全性が把握できる

  • 値上がりを期待できるかどうかの判断材料が得られる

  • 自分は買うべきかどうかの見極め方が身につく

  1. ソフトバンク社債型種類株式の特徴と基本情報
    1. ソフトバンク社債型種類株式とは何かをわかりやすく解説
    2. 社債と株式のハイブリッド、そのメリットとリスク
    3. 第1回ソフトバンク社債型種類株式の発行概要
    4. ソフトバンク社債型種類株式はどこで買える?証券会社の取扱状況
    5. NISAで買える?社債型種類株式との制度相性
    6. 配当はいつ受け取れる?スケジュールと頻度を解説
    7. ソフトバンク社債型種類株式の価格推移と値上がり期待
    8. 元本割れのリスクはある?商品設計の注意点
    9. 社債型種類株式に上場の予定はあるのか?
    10. ソフトバンク社債の格付けと信用リスクの見方
      1. ソフトバンク株式会社の格付け
      2. ソフトバンクグループ株式会社の格付け
      3. 信用リスクの見方
    11. ソフトバンクグループの格付けが下がった理由とは?
    12. ソフトバンク社債型種類株式に株主優待はあるのか?
  2. ソフトバンク社債型種類株式は買うべきか?を徹底検証
    1. ソフトバンク社債型種類株式を買うべきか否かの判断軸
      1. 買うのに向いている人
      2. 買うのに向いていない人
    2. 値上がりを狙う投資先としての魅力はあるのか?
    3. 評判は?ソフトバンク社債型種類株式のリアルな声と口コミを紹介
      1. ポジティブな評判
      2. ネガティブな評判
    4. 2025年最新のソフトバンクの業績・財務状況から見る投資判断
      1. 最新の業績概要
      2. 財務状況の分析
      3. 配当方針と株主還元
      4. 投資判断のポイント
    5. ソフトバンクが潰れる可能性はある?破綻リスクを検証
    6. 減配の可能性と今後の配当維持見通し
    7. 世界ランキングや海外展開など成長性に注目
    8. 初心者にとってソフトバンク社債型種類株式は向いているか?
      1. 初心者にとってのメリット
      2. 初心者にとってのデメリット
    9. ソフトバンク社債型種類株式が「買ってはいけない」と言われる理由
    10. 他のハイブリッド証券と比較した特徴と違い
    11. 楽天証券で買える?取り扱いと申し込み手順
      1. 実際に取り扱いがあった証券会社(第1回発行時)
      2. 申し込みの流れ(取扱証券会社でのケース)
    12. よくある質問Q&A10選
    13. ソフトバンク社債型種類株式は買うべきか?評判・格付け・値上がり期待を徹底検証のまとめ

ソフトバンク社債型種類株式の特徴と基本情報

ソフトバンク社債型種類株式とは何かをわかりやすく解説

ソフトバンク社債型種類株式とは、ソフトバンク株式会社が発行する「社債と株式の両方の性格を持つ金融商品」です。

正式名称では「種類株式」となっていますが、特徴としては社債に近い性質が強く、安定した配当を目的とする投資家に向けて設計されています。

具体的には、発行時に決められた固定配当(年2.5%)が受け取れる点が特徴で、普通株式とは異なり議決権を持たない代わりに、収益分配の優先順位が与えられている構造です。

また、償還条項が組み込まれており、一定期間経過後はソフトバンクの判断で買い戻される可能性がある点も、通常の株式とは異なります。

このような特性により、「元本重視」「安定収入重視」の保守的な投資家から関心を集めており、近年では個人投資家向けの新たな選択肢として注目されています。

社債と株式のハイブリッド、そのメリットとリスク

社債型種類株式は、「株式」と「社債」の中間に位置する存在です。

以下の表でその特徴を整理してみましょう。

比較項目 普通株式 社債 社債型種類株式(本商品)
配当の有無 業績に応じて変動 利息として固定 年2.5%の固定配当
元本の返済 返済されない 満期償還あり 条件付きで発行者が買い戻し可
優先順位 最も低い 高い 社債より低く株式よりは高い
上場の有無 あり 一部あり 今回の種類株式は上場していない
議決権 あり なし なし

メリットとしては、配当の安定性と元本の保全性のバランスが取れていることが挙げられます。

年2.5%の配当は市場金利が低水準の中で一定の魅力があり、価格の変動リスクも株式に比べると比較的小さい設計です。

一方で、リスクとしては流動性が低く、途中売却が難しい点や、ソフトバンク側の判断で償還されるタイミングが変動する可能性がある点が挙げられます。

また、信用リスクとしてソフトバンクの業績や格付け変動が影響を与える点も見逃せません。

第1回ソフトバンク社債型種類株式の発行概要

第1回の社債型種類株式は、2023年に個人投資家向けに発行されました。

主な発行条件は以下のとおりです。

項目 内容
発行者 ソフトバンク株式会社
発行価格 1株=50万円
年間配当 2.5%(年1回、12月予定)
償還条項 発行後5年経過以降、発行者が償還可能
上場有無 非上場
優先順位 普通株式より優先
発行数 約1,200億円相当(2023年発行)

この種類株式は発行時に完売しており、一定の人気を得たことが伺えます。価格は固定で、発行数にも上限があったため、早期申込が重要でした。

個人投資家にとって「株式より安定、社債よりリスクを取る」絶妙なバランスの商品として注目されました。

ソフトバンク社債型種類株式はどこで買える?証券会社の取扱状況

ソフトバンク社債型種類株式は通常の上場株とは異なり、店頭取引または募集販売方式で提供されるため、購入できる証券会社が限定されている点に注意が必要です。

取り扱い実績のある証券会社には以下のような例があります(発行時点)。

証券会社名 取扱状況 備考
大和証券 主幹事 第1回募集を主に担当
野村證券 取扱あり 一部取扱あり
SMBC日興証券 取扱あり 店頭窓口で対応
楽天証券 取扱なし(23年時点) オンライン証券では扱いにくい

今後の新規発行があれば、同様の形式で取り扱われると見られますが、購入希望者は事前に証券会社での取扱有無を確認し、口座開設・資金準備を行っておくことが大切です。

NISAで買える?社債型種類株式との制度相性

結論から言うと、ソフトバンク社債型種類株式は現時点ではNISA口座での購入はできません。

その理由は、当該種類株式が非上場株式であり、NISAの対象商品要件を満たしていないためです。

NISA口座で購入できるのは、原則として以下のような商品に限られます。

  • 上場株式(東証等)
  • 公募株式投資信託
  • ETF(上場投資信託)
  • REIT(不動産投資信託)

ソフトバンク社債型種類株式は、取引所に上場されておらず、店頭販売かつ募集形式でのみ提供されるため、NISAの制度設計とは現段階で整合しません。

そのため、非課税枠の活用を期待している投資家にとっては、別の方法で運用益や配当の税負担を意識する必要があります。

将来的にこの種類株式が上場される、あるいはNISA対象商品の枠組みに変更がある可能性もゼロではありませんが、現行制度のもとでは特定口座や一般口座での購入が前提となります。

配当はいつ受け取れる?スケジュールと頻度を解説

ソフトバンク社債型種類株式は、年1回・12月末の基準日に対して所定の固定配当が支払われる設計となっています。

実際の支払いは翌年1〜2月にかけて実施され、登録された口座に自動的に振り込まれます。

なお、2025年3月31日を基準日とする配当額は、126.24円(年率3.2%、日割換算)と発表されています(※第2回社債型種類株式の場合)

このように、毎年の基準日と配当計算の仕組みは明確で、安定収入を得たい投資家にとって予測が立てやすい特徴があります。

配当金は株式と異なり、あらかじめ定められた条件に従って支払われるため、「減る・なくなる」といった心配は、企業の業績が極端に悪化しない限り少ないと考えられます。

ソフトバンク社債型種類株式の価格推移と値上がり期待

ソフトバンク社債型種類株式は上場されていないため、市場価格という概念が存在しません。

つまり、株式や社債のように「日々の値動きで売買する」ことを前提とした商品ではありません。

そのため、「値上がり益を狙う」という投資手法は基本的に想定されておらず、配当収入がメインのリターンとなります。

ただし、将来的に上場された場合や、発行者であるソフトバンクが自社株買いを行う際などに、償還価格が額面を上回るケースがあれば、間接的な値上がり益が生じる可能性もあります。

また、募集期間終了後にプレミアムがついて二次流通で高値で取引される可能性も、理論上は否定できませんが、現実的には流動性が非常に低く、期待しすぎるべきではありません。

結論として、値上がりを前提とした短期投資には不向きですが、「長期間保有して年2.5%の配当を安定的に得たい」という投資目的には適している商品といえます。

元本割れのリスクはある?商品設計の注意点

ソフトバンク社債型種類株式は、一般的な株式や社債に比べると元本の保全性は高めに設計されているものの、「絶対に元本割れしない」という商品ではありません。

最大のリスクは、発行元であるソフトバンク株式会社の信用状況にあります。

この種類株式は満期や償還価格が確定している社債とは異なり、発行体が倒産などの重大な信用リスクに直面した場合には元本が大きく毀損する可能性があります。

また、非上場であることから途中換金が容易でないため、売却の際に想定以下の価格でしか取引できない、またはそもそも売却自体が困難になるといった流動性リスクも存在します。

さらに、配当金を含めた総収益がインフレ率や他の投資機会に対して見劣りする可能性もあり、資金拘束に対する機会損失という観点でも注意が必要です。

結論として、元本保証ではない以上、一定のリスクを受け入れられるかどうかを見極めたうえで購入を検討する必要があります。

社債型種類株式に上場の予定はあるのか?

現時点で、ソフトバンク社債型種類株式について証券取引所に上場されるという公式な発表は一切ありません。

この商品は当初から店頭募集型・非上場前提の設計で発行されており、証券取引所での取引を目的としていないことが明言されています。

そのため、購入後に自由に市場で売買することはできず、基本的には長期保有を前提とした商品です。

今後、二次市場の要望や制度変更などによって上場する可能性もゼロではありませんが、現実的には「非上場のまま償還時まで保有するスタンス」が推奨される性質となっています。

このように、流動性が非常に低いため、必要な資金をすぐに現金化するような用途には不向きであり、余裕資金での投資が求められます。

ソフトバンク社債の格付けと信用リスクの見方

ソフトバンク社債への投資を検討する際、発行体であるソフトバンク株式会社および親会社であるソフトバンクグループ株式会社の信用力を把握することが重要です。

以下に、2025年4月時点での最新の格付け情報と信用リスクの見方をまとめます。

ソフトバンク株式会社の格付け

ソフトバンク株式会社は、国内通信事業を主軸とする企業であり、以下の格付けが付与されています。

  • 格付投資情報センター(R&I): 長期債務格付け「A+」
  • 日本格付研究所(JCR): 長期発行体格付け「AA-」

これらの格付けは、同社の安定した収益基盤と財務健全性を反映しており、投資適格級と評価されています。

ソフトバンクグループ株式会社の格付け

ソフトバンクグループ株式会社は、多様な事業への投資を行う持株会社であり、以下の格付けが付与されています。

  • 日本格付研究所(JCR): 長期発行体格付け「A」、短期発行体格付け「J-1」
  • スタンダード&プアーズ(S&P): 長期発行体格付け「BB+」

JCRの「A」格付けは投資適格級を示していますが、S&Pの「BB+」は投機的等級(いわゆるジャンク債)に分類され、投資に際してはより高いリスクが伴うことを示唆しています。

信用リスクの見方

ソフトバンク社債の信用リスクを評価する際、以下のポイントが重要です。

  1. 事業の安定性 ソフトバンク株式会社は国内通信事業で安定した収益を上げており、格付けも高水準です。これにより、同社が発行する社債の信用リスクは比較的低いと考えられます。
  2. 持株会社のリスク ソフトバンクグループ株式会社は、投資活動を主とする持株会社であり、その収益は投資先の業績や市場環境に左右されます。S&Pの格付けが投機的等級であることからも、同社が発行する社債はより高いリスクを内包していると判断されます。
  3. 市場動向の影響 格付けは経済状況や企業の財務状況に応じて変動するため、最新の情報を継続的に確認することが重要です。

ソフトバンクグループの格付けが下がった理由とは?

ソフトバンクグループの信用格付けが一部機関で引き下げられている背景には、複数の要因が複雑に絡んでいます。

特に重要なのは、同社の財務構造とリスクの取り方の特徴にあります。

まず、ソフトバンクグループは投資会社的な性格を持ち、自社の資金を活用して世界中のテクノロジー企業に出資を行っています。

このモデルは高収益を期待できる反面、投資先の株価や業績に大きく依存するため、市況の変化に非常に敏感です。

特に、以下の点が格付け見直しの要因として指摘されています。

  • 有利子負債の規模が大きい(グループ全体で数十兆円規模)
  • 投資先企業のIPO失敗や株価低迷が続いたこと
  • ソフトバンク・ビジョン・ファンドの損失計上
  • 自社株買いや巨額配当による資本の消耗

このように、財務の柔軟性が相対的に低下し、事業継続への懸念が出やすくなっていることから、格付け機関は慎重な評価を行っているのです。

結果として、ソフトバンクが発行する社債や種類株式にも信用リスクの波及が及ぶ可能性があるため、投資判断時には格付けの最新情報にも常に注意を払う必要があります。

ソフトバンク社債型種類株式に株主優待はあるのか?

ソフトバンク社債型種類株式には株主優待制度は設けられていません。

この種類株式は、議決権がなく、配当を目的とした「所得収益型」の投資商品として設計されており、一般的な普通株式と同様の優待制度を適用していないのが現状です。

株主優待は主に個人株主向けの株式保有インセンティブとして、上場企業で実施されるケースが多いですが、ソフトバンク社債型種類株式は非上場かつ金融商品的な性格が強いため、制度の対象外となっています。

とはいえ、年2.5%の固定配当があるため、「優待なし=メリットなし」というわけではなく、あくまで安定収入を重視した設計となっている点を理解する必要があります。

ソフトバンク社債型種類株式は買うべきか?を徹底検証

ソフトバンク社債型種類株式を買うべきか否かの判断軸

買うべきか否かの判断は、投資目的・リスク許容度・保有期間の考え方によって大きく変わります。

以下のような視点を基準に検討してみましょう。

買うのに向いている人

  • 元本の変動リスクを抑えつつ、毎年2.5%の安定配当を受け取りたい人
  • 一定額を長期的に固定しても構わない資金を運用したい人
  • 高リスクの株式投資よりも、中間的なリターンと安心感を求める人

買うのに向いていない人

  • 値上がり益や短期的な売買益を目的とする人
  • 流動性の高い商品でいつでも現金化したい人
  • 信用リスク(ソフトバンクの倒産や業績悪化など)を重視する人

つまり、「この商品が良い・悪い」ではなく、「自分の投資戦略に合っているかどうか」を軸に考えることが大切です。

例えば、老後資金や教育資金など明確な使い道がある場合には、流動性が低いこの商品は適さないかもしれません。

一方で、余裕資金を5年~10年単位で安定運用したい人には適している可能性があります。

値上がりを狙う投資先としての魅力はあるのか?

ソフトバンク社債型種類株式は、基本的に「値上がり益を狙うタイプの商品ではありません」。

非上場で市場取引がないため、価格変動によるキャピタルゲイン(売買益)を得ることは事実上できません。

この商品が提供するリターンは年2.5%の固定配当のみであり、価格の上昇による追加収益を期待する投資家にとっては、そもそも投資対象としての相性が良くないといえます。

とはいえ、将来的に以下のようなケースが発生した場合には、限定的ながら間接的な値上がりの恩恵を受ける可能性があります。

  • 発行元が上場を検討した場合(ただしその可能性は低い)
  • プレミアがついた形で二次募集や償還が行われる場合
  • 償還価格が額面以上に設定された場合(レアケース)

これらは理論上あり得るシナリオですが、現実的な確度は高くありません。

結論として、ソフトバンク社債型種類株式は「値上がりで儲けたい人」には向いておらず、インカムゲイン(配当収入)を安定的に得たい人向けの設計であることを念頭に置いておくべきです。

評判は?ソフトバンク社債型種類株式のリアルな声と口コミを紹介

ソフトバンク社債型種類株式の評判については、SNSや投資掲示板、金融メディアなどで多くの個人投資家の声が投稿されています。

以下は代表的な評判の傾向です。

ポジティブな評判

  • 「金利が低い今、年2.5%の固定配当は魅力的」
  • 「社債よりも高利回りで、リスクもそこまで高くない印象」
  • 「ソフトバンクのネームバリューで安心感がある」

ネガティブな評判

  • 「売却できないのが不便。流動性リスクが大きい」
  • 「上場していないため、値上がりも期待できず面白みに欠ける」
  • 「ソフトバンクの格付けが不安要素。信用力は万全ではない」

投資家の中には「固定収入がほしいがリスクは最小限にしたい」というニーズに合致する商品として好意的に受け止めている一方で、価格変動や流動性を求める層からは不満の声もあるのが実情です。

したがって、評判を鵜呑みにするのではなく、自分自身の投資スタイルと目的に合っているかどうかを判断基準にすることが重要です。

2025年最新のソフトバンクの業績・財務状況から見る投資判断

ソフトバンクの最新の業績と財務状況を基に、投資判断の参考となる情報を以下にまとめます。

最新の業績概要

ソフトバンクは、2025年3月期第3四半期(2024年4月1日~2024年12月31日)の決算を発表しました。

この期間の主な業績は以下の通りです。 ​

  • 売上高: 前年同期比7%増の4兆8,115億円
  • 営業利益: 前年同期比12%増の8,219億円
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益: 前年同期比14%増の4,912億円

これらの数値は、全セグメントでの増収増益を示しており、特にエンタープライズ事業、ディストリビューション事業、ファイナンス事業が2桁成長を遂げています。

参考:ソフトバンク公式HP​

財務状況の分析

2024年12月31日時点のソフトバンクの財務状況は以下の通りです。 ​

  • 総資産: 16兆3,048億円(前期末比5.0%増)
  • 負債合計: 12兆1,409億円(前期末比4.8%増)
  • 資本合計: 4兆1,640億円(前期末比5.8%増)

また、営業活動によるキャッシュ・フローは1兆2,100億円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは7,065億円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは6,430億円の支出となっており、フリー・キャッシュ・フローは前年同期比2,125億円増の5,061億円となっています。

参考:Yahoo!ファイナンス

配当方針と株主還元

ソフトバンクは、2025年3月期の年間配当金を普通株式1株当たり8.6円(株式分割前換算)と予定しています。

第2四半期末に43円(分割前)、期末に4.3円(分割後)の配当を予定しており、配当性向は約80%となる見込みです。 ​

投資判断のポイント

  1. 安定した収益基盤 国内通信事業を中心に安定した収益を上げており、全セグメントでの増収増益を達成しています。
  2. 健全な財務体質 総資産、負債、資本ともに前期末比で増加しており、特にフリー・キャッシュ・フローの増加は財務の健全性を示しています。
  3. 高い株主還元姿勢 高い配当性向を維持し、株主への利益還元を重視しています。

以上の点から、ソフトバンクは安定した業績と健全な財務状況を維持しており、投資対象として魅力的な企業と考えられます。

ただし、投資判断は個々のリスク許容度や市場環境を考慮して行う必要があります。

ソフトバンクが潰れる可能性はある?破綻リスクを検証

「ソフトバンクが潰れる可能性はあるのか?」という質問は、社債型種類株式の購入を検討する人の間でたびたび挙がる懸念です。

結論として、現時点でソフトバンク株式会社(通信事業)の破綻リスクは極めて低いと見られています。

ソフトバンク株式会社は、日本国内で広範な通信インフラを持ち、モバイル通信やインターネット接続、法人向けICTソリューションなどを展開しています。

収益構造は比較的安定しており、継続的な営業利益を確保しています。

実際、2023年度の営業利益は約9,500億円、営業キャッシュフローも強く、配当や債務返済に十分対応できる資金力があることが読み取れます。

ただし、「潰れるかもしれない」と言われる背景には、親会社であるソフトバンクグループ(SBG)の投機的な投資戦略と巨額負債が影響しています。

SBGがもし深刻な財務危機に陥った場合、間接的に子会社にも影響を及ぼす可能性はゼロではありません。

とはいえ、ソフトバンク株式会社自体はグループの中でも収益の柱となっているため、事業譲渡や再編によって存続する可能性が高く、「グループ全体のリスク=即破綻」ではない点は正しく理解する必要があります。

減配の可能性と今後の配当維持見通し

2025年4月現在、ソフトバンク社債型種類株式(第2回)の配当方針は安定的な水準を維持する設計となっており、当面の減配リスクは限定的と見られています。

具体的には、以下のように将来的な金利水準に応じた配当年率が段階的に設定されています。

期間 配当年率の設定
~2030年3月31日まで 年3.200%(固定)
2030年4月1日〜2049年3月31日 1年国債金利+2.960%(変動)
2050年4月1日以降 1年国債金利+3.710%(変動)

このように、長期的な保有を前提とする投資家にとっても、一定のインカム収入が確保される構造となっており、「急な減配リスクに怯える必要は少ない」ことが伺えます。

もちろん、会社の業績や財務状態が大幅に悪化すれば例外的な配当停止の可能性もゼロではありませんが、現在の開示情報を見る限り、配当維持の姿勢は強いと評価できる内容です。

世界ランキングや海外展開など成長性に注目

ソフトバンクグループは、グローバルな投資会社として知られていますが、ソフトバンク株式会社(通信事業)自体もまた、世界規模での通信インフラ構築や次世代テクノロジーへの投資を積極的に行っており、一定の成長性が期待されています。

通信業界における世界的なランキングでは、ソフトバンク株式会社は売上・契約者数ベースで見るとアジア地域では上位に位置し、日本国内ではNTTドコモ、KDDIに次ぐ大手通信キャリアです。

成長戦略としては、次のような施策が進められています。

  • 5Gエリアの拡充と高速化への投資
  • AI・IoTと連携した法人ソリューションの展開
  • スマートシティ・自動運転など次世代インフラ開発への参入
  • PayPayをはじめとするフィンテック分野との融合事業

これらは株価の成長を目的とした戦略ではないものの、中長期的に安定したキャッシュフローを支える基盤として機能するため、配当支払いや企業の信用維持においても重要な役割を果たします。

社債型種類株式は株価の値上がり益を享受できる商品ではないものの、事業の成長性がそのまま信用リスクの軽減につながるため、注目すべきポイントです。

初心者にとってソフトバンク社債型種類株式は向いているか?

ソフトバンク社債型種類株式は、配当の安定性を重視する人にとっては魅力的な選択肢です。

年2.5%という利回りは、低金利時代の定期預金や国債に比べてはるかに高く、普通株式ほどの価格変動リスクも抑えられています。

このような特徴から、投資初心者にとって「わかりやすくて安心感がある商品」として注目されることもあります。

ただし、初心者向きと断言するにはいくつかの注意点も存在します。

初心者にとってのメリット

  • 年2.5%の固定配当で収益が読みやすい
  • 普通株より価格のブレが小さく、精神的なストレスが少ない
  • ソフトバンクという知名度のある企業の発行商品

初心者にとってのデメリット

  • 上場していないため、途中売却や換金が困難
  • 元本保証ではなく、信用リスクは完全に排除できない
  • 値上がり益を狙うような短期投資には不向き

結論としては、「長期保有で配当を得る目的が明確にある初心者には適しているが、資金の流動性を重視する初心者には不向き」という判断になります。

分散投資の一部として取り入れるのは良い選択肢になり得ます。

ソフトバンク社債型種類株式が「買ってはいけない」と言われる理由

一部のメディアや投資家の間では、「ソフトバンク社債型種類株式は買ってはいけないのでは?」という声も見られます。

そう言われる背景には、商品の構造的なデメリットと企業リスクの存在があるからです。

代表的な「買ってはいけない」とされる理由は以下のとおりです。

理由 解説
流動性リスクが高い 上場しておらず、市場で自由に売買できないため換金性が低い
信用リスクが残る 発行体が経営不振に陥れば、配当停止や元本毀損のリスクがある
値上がり益が見込めない 株式のようなキャピタルゲインが狙えない設計
税制優遇が使えない NISA口座対象外で、配当には通常の税金がかかる

これらの点を理解せずに、「ソフトバンクだから安心」というイメージだけで購入してしまうと、後悔するリスクがあります。

一方で、リスクを理解した上で、配当目的で長期保有するという前提であれば、“買ってはいけない”とは一概に言えません。

投資スタイルとの相性を見極めることが最も重要です。

他のハイブリッド証券と比較した特徴と違い

社債型種類株式は、いわゆる「ハイブリッド証券」と呼ばれるジャンルに属します。

これは、社債のような利回りの安定性と、株式のような柔軟性やリスク性を兼ね備えた設計の金融商品です。

ソフトバンク社債型種類株式を、他の代表的なハイブリッド証券と比較した特徴は以下の通りです。

項目 ソフトバンク社債型種類株式 劣後債(一般的な社債の一種) 優先株
配当・利息 年2.5%固定配当 変動 or 固定(例:2.0〜3.5%) 企業による決定
償還 あり(発行者の判断) 満期償還あり(通常10年) なし(永久保有型も)
流動性 低い(非上場) やや高い(社債市場で取引) 上場されることもある
格付けとの関係 発行体の信用力に大きく依存 同様に信用力が影響 企業の安定性に左右される

この比較から分かる通り、ソフトバンク社債型種類株式は安定収益と信用リスクのバランスを取った中庸な商品設計となっており、値動きよりも「インカム重視」の投資家に向いています。

楽天証券で買える?取り扱いと申し込み手順

ソフトバンク社債型種類株式は、楽天証券では原則として取り扱いがありません(2023年〜2024年時点)。

この商品は、上場株式のように市場で自由に売買されるものではなく、店頭販売または募集方式によって限られた証券会社で取り扱われる形式です。

実際に取り扱いがあった証券会社(第1回発行時)

証券会社 取り扱い状況
大和証券 主幹事として積極販売
野村證券 一部取扱あり
SMBC日興証券 取扱あり(店頭販売)
楽天証券 取扱なし

楽天証券をはじめとするオンライン証券は、こうした非上場・募集型の種類株式の取り扱いに消極的な傾向があり、現状では対応していません。

今後、新たな発行タイミングで方針が変更される可能性もゼロではありませんが、期待しすぎるべきではないでしょう。

申し込みの流れ(取扱証券会社でのケース)

  1. 店頭証券で口座を開設(事前に本人確認書類提出が必要)
  2. 募集開始後、担当者経由または電話で申込予約
  3. 所定の期日までに購入資金を入金
  4. 配当通知や償還の案内は郵送で受領

このように、ネット完結型の取引には対応していないことが多く、多少の手間はかかります。それでも、元本を大きく動かさずに安定的な利回りを求める層からは、こうした「手堅い選択肢」として注目を集めています。

よくある質問Q&A10選

Q1. ソフトバンク社債型種類株式は本当に買うべきか迷っています。判断のポイントは?
A. 配当の安定性を重視する方には適していますが、値上がり益や流動性を重視する場合は慎重に検討すべきです。

Q2. ソフトバンク社債と種類株式の違いは何ですか?
A. ソフトバンク社債は満期と利息が確定していますが、社債型種類株式は配当付きの株式であり、償還は企業判断に委ねられます。

Q3. ソフトバンク社債型種類株式の評判はどうですか?
A. 安定配当を評価する声がある一方、非上場で売却しづらい点や信用リスクを指摘する声もあり、意見が分かれています。

Q4. ソフトバンク社債型種類株式の値上がりは期待できますか?
A. 上場していないため日々の値動きはなく、基本的に値上がり益は期待できません。配当収入が主なリターンです。

Q5. ソフトバンク社債型種類株式の格付けはどう評価されていますか?
A. 商品自体には格付けはありませんが、発行体であるソフトバンク株式会社の格付けが信用評価の参考になります。

Q6. ソフトバンクの格付けが下がった影響はありますか?
A. 格下げが続くと信用リスクが増し、社債型種類株式の信頼性や配当維持にも懸念が広がる可能性があります。

Q7. ソフトバンク社債型種類株式は初心者にもおすすめですか?
A. 安定配当を目的とする初心者には合う商品ですが、流動性の低さや信用リスクを理解した上で判断することが大切です。

Q8. もしソフトバンクが潰れたらどうなりますか?
A. 万が一倒産すれば、配当の支払い停止や元本毀損のリスクがあります。評判に左右されず信用リスクを確認しましょう。

Q9. ソフトバンク社債型種類株式はNISAで買えますか?
A. 非上場のため、NISAの対象にはなっておらず、特定口座や一般口座での購入が前提です。

Q10. 今から買うのは遅いですか?今後の発行予定は?
A. すでに発行済みの第1回分は完売していますが、今後新たな募集があれば再び購入の機会があるかもしれません。

ソフトバンク社債型種類株式は買うべきか?評判・格付け・値上がり期待を徹底検証のまとめ

最後にこの記事のポイントをまとめました。

  • ソフトバンク社債型種類株式は社債と株式の中間的な金融商品
  • 年2.5%の固定配当が特徴で安定収入を重視する投資家向け
  • ソフトバンク社債型種類株式の評判は利回りの魅力と流動性の弱さで賛否が分かれる
  • 上場していないため値上がりを狙う投資には不向き
  • 元本償還は発行者の判断によるためタイミングは不確定
  • ソフトバンク社債の格付けは2025年時点で安定的な水準を維持している
  • ソフトバンクの業績は増収増益基調で財務体質も強固
  • NISAでは購入できないため配当には通常課税がかかる
  • ソフトバンクが潰れる可能性は低いが、親会社の信用には注意が必要
  • 初心者にも分かりやすいが、換金性が低いため長期保有が前提
  • 「買うべきか」の判断はリスク許容度と投資目的に応じて分かれる
  • 評判や格付けだけでなく投資スタイルに合っているかが最重要

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