
「資産形成って、結局何から始めればいいの?」NISAやiDeCo、株や投資信託など、選択肢は山ほどあるのに、本当に大切な“最初の一歩”がわからない——。そんな不安を抱える方も多いと思います。

特に、将来に漠然とした不安を感じている20代〜40代の方にとって、資産形成は“今こそ向き合うべき課題”です。この記事では、金融知識がゼロでも安心して始められるよう、「資産形成の基本」と「やるべき5つのステップ」を、実体験と専門的視点からわかりやすくお届けします。
- 📌資産形成の基本構造と、初心者がつまずきやすい落とし穴を解説
- 📌「何から始めるべきか?」が明確になる5つの具体的なステップを提示
- 📌NISA・iDeCoなど制度活用のポイントと注意点を丁寧に解説
- 📌“やらない方がいいこと”にも触れ、後悔しない始め方を提案
資産形成は“何から始める”のが正解か?
お金を増やすための「資産形成」は、聞き慣れていても“実際に何をすればいいのか”となると、急に難しく感じるものです。
特に初心者が陥りやすいのが、いきなり商品選び(NISA・iDeCo・投資信託)から入ってしまい、仕組みも目的も曖昧なまま始めてしまうこと。
資産形成は、「収入・支出・貯蓄・投資・保障」など、お金にまつわる構造全体を理解することから始めるのが正解です。
資産形成の基本3本柱とは?
資産形成の出発点は、シンプルに次の3つに整理できます。
項目 | 目的 | 主な手段 |
---|---|---|
貯める | 生活防衛資金・目標貯蓄 | 預貯金・定期預金 |
増やす | 将来への備え | 投資信託・株式・iDeCo・NISA |
守る | リスクへの備え | 保険・分散投資・流動性確保 |
「貯金」と「投資」はどっちが先?
初心者の多くが迷うのが、「まずは投資から始めるべきか? それとも貯金を優先すべきか?」という順番の問題です。
結論から言えば、最初は“貯金”が最優先です。
生活防衛資金(=いざという時に手をつけられるお金)を確保しないまま投資を始めると、相場の下落や予期せぬ出費に対応できません。
項目 | 貯金 | 投資 |
---|---|---|
安全性 | 高い(元本保証あり) | 低い(元本割れのリスクあり) |
リターン | ほぼゼロ(金利0.001〜0.1%程度) | 商品によって年3〜7%以上も可能 |
リスク | 物価上昇による「実質的な目減り」が発生する可能性 | 市場変動によって元本割れするリスク |
目的 | 生活防衛資金、短期的な支出に備えるため | 中長期的な資産形成、インフレ対策 |
おすすめ対象 | 初心者・リスクを取りたくない人 | 長期的に資産を育てたい人、インフレに備えたい人 |
一般的には、生活費の3〜6ヶ月分の現金確保が最初のゴールです。
この貯金が整ってはじめて、「次に投資」という流れになります。
よくある“間違った始め方”とは?
資産形成の相談でよく聞くのが、次のような“ありがちな落とし穴”です。
-
SNSやYouTubeで「○○で月5万円稼げた」と聞いて飛びついてしまう
-
よく分からない保険商品で将来の資産形成をしようとする
-
投資よりも「節約」ばかりに力を入れすぎて逆に疲弊する
→ 最初にやるべきなのは“自分の状況の把握”であり、商品選びではありません。
生活防衛資金の目安と準備法
生活防衛資金は、どんな状況でも最低限の生活ができるだけの現金のことです。
📌目安の例
-
単身者:月15万 × 6ヶ月 = 90万円
-
家族持ち:月30万 × 6ヶ月 = 180万円
この金額をいきなり用意する必要はありません。
まずは月1万円でもいいので、自動積立で“取り崩さない貯金”を始めましょう。
→ 安心の“土台”が整うと、次のステップである「運用」にも前向きに取り組めます。
このように、資産形成は“お金を増やすこと”よりも、「どう準備するか」「どう守るか」が最初のカギになります。
初心者がやるべき5つのステップ
資産形成の“構造”が見えてきたら、次は実際に「何をすればいいのか?」という行動フェーズに入ります。
ここでは、初心者でもすぐに実践できて、資産形成のベースを作れる5つのステップを順番にご紹介します。
STEP1|収支の可視化と固定費見直し
資産形成の第一歩は、「今の家計状況を“見える化”すること」です。
自分の収入・支出が把握できていないと、そもそも貯めることも増やすこともできません。
📌やるべきこと
-
家計簿アプリ(例:マネーフォワードME)で月単位の出費を可視化
-
固定費(保険料・通信費・サブスク)の見直しで無駄をカット
-
毎月の「先取り貯蓄」ルールを設定(給与の1割を自動積立など)
→ “支出の最適化”は、資産形成の加速装置になります。
STEP2|目的別に貯蓄・投資を分ける
「何のためにお金を使うのか?」を明確にすると、貯金と投資の“役割分担”が自然に見えてきます。
📌目的別に分ける例
目的 | 運用方法 | 商品の例 |
---|---|---|
生活防衛資金 | 現金・普通預金 | 銀行口座・定期預金 |
1年以内の使い道(旅行・家電など) | 流動性重視 | 貯金・積立型預金 |
5年以内の目標(教育資金など) | 安全性重視 | 個人向け国債・定期預金・債券型投信 |
10年以上先の資産形成(老後など) | 成長性重視 | 新NISA・iDeCo・投資信託 |
STEP3|iDeCo・新NISAなど制度活用
資産形成を始めるうえで、“使わないと損”と言えるのが税制優遇制度です。
特に「iDeCo」と「新NISA」は、初心者こそ積極的に活用すべき仕組みです。
📌iDeCo(個人型確定拠出年金)
項目 | 特徴 |
---|---|
対象者 | 原則20歳以上60歳未満のすべての人 |
税制メリット | 掛金が全額所得控除、運用益も非課税 |
引き出し | 原則60歳以降(長期運用向き) |
📌新NISA(つみたて投資枠・成長投資枠)
項目 | 特徴 |
---|---|
対象者 | 18歳以上 |
税制メリット | 運用益・配当が非課税(最長無期限) |
柔軟性 | 途中売却OK・再利用可能枠あり |
📌注意点
STEP4|少額から始める資産運用法
「資産運用って、まとまったお金がないと無理じゃないの?」
そんな風に思っている方も多いかもしれませんが、実は今は月100円・1000円から始められる時代です。
📌少額スタートにおすすめの方法
方法 | 特徴 | 最低金額 |
---|---|---|
つみたてNISA | 毎月一定額で長期運用/非課税 | 月100円〜OK |
iDeCo | 老後資金を積立運用/節税効果 | 月5000円〜 |
ロボアドバイザー(例:ウェルスナビ) | 自動分散投資/初心者向き | 1万円〜 |
証券口座での投資信託購入 | 商品選択の幅が広い | 100円〜 |
→ 少額でも、「始めた時点で経験値」が積み上がっていきます。
📌心構えとして大事なこと
-
投資に“正解のタイミング”はありません。
-
重要なのは「継続」と「分散」。小さく始めて習慣化することです。
STEP5|情報収集の“習慣”を身につける
資産形成は、「始めたら終わり」ではなく、変化し続ける環境に合わせて“学び続ける姿勢”が求められます。
📌 初心者におすすめの情報源
情報源 | 特徴 |
---|---|
金融庁・証券会社の公式サイト | 信頼性が高く、制度変更にも対応 |
ブログ・YouTube(信頼性のある発信者) | 実体験ベースの情報が豊富 |
書籍(初心者向けの投資・マネー本) | 理論や仕組みを体系的に学べる |
各種ニュースアプリ・日経電子版など | 経済・金利・為替など市場の動きを把握できる |
📌 習慣化のコツ
-
通勤時間にYouTubeで「金融リテラシー」系チャンネルを聴く
-
週に1冊、資産運用の本を読むルールをつくる
-
定期的にポートフォリオを見直す“マネー見直し日”を設定
→ 情報の質と量が、将来の資産差につながることも珍しくありません。
「NISAとiDeCoの違い」がわかると選びやすくなる
資産形成を始めようとすると、必ず耳にするのが「NISA」と「iDeCo」。
どちらも税制優遇制度ですが、性質が大きく異なるため、違いを理解しておくことで失敗を避けやすくなります。
📌 比較表:NISAとiDeCoの主な違い
項目 | 新NISA | iDeCo |
---|---|---|
対象年齢 | 18歳以上 | 20歳〜60歳未満(65歳未満に延長可) |
引き出し自由度 | いつでもOK | 原則60歳以降のみ |
非課税メリット | 運用益・配当が非課税 | 掛金が全額所得控除+運用益非課税 |
資金拘束 | なし(柔軟) | あり(長期専用) |
向いている人 | 初心者全般・柔軟に使いたい人 | 節税重視・長期運用が可能な人 |
詳しく制度の使い分けを知りたい方は、【2025年版】NISAとiDeCoの違いは?初心者向け始め方ガイド を参考にしてください。
金融商品を選ぶときの注意点
資産形成では「どの商品を選ぶか」も大切ですが、初心者がよく陥りやすいのが“仕組みを理解しないまま購入してしまう”ことです。
特に、長期にわたってお金を預ける商品は、契約前に以下のポイントを必ず確認しましょう。
📌 チェックすべき3つのポイント
-
リスクとリターンのバランス
→ ハイリターン商品には必ず相応のリスクがあります。リスク許容度に合っているかを確認。 -
手数料の仕組み
→ 販売手数料・信託報酬・解約手数料など、コスト構造が複雑な商品は慎重に。 -
流動性(換金のしやすさ)
→ 緊急時に引き出せるか? 中途解約時にペナルティがないか? も確認が必要です。
📌 よくある落とし穴
-
「元本保証」と言われて安心して契約したが、手数料で実質マイナスに
-
銀行・保険窓口で勧められたまま契約したが、内容が理解できていなかった
-
外貨建て・仕組預金など複雑な商品で損失を出した
→ わからない商品には手を出さない。これが資産形成の鉄則です。
まずは“やらない方がいいこと”を知る
資産形成を始めるとき、多くの人が「何をすればいいか」に目を向けがちですが、実はそれと同じくらい重要なのが、「やらない方がいいこと」を知ることです。
📌 よくあるNG行動
行動 | リスクやデメリット |
---|---|
よくわからないまま商品を契約 | 内容や手数料構造が理解できず後悔しやすい |
借金・ローンがあるまま投資を始める | 金利負担 > 投資リターンになる可能性あり |
一発逆転を狙って短期売買に手を出す | 高リスクで初心者ほど損失が大きくなりがち |
SNSや知人の“儲かった話”に影響される | 自分のリスク許容度と合わない判断をしやすい |
📌 ワンポイントアドバイス
-
「儲け話」に飛びつく前に、“損をしないこと”を優先しましょう。
-
迷ったときは、「この判断は5年後に後悔しないか?」と自問してみるのがおすすめです。
→ 成功のカギは、“最初に避けるべき地雷”を知っておくこと。
SNS・YouTubeの情報に惑わされない判断軸
今の時代、資産形成の情報はSNSやYouTubeでも簡単に得られるようになりました。
ですが、その便利さの裏には、誤情報や過剰な演出による“誤解”のリスクも潜んでいます。
📌 よくある影響されすぎパターン
-
「○○だけで月10万円!」という投稿を見て焦って始めてしまう
-
インフルエンサーが紹介する商品を“すぐに”真似して購入
-
YouTubeの短時間解説だけで“分かった気”になり、契約や購入へ
→ SNSや動画はあくまで「きっかけ」。鵜呑みにせず、自分の頭で考える習慣が不可欠です。
📌 判断軸を持つために意識したい3つのこと
-
「誰が言っているか?」を確認する(金融資格や実績の有無)
-
「なぜ今その情報を出しているのか?」(広告目的の可能性)
-
「自分の目的と一致しているか?」を自問する
→ 情報の取捨選択こそ、資産形成の“地力”になります。
「保険で資産形成」はアリ?ナシ?
銀行や保険の窓口でよく紹介されるのが、「資産形成型の保険商品」。
たとえば、「○年後に返戻金が受け取れる終身保険」や「外貨建て保険」などですが、本当に“資産形成”として優れているのでしょうか?
📌 メリットとして紹介されがちな点
-
強制的にお金を積み立てられる
-
万が一の保障もつく
-
満期でお金が返ってくる(ように見える)
📌 注意すべきリスク
観点 | リスク・弱点 |
---|---|
手数料 | 明確に示されていない/割高な場合が多い |
流動性 | 中途解約すると元本割れリスクが大きい |
柔軟性 | 投資先を自分で選べない・変更できない |
保障の重複 | 他の保障と重なる場合は不要な費用発生に |
📌 ワンポイント
-
どうしても検討したい場合は、“利回りベース”で他商品と比較することが大切。
-
不明点が多い商品を「なんとなく安心そう」で契約するのは避けましょう。
将来のための“仕組み化”の重要性
資産形成を「一時的なやる気」だけに頼ってしまうと、忙しさや日常の変化で継続できなくなることがあります。
だからこそ大事なのが、仕組み化=“自動化して続けられる仕組み”を作ることです。
📌 仕組み化の代表例
ステップ | 内容 | 補足ポイント |
---|---|---|
Step1 | 給与日を“お金を動かす日”と決める | 給料振込と同時に資金を自動振り分け |
Step2 | 自動で「貯蓄」「支出」「投資」に仕分け | 銀行の自動振替・証券口座の自動積立を設定 |
Step3 | つみたてNISAやiDeCoで自動積立開始 | 毎月の投資を“感情抜き”で続けられる仕組みにする |
Step4 | 家計簿やアプリで月次の資産状況を記録 | 見える化することで無駄な支出に気づきやすくなる |
Step5 | 年に1回、資産配分・生活費の見直しを行う | 金融商品のリバランスやライフイベントに備えた調整を |
📌 なぜ仕組み化が重要か?
-
感情に左右されにくい(市場の変動にビビらない)
-
一度設定すれば「続けられる」が前提になる
-
ストレスを最小限にしながら成果を出せる
資産形成は「収入額」より「習慣」で差がつく
「収入が少ないから、資産形成は無理」と感じている方もいるかもしれません。
ですが実際は、“収入の多さ”よりも“お金の扱い方と習慣”が将来の差を生む大きな要因です。
📌 実際によくある逆転現象
人物A | 人物B |
---|---|
年収800万円/浪費家/貯蓄ゼロ | 年収400万円/倹約家/資産1000万円 |
高級車・外食・衝動買い多め | 固定費削減・つみたて投資継続 |
📌 習慣化のポイント
-
家計簿で月1回「お金の振り返り」をする
-
給与日を「投資の日」「仕分けの日」と決めておく
-
少額でも“自分ルール”で投資や貯金を自動化
→ 成功している人ほど、お金の扱いに“意識的な習慣”を持っています。
よくある質問Q&A10選
Q1. 資産形成っていくつから始めるのが理想ですか?
A. 早ければ早いほど有利ですが、何歳からでも「今が最適なスタート時期」です。30代・40代でも遅くありません。
Q2. 毎月いくらから始めればいいですか?
A. 100円から投資できるサービスもあります。まずは「無理なく継続できる金額」が正解です。
Q3. iDeCoとNISA、どちらを先に始めた方がいいですか?
A. 目的によりますが、柔軟に引き出せるNISAの方が初心者には取り組みやすいです。
Q4. 投資信託って初心者でも選べますか?
A. はい。つみたてNISAの対象商品は金融庁が厳選しており、初心者でも安心です。
Q5. 独身ですが、将来の資産形成はどう考えるべきですか?
A. 自分のライフプランが軸になります。老後資金を優先し、医療保険なども早めに検討すると安心です。
Q6. 固定費の見直しって具体的に何をすれば?
A. 保険、通信費、サブスクの解約・見直しが第一歩です。年に1度のチェックがおすすめです。
Q7. 銀行や保険の窓口で紹介された商品は信用できますか?
A. 必ずしも中立ではありません。契約前に内容を比較・理解し、必要ならセカンドオピニオンも。
Q8. ロボアドバイザーって本当に使える?
A. 投資の知識が浅い人にとっては便利ですが、手数料が高めなので資産額や目的に応じて検討を。
Q9. 毎月赤字で資産形成なんて無理です…。
A. まずは収支の“見える化”と固定費の見直しを。500円・1000円でも自動積立を始めると変化が出ます。
Q10. 50代からでも資産形成は間に合いますか?
A. 間に合います。年齢によって取れるリスクは下がりますが、貯め方・守り方の工夫で対応できます。
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