スワップ投資とレバレッジの最適バランスとは?リスクを抑えて増やす方法

スワップ投資とレバレッジの最適バランスとは? FX入門・実践

本記事は、スワップ投資に取り組むうえで欠かせない「レバレッジの使い方」について、初心者にもわかりやすく解説する内容です。

レバレッジをかけすぎるとロスカットのリスクが高まり、かけなさすぎると収益性が下がってしまいます。では、スワップ投資で効率よく資産を増やすには、どの程度のレバレッジが最適なのでしょうか?2025年の金利環境や高金利通貨の特徴もふまえながら、リスクを抑えつつ着実に増やす方法を具体的に紹介します。

この記事の4つのポイント
  • スワップ投資とレバレッジの基本がわかる

  • 安全なレバレッジ倍率の目安がつかめる

  • 資金管理とリスク回避の方法が学べる

  • 最新の金利環境に合った戦略が理解できる

  1. スワップ投資におけるレバレッジの基本
    1. スワップ投資とは?仕組みと収益の考え方
    2. スワップポイントはどこで発生する?
    3. 高金利通貨がスワップ投資で選ばれる理由
    4. レバレッジとは何か?初心者にもわかりやすく解説
    5. スワップ投資でレバレッジを使うメリットとデメリット
      1. メリット
      2. デメリット
    6. 国内FXの最大レバレッジと規制の背景
    7. 実際のスワップ収入とレバレッジ倍率の関係
    8. 証拠金維持率・必要証拠金の計算方法を理解しよう
      1. 【必要証拠金の計算例】
      2. 【証拠金維持率】
    9. スワップ運用とロスカットのリスク
      1. 典型的な失敗例
      2. これを防ぐには
    10. レバレッジなしのスワップ投資は儲かるのか?
      1. メリット
      2. ただし利益面では、
  2. スワップ投資でレバレッジを活かす実践戦略のまとめ
    1. どのくらいのレバレッジが安全か?バランスの目安
    2. 月1万円のスワップ収入に必要なレバレッジと通貨量
    3. 高金利通貨ペア別|レバレッジ戦略の違い(MXN/TRY/ZAR)
      1. メキシコペソ(MXN/JPY)
      2. トルコリラ(TRY/JPY)
      3. 南アフリカランド(ZAR/JPY)
    4. スワップと為替差損をどう両立させるか?
      1. 両立のポイント
      2. 実践的な方法
    5. 長期保有で複利的に増やす方法とは?
      1. 具体的な再投資戦略
      2. 複利の効果(例:月3,000円 → 年36,000円)
    6. 金利変動がレバレッジ戦略に与える影響
      1. 金利上昇が起きた場合
      2. 金利低下 or マイナス転換が起きた場合
    7. 含み損に耐えるための資金管理のコツ
      1. 資金管理の基本
      2. 実践的な備え方
    8. レバレッジとポジション分散の組み合わせ
      1. 例:分散ポートフォリオ
      2. なぜ分散が有効か?
    9. スワップ狙いの両建て戦略は使えるか?
      1. なぜスワップ狙いの両建ては難しいか?
      2. 例:MXN/JPY 両建て
    10. 2025年の金利環境とおすすめのレバレッジ活用法
      1. 金利の注目ポイント
      2. 2025年おすすめ戦略
    11. よくある質問Q&A10選
    12. スワップ投資とレバレッジの最適バランスとは?リスクを抑えて増やす方法のまとめ

スワップ投資におけるレバレッジの基本

スワップ投資とは?仕組みと収益の考え方

スワップ投資とは、FX(外国為替証拠金取引)において通貨を買ったまま保有し、2国間の金利差によって毎日得られるスワップポイントを収益源とする投資手法です。

たとえば、金利が高い新興国通貨(メキシコペソ、トルコリラ、南アフリカランドなど)を、金利が低い円で買うと、その差額分のスワップが「受け取りスワップ」としてもらえます。

スワップ投資の魅力は、為替差益を狙わずとも「金利収入のように毎日コツコツ利益を積み上げられる」点にあります。

中長期保有を前提にすることで、安定した副収入源として活用する人も多く、近年はインフレ対策や資産の分散先として再注目されています。

スワップポイントはどこで発生する?

スワップポイントは、各FX会社が提示する通貨ごとの金利差に基づいて日々変動します。

具体的には、各国の政策金利やインターバンク市場の金利状況などがベースとなり、そこにFX会社の手数料などが加味されて算出されます。

通貨ペア 買いスワップ(1万通貨あたり) 備考
MXN/JPY +10円〜15円 高金利で人気だが為替変動に注意
TRY/JPY +15円〜20円(変動幅大) 金利は高いが政治リスクも
USD/JPY +3円〜5円 安定だがスワップは小さめ

※スワップポイントはFX会社・時期により異なります。

毎営業日ごとにポジションを保有していると、自動的に口座にスワップ益が付与されます。

なお、水曜日には「週末分を前倒しで3日分受け取る」“3倍デー”があるため、保有タイミングによって受取額が大きく変わる点にも注意が必要です。

高金利通貨がスワップ投資で選ばれる理由

スワップ投資の主役は、なんといっても高金利通貨です。

なぜなら、スワップ収益の源泉は「買い通貨の金利 − 売り通貨の金利」だからです。

金利差が大きければ大きいほど、毎日得られるスワップ益が大きくなるためです。

代表的な高金利通貨には以下のような特徴があります。

  • メキシコペソ(MXN):比較的安定した新興国通貨。日本人に人気
  • トルコリラ(TRY):金利は非常に高いが、為替の乱高下が激しい
  • 南アフリカランド(ZAR):資源国通貨でスワップは大きいが、ボラティリティに注意

高金利通貨は確かに魅力的ですが、スワップ狙いで長期保有するには為替の変動リスクや金利政策の変化も慎重に見極めなければなりません。

「スワップで得た利益以上に為替差損が出る」というケースも多く、あくまで慎重なレバレッジ設計が必要です。

レバレッジとは何か?初心者にもわかりやすく解説

レバレッジとは、日本語で「てこ」を意味する言葉で、少ない資金で大きな取引を可能にする仕組みです。

FXでは、証拠金として預けたお金の数倍の金額を動かすことができ、この倍率のことを「レバレッジ倍率」と呼びます。

たとえば、10万円の証拠金で100万円分の取引を行えば、レバレッジは10倍ということになります。

この仕組みを活用することで、スワップ投資でもより大きな通貨量を保有し、多くのスワップポイントを受け取ることが可能になります。

ただし、当然ながらリスクも拡大します。

レバレッジをかければかけるほど、わずかな為替変動でも損益が大きく動くため、過剰な倍率での取引は避けるべきです。

スワップ投資でレバレッジを使うメリットとデメリット

レバレッジをスワップ投資に活用することで、少ない元手でも毎日得られるスワップ収益を効率的に増やすことができるという大きなメリットがあります。

メリット

  • 少額から高スワップ通貨の運用が可能
  • 資金効率が良く、月数万円レベルの副収入も狙える
  • 複利的に再投資しやすく、資産形成ペースが上がる

一方で、以下のようなデメリットにも注意が必要です。

デメリット

  • 為替が逆行した際、含み損が急拡大する
  • 強制ロスカット(証拠金割れによる自動決済)のリスク
  • 金利情勢や政策変更によるスワップ減少・逆転の可能性

✅ ポイント:スワップ投資でレバレッジを使う場合、「収益の最大化」よりも「リスクの最小化を優先することが鉄則」です。運用の目的が“着実な金利収入”である以上、過剰なレバレッジは戦略から外れてしまいます。

国内FXの最大レバレッジと規制の背景

日本国内では、金融庁の定めにより個人投資家の最大レバレッジは25倍に制限されています。

この規制は、2011年に段階的に導入されたもので、過剰な投機的取引から個人資産を守る目的があります。

区分 レバレッジ上限
個人(国内) 25倍
法人(国内) 制限なし(審査あり)
海外FX(個人) 最大1000倍以上も可能(業者による)

一方、海外FXでは規制が緩やかで、最大500〜1000倍のレバレッジを提供している業者も多く存在します。

ただし、こうした高レバレッジ環境は証拠金が少なく済む反面、非常にリスクが高いため、スワップ目的の長期投資とはやや相性が悪い面もあります。

✅ アドバイス:スワップ投資においては、国内の25倍上限でも十分に収益設計が可能です。むしろ、レバレッジ5倍〜10倍程度の“抑えた運用”が現実的かつ安全性の高いスタイルといえるでしょう。

実際のスワップ収入とレバレッジ倍率の関係

スワップ投資では、保有している通貨量に比例してスワップポイントが加算されるため、レバレッジを活用することで収益効率を高めることができます。

たとえば、メキシコペソ(MXN/JPY)のスワップが1万通貨あたり10円の場合、以下のようになります。

証拠金 レバレッジ 保有通貨量 1日あたりスワップ 月収(30日)
10万円 1倍 1万通貨 約10円 約300円
10万円 5倍 5万通貨 約50円 約1,500円
10万円 10倍 10万通貨 約100円 約3,000円

レバレッジを上げれば上げるほど、同じ資金で保有できる通貨量が増えるため、スワップ収入も比例して増加します。

ただし、これは為替が安定している前提の話です。

為替変動や政策金利の変更により、スワップの金額は変動する上に、含み損の影響も受けます。

✅ ポイント:高いレバレッジは短期的な収益を大きく見せる一方で、リスクの振れ幅も大きくなるため、欲張りすぎずに設計することが重要です。

証拠金維持率・必要証拠金の計算方法を理解しよう

スワップ投資では、「どれだけレバレッジをかけるか?」と同時に、「それを維持できる証拠金は十分か?」という点も非常に重要です。

この判断に必要なのが「証拠金維持率」と「必要証拠金」の概念です。

【必要証拠金の計算例】

たとえば、1ドル=150円のとき、1万通貨(10,000通貨)の米ドルを買うには、

必要証拠金 = 為替レート × 通貨量 ÷ レバレッジ
= 150円 × 10,000 ÷ 25
= 60,000円

【証拠金維持率】

これは、口座残高と含み損益に基づいて計算され、通常は100%を下回ると強制ロスカットが発動するFX会社が多いです。

証拠金維持率(%) = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100

✅ アドバイス:スワップ投資のように長期間保有する戦略では、最低でも維持率300%以上をキープするのが安全です。為替が少し動いただけでロスカットされては、スワップ収入どころではありません。

スワップ運用とロスカットのリスク

スワップ投資の落とし穴としてよくあるのが、「スワップでコツコツ貯めていたのに、為替の急変でロスカットされて一気に資金を失った」というパターンです。

典型的な失敗例

  • 高レバレッジでTRY/JPY(トルコリラ円)を保有
  • 為替が急落(例:5円下落)
  • 含み損が急拡大し、証拠金維持率が100%を下回ってロスカット発動
  • スワップで積み上げていた利益がすべて帳消し+元本も損失

これを防ぐには

  • ポジションサイズを抑える(レバレッジ3〜5倍程度)
  • 為替が急落しても証拠金維持率が200〜300%を保てる資金を入れる
  • 長期金利・インフレ率・地政学的リスクも考慮する

✅ ポイント:スワップ投資は「安全そう」に見えますが、レバレッジ次第で超ハイリスクにもなりうる投資手法です。「ロスカットされない水準を設計できるか」が、継続的に収益を得られるかどうかのカギになります。

レバレッジなしのスワップ投資は儲かるのか?

レバレッジをかけず、いわゆる「現物感覚」でスワップ投資を行いたいという方も少なくありません。

リスクを最小限に抑えたい人にとっては非常に合理的な選択です。

メリット

  • 為替が急変してもロスカットの心配がない
  • 長期保有前提の投資として安心感がある
  • 証拠金維持率を気にせず、放置運用がしやすい

ただし利益面では、

  • スワップ収入は通貨量に比例するため、大きな収益を得るにはまとまった資金が必要
  • 例:メキシコペソ(1万通貨で1日10円)の場合
     → 年間でも約3,650円にしかならない

✅ 結論:レバレッジなしのスワップ投資は「安全性は高いが、収益性は限定的」です。生活資金とは別に十分な資金がある方や、極端にリスクを取りたくない方向けの手法といえるでしょう。

スワップ投資でレバレッジを活かす実践戦略のまとめ

どのくらいのレバレッジが安全か?バランスの目安

スワップ投資では、「収益性」と「リスク回避」のバランスが非常に重要です。

そのため、どの程度のレバレッジが“安全圏”かを把握しておく必要があります。

レバレッジ倍率 特徴 推奨レベル
1〜2倍 ロスカットリスクほぼゼロ 極めて安全志向
3〜5倍 為替変動にもある程度耐えられる 安全と効率のバランス◎
6〜10倍 含み損拡大のリスクあり 中〜上級者向け
11倍以上 ロスカットリスクが急増 非推奨(短期向き)

一般的に、スワップ目的の長期投資であれば3〜5倍のレバレッジが最適とされています。

この範囲なら多少の為替変動にも耐えつつ、スワップ収益もある程度得られます。

✅ アドバイス:FX会社のロスカットルール(維持率100%など)も事前に確認し、“何円下がると危険か”をシミュレーションしておくことが重要です。

月1万円のスワップ収入に必要なレバレッジと通貨量

「副収入として月1万円のスワップを得たい」というのは、多くの投資家が目標にしやすい水準です。

ではそのために、どの程度の通貨量・レバレッジが必要なのかを具体的に見ていきましょう。

例:メキシコペソ(MXN/JPY)1万通貨あたりスワップ=10円の場合

月1万円 ÷ 10円 ≒ 1,000通貨単位(×1日)
⇒ 1,000通貨 × 30日 = 30,000円/月 なら月3万円
→ 月1万円なら 1日あたり約334円必要 ⇒ 約3.3万通貨
レバレッジ 必要証拠金(概算) 実現できる保有量 スワップ月収
2倍 約25万円 約3.3万通貨 約1万円
5倍 約10万円 約3.3万通貨 約1万円
10倍 約5万円 約3.3万通貨 約1万円

※為替レートにより変動します

✅ ポイント:月1万円を現実的に目指すなら、レバレッジ3〜5倍・証拠金10万円前後が1つの目安になります。もちろん為替変動に備え、さらに余裕資金をプラスして運用するのが理想です。

高金利通貨ペア別|レバレッジ戦略の違い(MXN/TRY/ZAR)

スワップ投資では、高金利通貨ペアごとに為替変動の特徴・スワップ額・リスクの質が異なります。

通貨の性質を理解した上で、適切なレバレッジを設定することが重要です。

メキシコペソ(MXN/JPY)

  • スワップ:10〜15円/日(1万通貨あたり)
  • 為替の変動幅は比較的穏やか
  • レバレッジ:5〜10倍でも比較的安定

トルコリラ(TRY/JPY)

  • スワップ:15〜20円と高額だが非常に不安定
  • 政治・経済の急変動が多く、短期間で数円下落も
  • レバレッジ:最大でも3倍まで、1〜2倍が理想

南アフリカランド(ZAR/JPY)

  • スワップ:8〜12円前後
  • 資源国通貨として、世界情勢やコモディティ価格に左右される
  • レバレッジ:3〜5倍が妥当な安全圏

✅ アドバイス:「高スワップ=高リスク」と捉え、通貨の性質に合わせてレバレッジを調整することが、長期で利益を残すためのコツです。

スワップと為替差損をどう両立させるか?

スワップ投資は「毎日の金利収入」が魅力ですが、実際には為替差損とのバランスが重要です。

いくらスワップで利益を得ていても、為替の値下がりで損失が出てしまえば、トータルで赤字になることも珍しくありません。

両立のポイント

  • 買値に近いレートで仕込む(高値掴みを避ける)
  • 長期的に見て「為替が安定 or 上昇基調」の通貨を選ぶ
  • スワップで稼ぐ期間中に「小さな為替利益」を取る意識を持つ

実践的な方法

  • 「平均取得単価を下げるナンピン戦略」は、資金に余裕がある場合のみ有効
  • 為替チャートを確認し、「反発しやすい水準」で買いを入れる
  • レンジ相場なら、下限付近で買い、スワップ+為替反発を狙う

✅ 結論:スワップ投資は“為替が動かなければ儲かる”と思われがちですが、実は「為替を読みながら仕込む」ことで最大の成果を出す投資でもあります。

長期保有で複利的に増やす方法とは?

スワップ投資の真の強みは「毎日得られる安定収益を、長期にわたってコツコツ積み上げられる」点にあります。

この日々の収益を再投資(複利運用)に回すことで、時間を味方にした資産形成が可能になります。

具体的な再投資戦略

  1. 1ヶ月のスワップ収入を記録
  2. まとまった金額(例:1万円)に達したら、新規ポジションを追加
  3. 定期的にロットを増やし、スワップ収入も増加させていく

複利の効果(例:月3,000円 → 年36,000円)

  • 翌年には、その36,000円分の追加通貨からもスワップが得られる
  • 再投資を5年、10年と繰り返すと、最初と比べて2〜3倍の収益効率になることも

✅ アドバイス:複利効果を活かすには、ロスカットされない設計(低レバレッジ+安定資金)が前提です。「勝ち続ける」より「負けない設計」の方が、長期的には資産を大きく育てられます。

金利変動がレバレッジ戦略に与える影響

スワップ投資では「スワップポイント=金利差」です。

そのため、各国の政策金利が変動すれば、スワップ収入も増減し、レバレッジ戦略そのものの再考が必要になります。

金利上昇が起きた場合

  • スワップポイントが増える → スワップ益の増加
  • レバレッジを低く抑えても収益が上がりやすくなる
  • 長期保有しやすくなり、資金効率も良くなる

金利低下 or マイナス転換が起きた場合

  • スワップが減る、または受取→支払いに転じる可能性
  • レバレッジをかけていても収益効率が悪化
  • ポジションを持ち続けるリスクが高まる

✅ アドバイス:スワップ投資では、レバレッジ設定は“固定”ではなく“金利動向に応じて変える”ことが重要です。中央銀行の金融政策(利上げ・利下げ)には常にアンテナを張りましょう。

含み損に耐えるための資金管理のコツ

スワップ投資の大きなリスクは「為替変動による含み損」です。

特に高レバレッジ運用では、わずかな相場の下落で一気に証拠金維持率が低下し、強制ロスカットに繋がる危険があります。

資金管理の基本

  • レバレッジ3〜5倍以下に設定(保守的な運用が可能)
  • 想定レンジを決め、その下限までは「耐えられる証拠金」を用意
  • 証拠金維持率300%以上を常にキープ
  • 急な相場変動に備えて「追加入金できる余剰資金」を確保

実践的な備え方

  • 証拠金とは別に「為替変動用の安全資金」を別口座に用意
  • 含み損が出ても焦らないよう、想定される最大ドローダウンを試算しておく

✅ ポイント:スワップ投資の最大の敵は「焦りからの損切り・ロスカット」です。
含み損を耐えるための資金余力こそ、安定運用のカギになります。

レバレッジとポジション分散の組み合わせ

一つの通貨ペアだけに集中投資をしてしまうと、金利変動や為替変動の影響をモロに受けてしまいます。

そこで有効なのが「通貨ペアの分散」と「レバレッジの分散」を組み合わせる戦略」です。

例:分散ポートフォリオ

  • MXN/JPY(メキシコペソ):レバレッジ5倍
  • ZAR/JPY(南アフリカランド):レバレッジ3倍
  • USD/JPY(米ドル円):レバレッジ2倍

このように、通貨のリスクや値動きの性質に応じてレバレッジを変えることで、トータルでのポートフォリオ安定性が高まります。

なぜ分散が有効か?

  • ある通貨で下落しても、別の通貨が安定していれば損失を吸収できる
  • 一部の通貨が政策金利を引き上げた場合、他でカバー可能
  • スワップが逆転しても、全体へのダメージを抑えられる

✅ アドバイス:分散は「安全のため」だけでなく「収益の安定化」にもつながります。
通貨ごとのレバレッジバランスを調整することが、長く続けるコツです。

スワップ狙いの両建て戦略は使えるか?

FXでは「両建て(買いと売りを同時に保有)」という戦略がありますが、スワップ投資でも両建てを使えばリスクを抑えて安定収益が得られるのでは?と考える方もいます。

ですが、スワップ目的においての両建ては基本的に非効率であり、注意が必要です。

なぜスワップ狙いの両建ては難しいか?

  • 多くのFX会社では、買いスワップよりも売りスワップの方が大きなマイナス
  • 結果として「受け取り > 支払い」にならず、差し引きマイナスになるケースが多い
  • 両建てでも、それぞれに必要証拠金がかかるため、資金効率が悪くなる

例:MXN/JPY 両建て

  • 買いスワップ:+12円/日
  • 売りスワップ:-18円/日
  • 差引:-6円の損失/日

✅ 結論:スワップ収益を狙うなら、両建てではなく「低レバレッジでの長期保有+通貨分散」の方が現実的かつ効率的です。

2025年の金利環境とおすすめのレバレッジ活用法

2025年現在、世界の金利環境は大きな転換期にあります。

インフレ高止まりによる金利の高止まり、そして一部地域では利下げ局面への移行が進んでおり、スワップ投資戦略にも柔軟な対応が求められています。

金利の注目ポイント

  • 米国:2025年中に利下げ開始の観測あり(スワップ縮小リスク)
  • メキシコ・トルコ・南ア:政策金利高止まりも、利下げ転換に要注意
  • 日本:利上げは限定的と予測され、スワップ収益構造は続く可能性大

2025年おすすめ戦略

  • 短期で高金利通貨を回すのではなく、中〜長期保有を前提にした設計が有効
  • 各通貨ごとに「最大何%下落しても耐えられるか」を再計算
  • レバレッジは控えめ(3〜5倍以内)+複利運用でじっくり積み上げる

✅ アドバイス:2025年は“仕込みの年”ともいえる年。相場急変に耐えられるレバレッジ設計を最初に作ることが、長期の安定収益につながります。

よくある質問Q&A10選

Q1. スワップポイントって本当に毎日もらえるの?
→ はい。ポジションを保有していれば毎営業日に受け取れます(FX会社により差あり)。

Q2. スワップ投資にレバレッジは必要ですか?
→ 利回りを高めるには有効ですが、リスク管理が不可欠です。

Q3. スワップ投資は初心者でもできる?
→ できますが、為替リスクと資金管理の基本は必ず学びましょう。

Q4. 金利が下がったらスワップはどうなる?
→ スワップ額も減り、最悪の場合はマイナスになることもあります。

Q5. レバレッジは何倍くらいが安全?
→ 3〜5倍が収益と安全性のバランスがよくおすすめです。

Q6. スワップ益は課税対象?
→ はい。「雑所得」として確定申告が必要なケースもあります。

Q7. どの通貨がスワップ投資に向いている?
→ メキシコペソ、南アフリカランド、トルコリラなどが候補です。

Q8. FX会社によってスワップって違うの?
→ はい。同じ通貨でも会社によりスワップ額や付与タイミングが異なります。

Q9. スワップ投資でロスカットされたらどうなる?
→ 保有ポジションがすべて強制決済され、スワップも失います。

Q10. 複利運用ってどうやるの?
→ スワップ益を使って新たなポジションを増やすことで実現できます。

スワップ投資とレバレッジの最適バランスとは?リスクを抑えて増やす方法のまとめ

最後にこの記事のポイントをまとめました。

  • スワップ投資は金利差によって得られる日々の収益を狙う投資手法
  • レバレッジを使うと少額でも大きな通貨量を保有できる
  • 高金利通貨はスワップが大きいが、為替変動リスクも高い
  • スワップ投資ではレバレッジ3〜5倍がバランスの良い目安
  • 金利の変動によりスワップ額が上下するため定期的な見直しが必要
  • 含み損に耐えられるだけの資金管理と維持率キープが必須
  • 複利運用によりスワップ収益を再投資して効率を高められる
  • 通貨ごとの性質に応じてレバレッジと分散を設計するのが効果的
  • 両建てでのスワップ運用は基本的に非効率でおすすめできない
  • 2025年は金利環境が流動的で、安全重視のレバレッジ設計が求められる

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